森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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森美彦のモリモリ区政報告

299号 くらしへの対応策が不十分な2006年度予算



 31日の本会議で行った予算反対討論の要旨は次の通りです。

規制緩和と弱肉強食

 小泉内閣が、「構造改革」としてすすめてきた規制緩和と弱肉強食の経済路線は、雇用と所得の破壊、中小零細企業の倒産・廃業・経営難をもたらし、連続的におしすすめられた税制・社会保障改悪も、貧困と社会的格差の新たな広がりをつくりだしている。
 一方、財界の要求で法人税の減税が繰り返され、大企業はバブル期を上回る利益をあげているのに、法人税収は半分にまで落ち込んでいる。
 財界・大企業の負担を減らし、その穴埋めをすべて庶民生活におしつける、これがいま「構造改革」の名でおこなわれていることの真のねらいだ。
 今度の予算は、貧困と格差の拡大が社会問題になるような状況の中で組まれる予算であり、くらしの問題をどう予算編成に位置づけるかが問われていた。
 こうした視点から予算案の問題点を指摘する。

格差は目黒でもはっきり

 第1は、くらしの認識とその対応について。
目黒区においても、所得が2000万円を超える高額所得層のみが所得を伸ばしつづけている一方で、生活保護世帯が2000を超え、就学援助受給率が2割を超える学校が増加し、国民健康保険料滞納率が15%を超えるなど貧困と格差の広がりは、目黒区民のくらしの中にもはっきり見られる。
 特に、現在進行中の税制改革の影響は大きく、年金への課税強化だけでも非課税から課税になる区民が4300人もでる。税制改革はさらに、国民健康保険料や介護保険料などに連動した負担増を生み、生活保護基準以下の生活を余儀なくされる事態を拡大している。

くらしを柱になぜしない

 ところが、区の予算編成方針にも、区長の所信表明にも、こうした区民のくらしの悪化に対する認識が薄く、これらへの対応策が不十分だという点が最大の問題点である。新宿区が税制改革の影響を軽減させることを予算編成の柱に据えたのと比べてもその違いは歴然としている。
 さらに、社会保障改革という名で行なわれてきた介護や障害者福祉などの制度改定の影響も深刻である。

障害者自立支援法が施行

 障害者自立支援法については、大きな影響があるにもかかわらず、予算編成の重要課題として位置づけず、これまで明らかにされた対応策は、食事代を半額にすることと利用料を都がすでに決めた3%にするだけにとどめ、他の自治体と比べても極めて不十分なものでしかない。早急に実態に合わせた支援策を講じることを強く求める。

介護保険法の施行

 また、介護保険法の改定の影響については、在宅サービスに対する低所得者負担軽減策がとられたものの、介護保険から外され自己負担とされた食事代やホテルコストの負担増への対応策はまともにとられず、サービスを削らなければならないという状況も放置されてきた。

くらしに追討ちかける冷たさ

 そればかりか、区は、「行革」と称して住民税非課税世帯の高齢者電話代補助月額2000円を取り上げ、さらに、国民健康保険料の均等割を値上げするなど、低所得者のくらしに冷たく追討ちをかけている。
 くらしがたいへんだったら生活保護を受ければいいといわんがばかりの答弁は、福祉増進という本来の役割を放棄し、生活保護を受けたくても受けられず、あるいは受けずに何とかがんばろうと必死に生活している多くの区民の実態を見ようともしない姿勢として許されるものではない。

予算案に多くの問題

 第2は、区の仕事を民間に丸投げし、行政としての責任を放棄する民営化路線の問題。
 第3は、根本的に見直すことが求められている実施計画改定の問題。
 第4は、透明性を確保し公正な区政運営を行い区民の信頼を回復する区政の民主化問題。
 第5は、教育条件整備に背を向け、子どもたちを一層競争に駆り立てる目黒の教育問題。
 その他、特別区の自治権拡充にふさわしい財源の確保の問題、アメリカの無法な戦争へ自治体と住民を協力させる「国民保護計画」の策定の問題を指摘した後、

独歩の会と予算修正を提案

 無所属・目黒独歩の会と共同で提案した修正案は、区民のくらしを支えるために少なくともこれだけはということで税制改正の影響への緩和策を、また、その財源として大企業への道路占用料の応分の負担と区議会自らの内部努力などを盛り込んだものであり、引き続き実現に向け取り組む。
 なお、本予算案には、わが党がかねてから要求してきた耐震工事助成や介護利用料負担軽減策、保育料助成など区民要求にこたえたものもあるが、これまで指摘してきた通り、区民のくらしを守る自治体本来の立場に立っているとは言いがたく予算案に反対する。


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