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3月議会一般質問
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3月議会、石川恭子議員が一般質問を行いました。主な内容は3点仝の施設の管理運営について、誰もが安心して介護を受けられるために、所得の低い世帯へのクーラー設置助成についてです。
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《3月議会一般質問》
私は日本共産党目黒区議団を代表して区政一般について、大きく3点について質問します。
まず大きな1点目は公の施設の管理運営についてです。
その1番目は、指定管理者制度の労働問題です。
指定管理者制度は、住民のサービス向上と経費の効率性を目的として導入されました。日本共産党区議団は、当初から福祉や保育施設などにおいての指定管理は問題があると指摘しました。導入にされ8年がたち、制度の問題が明らかになってきました。09年・10月発表の総務省調査では「指定管理者の経営困難」などによって指定管理を取り消したのは672件、「費用対効果・サービス水準の検証」等によって指定管理を取りやめたのは1420件となっています。
企業の参入で利益が優先され、安全性の低下や雇用の不安定化・労働者の低賃金化が指摘されました。こうした下で施設での死亡事故も起きました。
日本共産党は、昨年国会で、国や自治体の業務を、競争入札で落札した企業の労働者が、ワーキングプア状態であることを示し「国や自治体は発注者として責任を果たす必要がある」と取り上げました。総務大臣は、指定管理者制度導入後「サービスの質を上げるのが目的だったが、競争制の導入によってコストを下げる道具として使われている」その結果、低賃金などの問題が起きていると答弁しました。
そして昨年末、総務省は各自治体に、指定管理者制度は「価格入札制度とは異なる」と指摘し、制度の運用に当たっては「住民の安全確保に十分に配慮する」「労働条件への適切な配慮がなされるよう留意する」等の通知を出しました。
現在区の指定管理は、117施設となっています。施設によっては、直営に比べ職員の離職の多さなど指摘されていますが、公共サービスが労働順守の下できちんと行われているのかどうか、労働環境がどうなっているのかなど把握する責任があります。
区は安全確保などについての対応は、各担当者に通知しましたが、指定管理の下で働く労働者の労働条件などについては全く対応していません。そこで3点質問します。
1点目は、労働条件などについては、なぜ対応を行わないのでしょうか。
2点目は、指定管理の施設で働く労働者の実態調査を早急に行うべきだと思いますが伺います。
3点目は指定管理の下で公的労働を担う労働者の実態を把握するためにも、労働者台帳、賃金台帳を協定書に明記させるべきだと思いますが伺います。
その2番目は、公の施設の安全管理についてです。
公の施設の運営は、直営をはじめ委託や指定管理者制度による民営化によって行われています。区立施設の運営はいかなる形態であろうと、区は安全については万全を払い管理を行わなければなりません。事故が起こったときには、当然最終責任者として責任が問われます。
昨年11月、教育委員会が放課後フリークラブ事業として実施しているランドセルひろばで事故が起きました。ところが、教育委員会は一切の責任はないとして、遊んでいたもの同士の自己責任としました。その結果、現在当事者間で賠償問題が起こっています。
そもそも放課後フリークラブ事業としてのランドセルひろばは、子どもの放課後の安全・安心な居場所を確保するとともに、様々な体験の場を提供し、社会性、自立性など育てていくことを目的として設けられました。
保護者から連絡票のあった児童は学校終了後、ランドセルを校庭に置き校庭内で遊びます。ひろばの運営は、管理運営委員が行い、管理運営委員は、その学校長が地域の中から選び、教育委員会が委嘱します。
管理運営委員の仕事は、第1番に安全の見守り、危険な遊びの抑制が掲げられています。事故は、小学1年生数人が、砂場のシートを抑えるために置いてあったタイヤを滑り台の上に運び、そのタイヤをおろすときにタイヤが落ち、1人の子の歯が折れるというものでした。
管理運営委員は、帰宅する子どもたちの対応で事故は見ておらず落ち度はないということですが、事故が起こる前、子どもが重いタイヤを滑り台に持ち運ぶ間の時も把握できなかったのでしょうか。事故後タイヤは、砂袋に替わりましたが、タイヤは以前から遊びに使われ、高学年が滑り台で遊んでもいたということです。保護者に向けたプリント「ランドセル広場の実施について」では「事故やけがは参加者の責任」とかかれています。
教育委員会はこれをもって自己責任としていますが、直営事業で起きたことや、タイヤによる施設管理の.点からも区と教育委員会の責任が問われます。保護者だけに責任転嫁することなく、両者は、補償をすべきだと思いますがお答えください。
大きな2点目は、誰もが安心して介護が受けられるためについて、4点質問します。
その一つは、2012年介護報酬と介護保険法が改定されますが、新たな負担増が利用者や家族、さらには自治体にも大きな影響が及ぼされようとしています。これに関連してです。
現行介護保険は、度重なる改定によって、利用者への負担増や厳しいサービス制限によって、必要な介護も受けられない「保険あって介護なし」といわれる事態となっています。
国は、介護保険法の改定に向けて社会保障審議会介護保険部会で検討を行ってきましたが、現状を無視したひどい内容です。当初、要支援といわれる軽度や一定所得以上の人の利用料の倍増やケアプランの有料化を検討していましたが、世論の批判の中で当面見送りました。
しかし問題は残されています。要支援の人たちが受けている調理、掃除、洗濯、買い物などの生活援助を制限し、新しく「総合サービス」を導入するとしています。しかし中身は、ボランティアによる「見守り」などに置き換えるというものです。
これは、行政本来の役割を投げ捨て、ボランティアに新たな重荷を背負わせるものです。「総合サービス」を行うかどうかは自治体が判断し、要支援の人について介護保険の生活支援か「総合サービス」か、決めるのも、自治体となっています。
厚労省は、給付削減の手段として「総合サービス」を考えて、要支援の人を介護保険外とするものです。これでは要支援者を支えることは困難です。
ヘルパーによる生活援助は、単なる家事の代行ではなく、支援する高齢者とコミュニケーションをとり、心身の状況を把握し、状態に応じて働きかけることで生きる意欲や活動する意欲を引き出す、専門労働です。
区内のAさんは間もなく90歳で、要支援2で一人暮らし。頑張り屋で、週2回のデーサービスと週2回のヘルパーによって生活が支えられています。立つことが困難で、昼間は柱に沿ってつかまり立ちし、トイレに行っています。しかし、夜間は危険なので這ってトイレに行っています。改定案では、このAさんを支えている生活援助を取り上げようというのです。
区内の要支援者は増え続け、昨年度末2300人を超えましたが、改定は区民と保険者である目黒区に大きな影響をもたらすと予想されます。
そこで質問のひとつ目は、介護保険法の改定について、認知症の家族会や介護関係者から意見書が出されていますが、区長は、利用者と家族と自治体に負担の強いる改定についてどのように考えているのか伺います。
二つ目は、軽度者へのサービス削減が予想されますが、区はどのように対応しようとしているのか伺います。
三つ目は、第5期保険料の値上げを行わないために、介護保険の改定と合わせ保険料をどのように考えているのか伺います。
介護の二つ目は、区独自のホームヘルプ制度の拡充についてです。
現行介護保険制度の下では、地域の中で人間として当たり前の生活を送ることは困難です。昨年、日本共産党が行った全国実態調査では「居宅介護サービスが足りず我慢している」は6割近くに上り、満足しているのはわずか6%程度。
現在、区には、介護保険の不足を補う独自制度はあります。しかし、利用の対象は制限され利用しずらく、年間利用者はわずか21人。利用者や家族の生活を支えるにはほど遠いものです。社会福祉協議会やシルバー人材センターによる派遣制度はありますが、基本はあくまでもボランティアです。
区内90代の男性は、1人暮らしで介護度2。通院していますが、ヘルパーの付き添いは病院入口まで。医師の指示を理解することが困難なこの方には、院内ヘルパー付き添いが必要ですが介護保険では付きません。
この間、区は介護保険でケースバイケースで対応できるとしていますが、こうした事例は数多くあります。
改めて、渋谷区のように同居家族がいても、外出時も制限されることなく、ホームヘルパーを派遣する独自の制度を創設すべきだと思いますが伺います。
介護の3つ目はデイサービス事業者で行われている保険外のお泊り事業についてです。
多くの高齢者・その家族は、住み慣れた家で介護を受けながら生涯をまっとうしたい・させたいと思っています。しかし、在宅を支援する介護サービスが圧倒的に不足しているために、施設に入所しなければなりません。しかしその施設も特養ホームをはじめ足りません。特養ホームの待機者は昨年末には千人を超えました。さらに、家族がつかの間休めるショートステイもなかなか確保できません。こうした事態が広がる中で、デイサービスとともに保険外で泊まることのできる宿泊事業が各地で広がっています。宿泊事業の開設に当たっては届けでる必要がありません。
昨年、共産党都議団は、都内のデ−サービス事業者と全国自治体に宿泊事業についてのアンケート調査を行いました。この調査のきっかけは、宿泊を利用している人の体調が急変し、病院に搬送され、足のすねに骨が見えるような傷が発見されましたが、事業者はまったく知らないということが発端でした。都内通所介護事業者1952施設にアンケートを郵送し、550施設が回答。38施設が宿泊事業を実施。さらに、宿泊を掲げたチェーン展開をしているところを加えると都内で140カ所以上の事業所で宿泊が行われていることがわかりました。宿泊料1泊800円から1万円、宿泊が長い人では2年、男女別なく雑魚寝のような状態や、宿泊による感染ケースもありました。
事業者からは「事故などの危険性も検討すべき」「日中のサービスの低下も起きると感じる」「夜勤者が1人で、医療的な問題があれば困る」等の意見が出されました。
厚労省は、「直ちに否定されるわけではないが、常態化している場合には、都道府県、区市町村がサービスの実態を確認し正常なサービスが提供されるよう指導する」ことを求めています。
東京都は重い腰を上げ、消防法などの視点から調査を始め各区に通知しました。区は3事業者を調査しましたが、3事業者の中にはチェーン展開をしている事業者もあり、デイサービスとともに宿泊しているところは他にもあり、今後さらに増えることが予想されます。
宿泊事業を、理念を持って取り組んでいる事業所がある一方で、初期投資が少なく、安定した収入が入るとして異業種から参入している実態も広がっています。区内の全事業者を対象に調査し、宿泊を行っているところに対しては、現地に赴き実態を把握すべきだと思いますが伺います。
介護の4番目は、介護保険料の滞納についてです。
介護保険が導入され10年。少ない年金の中で支払う介護保険料の負担は、ますます大きくっています。65歳以上の年金18万円未満・普通徴収では滞納率は27.9%です。保険料の滞納は、介護サービスを利用する時に、厳しいペナルティーとなって返ってきます。
1年以上保険料を滞納していると、申請すれば9割戻ってくるものの利用料は一旦10割支払わなければならず重い負担です。1年半以上の滞納も同様ですが戻ってくる9割から滞納している保険料にまわされます。2年以上滞納すると利用料は3割負担です。すでにペナルティーを科せられた人は2007年16人、2008年20人、2009年24人と増えています。ある80代後半の夫婦は、自営業で無年金。そのため保険料は払えず。夫は透析・糖尿病、妻は腰痛、介護は受けることができず区外の60代の一人息子が、1日おきに泊まりに来ています。しかし、いつまでも続くものではありません。保険料を滞納しているために必要な介護を我慢しなければならないケースが予想されます。滞納し、利用できない人の実態把握を行うべきだと思いますが伺います。
大きな3番目は、所得の低い世帯へのクーラー設置助成についてです。
昨年夏の猛暑は、戸外だけではなく室内においてもたくさんの熱中症患者を生み出し、多くは所得の低い高齢者です。共産党都議団の調査では、熱中症による室内での死亡者は、昨年夏9月6日までで23区内で130人、そのうちわかっているだけで55人がクーラーなし。区内では、7月から3カ月間で熱中症による救急搬送は56人となりました。
Bさんは、生活保護77歳一人暮らし。クーラーはなく昨年夏、換気扇と扇風機はつけっぱなし。定期的に医者がよい、自分でつくったスポーツドリンクを四六時中携帯。窓を開ければ隣のクーラーの室外機の熱風が入り、窓を開けても占めても蒸し風呂。3時に銭湯に行き2時間過ごし帰宅しますが、夜も暑く眠れず不眠状態で体がだるいのが夏中続きました。救急車での搬送にはいたりませんでしたが、10月になると突然の寒さで体がついていけずダウンでした。
昨年、我が党の国会議員は熱中症対策を取り上げ、厚労大臣は「生活保護世帯への夏季加算を検討していきたい」と答弁しました。区内の生活保護世帯のクーラー設置率は、およそ6割から7割だといいます。温暖化が叫ばれている中、今後も猛暑が予想されクーラー設置は待ったなしです。生活保護世帯、保護世帯以下について、クーラー設置のための補助を行うべきだと思いますが伺います。
以上、私の壇上からの一般質問は終わります。
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