森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
モリモリ区政報告 地域の話題 活動と実績 区政資料室 プロフィール 私の趣味
開発優先からくらしをささえる清潔な区政へ top back

区政資料室

(財政)「民生費は構成比も額も上げてきた」を斬る



image
民生費を増やしたというが、その中身は
 「民生費は構成比も実額も上げてきた」削るばかりではなく増やして来たと区長はアピールしています。しかし、この間、23区全体が民生費を増加させてきたのであり、その増加指数は、目黒は23区の平均以下であり、区長が自慢するほどのものではありません。
 しかも、24年度と21年度を比較すると健康福祉費は31億円増えていますが、その内容をみると、児童手当及び子ども手当支給の増が20億円、生活保護費の増が10億円、その他障害福祉サービス費等(自立支援法改正関連)であり、目黒区だけが独自に民生費を引き上げたと評価できるものではありません。
 むしろ、緊急財政対策による民生費の削減項目を見ると高齢者のおむつ代、高齢者配食サービスをはじめ、がん検診の縮小や1歳児検診の廃止、障がい者やひとり親家庭に対する支援の削減、母子生活支援施設の縮小など、高齢者、障害者、ひとり親世帯の困難を深刻化させています。
image
23区民生費の伸びを比較すると目黒(赤)は平均以下に下げてきた

 以上のような分析をしないで、「民生費は構成比も実額も上げてきた」とアピールすることに、数字だけみた浅知恵で、福祉大削減の言い逃れをしているとしか思えません。
**************************************
2014年3月の予算特別委員会で次の質問をしました。
1.民生費について
(1)区長は、区民説明会や区長懇談会、区議会など様々な場で、緊急財政対策で180億円削減している影響に関わり、民生費の歳出総額に占める構成比が上がっていることを強調してきた。しかし、民生費の増加は全国的な傾向だ。23区の全ての区が民生費の決算値も構成比も上げてきたのであり、目黒区だけが上げてきたのではない。しかも、23区の上昇率の推移を比較するとは、目黒区は鈍くなって平均以下に落ちている。
構成比は、歳入歳出総額の上下で大きく影響される。歳入歳出総額が大きくなれば構成比は下がり、歳入歳出総額が小さくなれば構成比は上がる。その影響が最も大きいにもかかわらず、構成比を上げてきたと、あたかも区長の実績であるかのように説明してきた。その真意は何か。
(2)その後、構成比を上げてきたことは触れずに、24年度決算値と5年前の20年度の決算値を比較し、歳出総額は122億円減少する中で、民生費は55億円増加していることを強調している。20年度と24年度を比較すると、たしかに民生費は55億円上がってきたが、その内訳は、児童手当・子ども手当22億円、生活保護費11億円、障害者福祉サービス給付費5億円だ。国の制度改定に伴うものやその影響によるものが7割を占めている。
全国共通の要因だから、全国も23区も押しなべて民生費を増加させてきたのだと思うがどうか。
(3)残りの3割についてだが、その中心は、確かに区長の強調しているように私立への保育委託5億円など待機児対策10億円の増である。また、今後8.5億円も経常一般財源を使うという。しかし、23区どこも同じだ。その上、東京新聞によれば、認可保育園に入れなかった割合が目黒は53%で、世田谷、杉並に次いでワースト3に入る。切実な課題に真正面から取り組んできたとはとても言い難い。
待機児ゼロへの抜本的な目標設定が求められているにもかかわらず、そうなっていないのは、緊急財政対策を最優先にしているからではないのか。
**************************************
 区長の答弁は真面なものが何一つありませんでした。以下、敢て反論を書いておきます。
 区民生活に大きな影響を与えている緊急財政対策に関わって、区長は、様々な場で、民生費の決算額も構成比も上げてきたことを強調しています。しかし、区長が民生費の増加傾向を持ち出しても、緊急財政対策による区民施策削減の弁解にはなりません。なぜか。区長は、「区民生活への対応はきちんとやっていると自負している」と言い、民生費の構成比が上がったことを根拠にしました。しかし、構成比が上がったのは分母の歳出総額が小さくなったからです。また、民生費増加分の内訳は、児童手当子ども手当、生活保護費などで区長が増やしたわけではありません。23区が同様に民生費を増やしていることを見ても明らかです。待機児対策を上げていますが、区長は待機児ゼロを掲げる一方で、待機児が逆に毎年増え続けているのに「対応はきちんとやっていると自負している」と言い切れるでしょうか。区長は、先日の私の質問に何一つ答えませんでした。児童手当子ども手当、生活保護費の財源は特定財源が主で、特定財源の有効活用を指示していると的外れなことを言いました。また、私が実績として確定している決算値で質問すると、当初予算ベースの数字で答え20億円近く多く見せかけるなど、まともに質問に答える姿勢は見られません。区長は特定財源を活用するよう指示していると言いますが、実際には10分の10の補助率でさえ仕事が増えれば人件費が増えると渋い査定だということです。これでは、区民生活を考えやるべきことをやったのちに余った分を基金に積んでいるという区長の答弁に説得力はありません。因みに、緊急財政対策で一般財源と同時に削減された特定財源は  億円にも上っていることを指摘しておきます。




インデックスに戻る