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■480号 区財政は健全―危機演出の本当の狙い
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偽りの財政危機
9月7日から定例区議会が開催され、箱根保養所を廃止する条例や補正予算、決算の認定などが審査されます。
今度の議会は、財政危機を口実に、区民犠牲の180億円削減を強行することに対し、区民の暮らしと福祉を守り抜くためにみなさんとともにがんばります。
2011年度決算は健全
8月24日の議会運営委員会に、2010年度決算に基づく健全化判断比率の算定結果が報告されました。
これによると、目黒区財政は、一般会計と用地会計は黒字、国保、後期医療、介護などの各特別会計まで広げて算定すると黒字幅がもっと増えました。
実質的な公債費(借金返済額)及び、地方債残高、退職手当の負担などの将来負担の指標がいずれも前の年より健全さを増していることなどが明らかになりました。
総務省の健全化判断比率の算定結果は、「目黒区財政は健全である」ことを証明しました。
貯金は増額補正
補正1号予算が示されました。これによると、2011年度末の積立基金の現在高は、当初予算の126億円から134億円に増額補正され、この内「活用可能な」基金は、64億円から72億円に増えました。
景気回復で区税収入は微増
区は、昨年3月に作った財政計画を早々に手直しし、景気の回復が見込めない状況で、区税収入は「横ばい」=「23年度以降の伸びはない」ものとしています。
しかし、今年度下期の景気動向は、下期には7割の企業が利益の改善を見込み、景気の急な回復の可能性が高まり、大震災後の状況から脱しつつあります。区も今後の景気動向について、最悪の状況を脱し、中小企業の景況も回復傾向にあるとみています。
身の丈言うが
目黒区は、支出は、身の丈に合ったものでなければならない、とも言います。身の丈とは、収入のことを言っているのですが、区が取上げているのは、区税と特別区交付金中心の一般財源です。市町村は、住民税法人分や固定資産税は市税、23区は都税で、その55%が23区に財政調整配分されるので、財調交付金とも呼ばれます。
量出制入が自治体財政原則
しかし、自治体財源は、一般財源だけでなく、国や都の補助金など特別財源も住民福祉の増進には不可欠な財源です。区は、国や都の補助金を活用する工夫だけでなく、国や都に対して、仕事の増加に見合った財源を求める姿勢が弱点となっています。
だから、今度の財政対策では、区民施策を削ることと、施設使用料、保育料などの値上げで区民負担増を求めることにしか目が向いていません。
不公平税制の是正こそ求めよ
今度の区税条例の改正内容には、株のもうけに対する課税を20%から10%へ2年延長が含まれています。これによって区税収入が6億円も減ることが明らかにされました。株の売買を活発にすることに巨額な税金を使うよりも、家計や生業を支援する方がよっぽど景気対策になります。
危機を演出―本当の狙いは
目黒区財政は、あらゆる視点から見て「健全」です。それなのになぜ、区をあげて「目黒ショック」を演出しているのか。
考えられることは、史上最大180億円の削減で、開発財源を捻出することが目的ではないか。その一環として、JR跡地を大企業の再開発の突破口として、売却方針を打ち出したのではないか。
JR跡地の売却やめよ
32億円出して購入した区民の財産を大企業に安く貸す方式から売却する方針に転換するには、それ相応の理由がいると言うことでしょうか。「目黒ショック」の財政危機キャンペーンの狙いへの
疑問は次々に浮かびます。
区民そっちのけの政策転換
「財政健全化」なるものが、区民生活を守ることが目的でないことは確かです。実際に、「暮らしサポート」21から23までの立場と逆行し、区立第4特養ホームの建設、東山小学校の改築など切実な実態や防災上からも緊急な課題を延期するという区政の反区民的な政策転換そのものです。
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