森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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森美彦のモリモリ区政報告

368号 指定管理者制度を手直し



官から民へ

 指定管理者制度は、公の施設の管理を、それまでは自治体の出資法人や公共的団体に限っていましたが、民間団体、NPO、営利企業にも委託できるようにしたものです。行政コストの縮減などが目的です。
 「構造改革」「官から民へ」という掛け声のもと、自治体の業務や施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすことが財界・政府のねらいです。

運営の改善を提案

 目黒区では2006年度すでに民間委託されていた特養ホーム、パーシモンホール、美術館、住区センターなど93施設を指定管理者制度に移しました。これら2006年度の各施設の運営評価を、今年5月から6月にかけて実施した結果、制度をより効果的に活用するため改善案が提案されました。
 区立保育園民営化の指定管理者制度導入で早くも制度そのもののさまざまな問題点が噴出し、手直しをせざるを得なくなったともいえます。

指定期間の改善

 現行の3〜5年を、原則5年とし、利用者との信頼関係構築に時間を要する施設で、長期的に安定したサービスの提供が求められる施設は、10年までの範囲で適切な期間を設定することも可とする、という改正案が提案されました。

公募せず継続も可

 指定期間満了に伴う更新時の選定方法に「継続」の考え方を追加します。公の施設の設置目的から事業者が限定されるケースは、公募せず「継続」をすることを特別に認めるという提案です。

選定の体制

 公平・公正な評価を行う指定管理者の選定体制についてです。専門的な視点からの評価が必要な公募施設では、学識経験者など第3者による「○○施設指定管理者選定委員会」を区長の私的諮問機関として設置する、という提案が新たに行われました。

非公開協議でよいのか

 区長の私的諮問機関とは何なのか。保育園の民営化問題では、新園の指定管理者の選定にあたって保護者代表を参加させませんでした。非公開でした。選定の是非を判断する議会には、選定委員会に出された資料のごく一部分だけが提供され「資料が不十分で判断できない」「選定委員会が決めたものを議会は追認すればよいと言わんがばかり」のやり方に批判がだされました。公平性と透明性を確保しなければなりません。公開原則を極力貫く必要があります。

住民参加を

 10月29日の企画総務委員会では、選定体制の中に、公募区民を加え区民参加を図るべきだと主張しました。区は、「区民参加は基本的に求めていく」と答えました。
区長の私的諮問機関ということで、区長が一方的にメンバーを選ぶことは問題です。

何に意欲を向けるか

 改定案では、指定管理者がサービス向上や管理運営の意欲を引き出す工夫を検討する、という提案をしています。
 駅前駐輪場などの管理で目黒区は、指定管理者制度になって「年中無休」「夜遅くまでやるようになった」という成果の例をあげました。しかし、実態は、「現場の労働者がワーキングプアのような低い賃金で、長時間労働させられているだけではないか」と私は追及しました。

公正な標準経費を

 公募するか継続とするかにかかわらず、経費効率化の判定基準となる標準経費を積算することになります。営利企業は人件費を削って儲けを得ようとします。公契約で、最低賃金も保証しない人件費の積算でよいのかどうかが鋭く問われています。


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