■５５２号　もうひとつの七夕

満州引揚者 　私の母は、中国からの引揚者です。天津の港から佐世保港へ引揚船で帰国しました。民間人引揚者は３００万人余とされています。１９３７年に日本軍が華北地方を占領すると満鉄と管理一体化の国策会社として華北交通株式会社が作られました。母は、３９年から北京本社のタイピストとして勤務しました。 　そして、敗戦。４６年初夏、日本人が北京市内の集結所に集められる直前、浄書室の女子寮である「美和寮」のお別れ会がありました。その時に、内地へ帰っても連絡し助け合っていこうという寮長だった母の提案が、１９５０年「美和の集い」誕生のきっかけとなりました。５５年から毎年５月の連休に新宿御苑で「美和の集い」があり、多くの家族連れと遊んだことを覚えています。 中国で何が 　「漢奸」の叫び声が巷に満ちて、ヤンチョ（人力車）に乗っていた日本人は引きずりおろされた時期。（１０００万人以上の中国人のいのちを奪った侵略戦争だったが）親しい中国人は「何か困ることはないか、外で会っても口をきけないから」と暮夜訪れたと会の文集に記されています。 我々の使命 　母の友人が『平和の礎；海外引揚者が語り継ぐ労苦（引揚編）第１９巻』（中国）に「平和の尊さ、ありがたさを語り継いでいくことが、戦前・戦後を知っている我々の使命なのだ」と書いています。胸に響く言葉です。 戦争法案阻止 　戦後７０周年の今年こそ、戦争法案を必ず廃案にさせ、平和憲法を高らかに掲げた平和外交の先頭に立つ政権を一日も早く実現したいと思います。 政治は動き始めました。