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区政・区議会報告

千葉県野田市の公契約条例の視察に行ってきました。その報告です

 働く人の4人に1人が年収200万円にも満たない「ワーキングプア」といわれています。大企業にたいし、その経済力に見合った雇用の確保と賃金アップなどをさせるとともに、「正規雇用こそ当たり前」という雇用対策にしていかなければなりません。

 同時に、地方自治体としても、雇用対策は国や都道府県の仕事としてしまうのではなく、地域経済を循環させ活性化させるためにも、自治体独自の対策が必要です。

 先日、区議会企画総務委員会で、自治体の仕事を請け負う民間業者で働く労働者の、賃金と待遇確保めざす「公契約条例」についての視察に、千葉県野田市を訪ねました。その報告です。

法律上の解釈をクリア

 千葉県野田市の公契約条例は、全国でいちばん初めに制定されたものである。労働組合や団体からの視察が多いと聞くが、地方自治体の公共工事や業務委託において契約を結ぶ民間業者で働く労働者の賃金や待遇を守ることを目的としている制度なので、それもうなずける。

 公契約条例を自治体で制定するにあたって、さまざまな解釈が存在する。

 「憲法上、事業者に対して最低賃金法の地域別最低賃金額を上回る賃金の支払い義務を条例に規定することができるか」「「本条例によって保護されるものは、公契約に係る業務に従事する労働者で、その労働者が当該市の住民でない場合、地方公共団体の事務であると断定できない」「「条例が労働契約の内容に介入するもので労働基準法等の労働関係法律に違反するのでは」「独占禁止法に規定する不公正な取引方法にあたるのでは」といったものだ。

 しかし、これらの現行法との整合性について「とくに問題ない」と結論付けて条例を制定したことは、称賛に値すべきだと考える。

条例制定の動き強まる

 野田市の公契約条例は、以下の点で、意義があると考える。

 第1は、国による法整備を促すとともに、野田市に続き、公契約条例(公共調達条例)を制定しようという自治体を広げていることである。

 地方自治体が行う工事や委託事業において、下請け事業者やそこで働く労働者の賃金は安くなる一方であり、こういった状況から労働者を守るのは、そもそも国の仕事である。野田市自身、「国にその必要性を認識させ、法の整備を促す」ために公契約条例を制定したと公言している。そして、野田市に続いて条例制定をめざそうという自治体が、川崎市や国分寺市などで見られていることも、目黒区で条例を制定することが、決して時期尚早でないことを示していると思う。

最賃以上の賃金を保障

 第2は、業務委託などで実際に成果が表れたことである。

 市では、業務委託については1千万円以上の施設整備の運転、保守、清掃業務において、市の設定する最低賃金の減収を義務付けるものである。清掃業務の場合、千葉県の最低賃金である時間給728円で労働者が働いていたが、市が条例で829円を最低賃金と定めたことで、清掃業務に携わる労働者の賃金は、時給101円、引き上げられた。これは、まさに条例の効果である。

指定管理者にも規定

 第3は、総合評価による契約や、指定管理者制度にも、評価基準の中に賃金確保を盛り込んだことである。東京都や目黒区のように、価格と技術しか評価の対象になっていない総合評価方式からみると、野田市は条例の効果で、すごく発展している評価制度になっている。

 野田市では、条例をさらに発展させようと、条例改正を9月議会で成立させた。業務委託について、工事と同様に職種に見合った賃金基準とするために、設定額に勘案する額の種類を、建築保全業務労務単価、市職員の給与(野田市の技術職員13万5100円=18歳初任給)、実勢価格などに増やすことや、予定価格が1千万円未満のものについても条例の対象とした。

さらに、長期継続契約にも条例の対象を広げることや、下請け業者の適正な請負額の確保を図ることなどを盛り込んだ。こうした条例を拡充していく市の姿勢にもたいへん共感を覚えた。

 23区の中でも新宿区が契約に関して労働環境の確認にかかわる要綱を定めたり、江戸川区では特定の公共事業指定事業について、価格のみならず社会的要請型総合評価制度に基づいて業者を選定する制度をつくるなど、契約制度を発展させている。ぜひ、目黒区でも地域循環型経済の発展のために、公契約条例の制定や総合評価制度に賃金確保や社会貢献度を盛り込ませる制度づくりを進めていきたい。


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