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11月9日(土)

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11月20日(水)

午後2時〜3時半
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武蔵小山駅 火曜日 午前7時45分ごろから
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区政・区議会報告

昨年度の目黒区一般会計決算の認定にたいする反対討論

 目黒区議会第3定例会は28日、最終日を迎え、本会議で昨年度の目黒区一般会計決算の認定にたいする討論がおこなわれました。私が日本共産党区議団を代表し、反対討論に立ちました。詳細は次の通りです。

 私は日本共産党目黒区議団を代表し、議案第73号、平成18年度目黒区一般会計歳入歳出決算の認定に反対の立場から討論します。

 この年は、自民・公明政権、小泉、安倍両内閣による「構造改革」の中で、貧富と格差がいっそう深刻になりました。全国では、必死に働いても貧困から脱け出せないワーキングプアが少なくとも400万世帯といわれています。生活保護世帯はついに100万世帯をこえたにもかかわらず、国は老齢加算や母子加算を廃止しました。定率減税は半減され、老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小、65歳以上の所得125万円以下の非課税措置の廃止など、高齢者にもたいへんな増税が押し付けられたのもこの年です。

 目黒区でも、非課税から課税になった区民が4000人をこえました。年金収入が増えていないのに、増税と連動して国民健康保険料や介護保険料の引き上げなどの雪だるま式の負担増の影響を受け、高齢者から怒りの声が広がりました。生活保護世帯も2000世帯を超え、国保料の滞納率も依然、高水準で推移し、区民の生活の悪化は疑いようがありません。

 介護保険制度の改定や障害者自立支援法の施行で、必要な介護から締め出されるお年寄りや、急増した負担に悲鳴を上げる障害者など、国の制度の矛盾が噴き出しています。

 このように、国の悪政による区民への影響が著しくなっているときこそ、「住民の福祉の増進を図る」本来の地方自治体の役割が求められています。その立場から、昨年度決算、ならびに区長の区政運営がどうであったのか、以下、主な問題点を述べます。

 まず第一は、くらしを支える対応策がたいへん不十分であったという点です。

 区長はわが党の代表質問に対し、増税や介護保険制度、障害者制度、医療制度の改革による区民への影響について、「区民生活の実態を注意深く見守りながら、適切な対応をはかっていきたい」とのべていました。しかし、補正予算で特別区税や特別区交付金が45億円増えるなど新たな財源が生まれたにもかかわらず、その一部を生活支援にまわすといった必要な対策を講じませんでした。

 非課税から課税になるなど、高齢者の増税による影響を軽減させようと、この年、新宿区などでは増税対策を予算編成の柱に据えるなど、新たな取り組みも始まっていましたが、目黒区では、積極的な対応はほとんどありませんでした。

 それどころか、住民税非課税世帯への2千円というささやかな高齢者電話代補助を廃止するなど、行革を口実にした冷たい対応をとりました。

 また、介護保険制度の改定により、軽度者のサービスが削減されたにもかかわらず、「介護は国の制度の枠内で対応する」との姿勢に固執し、区民の切実な声と実態にこたえる積極策はとられませんでした。

 障害者をはじめ、多くの国民が反対していた障害者自立支援法についても、障害者にたいへんな負担がのしかかることになったにもかかわらず、区の対応策は食事代の負担を半額にすることと、都が実施する利用料軽減策の域を出ず、他の自治体が当初予算から積極的な支援策をとったことと比べても、目黒区の対応は遅れに遅れました。

 セーフティーネットである生活保護について、区民に対し積極的に制度の周知を行うべきではないとの区の答弁は重大な問題です。
深刻な区民生活への対応を後回しにした区の姿勢は容認できません。

 第2は、区民サービス切り下げの行革路線を引き続きすすめようとしていることです。

 「第二次行財政改革大綱・年次別推進プラン」で、金銭給付については敬老記念品や心身障害者福祉手当の減額、就学援助から国立・私立の児童・生徒を除外する水準の引き下げなどに続き、昨年度は高齢者電話代補助の見直しをはじめ、福祉タクシー券助成に所得制限を導入することなどが実施されました。「行革」の名のもとに、ささやかな金銭給付事業さえも切り捨ててしまう影響は低所得者にとっては特に大きく、区民のくらしを追い詰めています。

 そして、図書館業務や学校給食調理業務の民間委託の推進、老人いこいの家の非常勤化、指定管理者制度導入など職員削減を進めています。

 改定前の「計画」では、5年間の実施計画期間中に167億円の財源不足が生じることを「行革」推進の大きな理由に掲げ、191億円の財源確保を目標にしていました。集中改革期間の5ヵ年、3年目で166億円が確保され、目標額の87%に到達しています。昨年度の区税収入が前年度比44億5千万円増え、基金の新たな積み立ても近年になく確保されるといった状況を見れば、財源問題を理由に「行革」を進める根拠はなくなっています。

 職員定数についても、目黒区の歳出に占める人件費の割合が23区に比べて高いことを、定数削減の理由にしていますが、なにも平均をめざす根拠はなく、行政として区民サービスの維持に責任をもてるかどうかを基準にすべきではないでしょうか。

 今回、「行革プラン」は抜本的な見直しがおこなわれませんでした。しかし、「構造改革」路線の影響で貧困と格差の拡大がなおいっそう広がっているにもかかわらず、それをさらに広げてしまう「行革」推進の立場は、とても容認できるものではありません。

 そして、「行革プラン」の改定では、今後も「民間活力の活用」として指定管理者制度の活用や民間委託の推進、市場化テストへの対応などを掲げています。これは、まさに国が進める「官から民へ」という住民サービス切り捨ての行政づくりに追随するもので、区が主体性を持って見直すことを求めるものです。

 第3は、指定管理者制度の導入をはじめ、公共サービスの民営化をいっそう進めていく問題です。

 区はこの年度から、93施設の管理・運営について指定管理者制度をスタートさせ、順次、他の直営施設にも広げていく方針を示しました。住民のサービス向上と経費の効率的な活用を掲げていますが、社会福祉事業団の実態で明らかなように、実際は経費節減が最優先され、人件費の大幅な削減を余儀なくされています。区立の施設として必要な福祉水準を維持するために区から補助金も出されてきていましたが、指定管理者制度を口実に、これが減らされ、経営に大きな障害が出れば、結局、利用者にそのしわ寄せが及びます。そもそも、福祉や子育てなど、人的サービスが中心の施設では、指定管理者制度はなじまない制度です。

 指定管理者制度は単なる業務委託とは違い、公の施設の管理・運営を行政にかわる権限を持って行える制度であり、行政が指定管理者に対しどこまで指導できるかという問題があります。区民の財産である施設の管理を、税金を使って民間の指定管理者にゆだね、そこで働く人たちの労働条件が引き下げられるということが、現実に起こっています。公務労働の現場でも非正規雇用者が増え、正規雇用者との間に賃金格差などが生まれているといった問題が、テレビの報道番組などでも取り上げられています。これでは本末転倒であり、思い切った見直しを求めます。

 第4は住民参加の問題です。

 今回の決算特別委員会では、JR跡地の活用について何人かから審議されました。その中で、区は「公共用地の有効活用」と位置づけながら、定期借地権による民間主導の開発であることを理由に、区民や議会の意見を積極的に聞こうという姿勢は皆無であることが審議を通して明らかになりました。それにとどまらず、住民参加もなく「代官山との回遊性」などといって、周辺の地区計画まで持ち出しています。「区民等が主体的に地域街づくりを推進できるよう支援しなければならない」と、行政自ら制定した「地域街づくり条例」の精神をもないがしろにするものです。

 第二田道保育園への指定管理者制度導入に当たっては、91%の保護者が反対しているにもかかわらず、区は一方的に協議を打ち切って民営化計画を既定路線として強行しました。加えて、最高で1億3千万円もの新たな財政支出を伴う方針変更を、突然、保護者に何の説明もなくおこない、いたずらに混乱させました。

 今回の実施計画改定でも、計画に反映された区民の意見はわずか数件で、相変わらず区の方針先にありきで、住民の意見は形式的に聞くだけという従来型の対応に終わりました。一方では、とくに住民から要望が出ているというわけでもない学芸大学駅周辺地区整備や、住民から見直すべきだとの声が強い、補助127号線整備計画は実施計画に載せています。

 地区保健福祉サービス事務所と包括支援センターの統合計画が行政内部で検討されていることについても、区民のいのち、健康、介護など福祉にかかわる問題であるにもかかわらず、区民や議会に情報提供もなく意見も聞かないまま推し進めようとしていることは重大な問題です。「区民が主役」といいながら、やっていることは薬師寺前区政とまったく変わりがありません。

 協働推進方針で、「政策や計画を策定する場合に事前の立案段階で、十分な情報の公表や説明を前提に区民から意見を受け付ける機会を確保し、意見反映の機会を保障する」として、今年度、「パブリックコメント制度の整備」を打ち出しているのに、今の区の姿勢はまったくそれと逆行しているではありませんか。区の姿勢を根本的に改めることを強く要望します。

 その他、教育問題では児童・生徒や学校間の競争を激化させる全国一律の学力テスト、東京都の学力テストを実施し、さらに区独自の学力テストをベネッセに丸投げした問題や、興津健康学園の廃止問題など、行革と競争が持ち込まれていることは重大です。

 第5は区長の政治姿勢にかかわる問題です。

 区長は3年半前、薬師寺前区長の自殺、元契約課長の収賄事件という事態の中でおこなわれた区長選で当選し就任しました。就任直後の6月議会の所信表明で、区長は「不祥事が起きた原因の把握に努める」といっておきながら、契約事務の改善や内部通報者保護制度など一部の事務的な制度をつくるにとどめ、結局、前区長の自殺と収賄事件の関連や疑惑など真相の究明を拒否し続けてきました。いまは、就任当初の姿勢からも大きく後退し、「疑惑とはなんだ」と開き直る始末です。区民の最大の要望であった疑惑解明は結局、反故にされました。この責任はたいへん大きいものがあります。

 また、昨年度おきた政務調査費の不正使用問題でも、「監査請求が出されている」あるいは「調査権は議長にある」と、長自ら事務全般について総合的に統一する権限を有し、予算の執行権も持っているにもかかわらず、必要な調査をしませんでした。 「透明性、信頼の確保」といいながら、このような経過を見れば、青木区長がいかに不正や疑惑に甘く、毅然とした対応を避けているかは明白ではないでしょうか。このような区長の姿勢を容認することはできません。

 以上、問題点について述べてきました。2006年度決算では、住宅の耐震診断助成制度の拡充や、耐震改修工事費への助成制度、および介護保険制度における在宅サービスの利用者減免制度など、日本共産党区議団が要求してきた施策も含まれ、これは一定評価できるところですが、全体的に見ると、決算を貫く区長の区政運営に賛成することはできません。以上、反対討論とします。

以  上


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