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■393号 庭もベランダもなく窓も開かない保育園
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再開発ビル(超高層の右脇)の3階部分に、定員58名の保育園を2010年4月に開設予定 |
5月の文教・子ども委員会に区立上目黒一丁目保育園(仮称)新築工事の「基本構想案」が示されたのち、「こんな保育園でいいのか」という声が区民と保育関係者の間に広がり、「区長にあわせてほしい」と区長室に押しかける区民もでています。
再開発ビルの3階
問題の保育園がつくられる所は、中目黒駅前で建築中の45階建再開発ビルの3階部分です。公立保育園がこのようなビルの中につくられるのは全都的にもめったにないケースです。
劣悪すぎる
共産党区議団は、これまで保育園を再開発ビルに入れるのは、容積率を500%から800%に増やす手段であり、保育環境から見てもふさわしくない、と指摘してきました。
今回の「構想素案」は、子どもの成長発達を保障する児童福祉施設最低基準から見ても、目黒区子ども条例の「子どもにもっともよいことは何かを第1に考えなければならない」という条項などから見ても、区立保育園の施設条件を備えていないという基本認識で意見書をまとめ、5月31日付で提出しました。
要旨は以下の通りです。
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園庭がない
設備の基準にある園庭が設置されていません。区は、代替として目黒川合流地点と中目黒公園をあげていますが、「散歩」しないと利用できず、隣接公園のある第二上目黒保育園とは異なります。しかも、目黒川合流地点は、再開発計画の中で整備されるもので、そもそも子どもの遊び場を目的とするものではありません。
窓ははめ殺し
ベランダもなく窓の開閉もできない環境は、子どもにストレスとなります。子どもたちの外気に触れる機会は散歩のときだけです。外気に触れることによって得られる皮膚の鍛錬や体温調節機能など心身の発達への重大な悪影響が心配です。
水遊びができない
水遊びできる条件がありません。保育園では子どもたちは夏の2か月あまり水遊びやプール遊びで過ごします。水遊びの中で、水に対する恐怖心を乗り越えて自信を持ち心身ともに大きく成長します。
エレベータの不安
3階まで専用階段がありますが、移動に使うには無理があります。散歩の時、乳幼児を連れてのエレベーターでの移動は事故が心配です。人手の確保と移動にかかる時間など、毎日の保育への負担は大きすぎます。
その他、ビル風による歩行の不安定な幼児の転倒のおそれがあり、一人あたりの面積は狭く、ゼロ歳児室には午睡室もありません。
子どもの発達保障から容認できない
以上のような施設面の問題点は、再開発ビルの制約の中では、多少改善したとしても、根本的な問題を解決することはできません。この施設で日常的な保育をすることは、子どもたちの発達保障の視点から到底容認できるものではありません。
一時保育室などへ転用を
保育所として整備する計画をやめ、住民要求の強い一時保育や病後児保育、子育てひろばなどへの転用を検討することを求めます。
100人規模の保育園を区有地に建設を
待機児解消に向けては、守屋教育館跡地などの区有地を活用して、100人規模の保育園の建設を早急に計画するべきです。
住民参加を
素案について、早急に住民や関係者に説明するとともに、十分に意見を聞くこと。
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