森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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森美彦のモリモリ区政報告

275号 介護保険改悪の影響を抑えるために



居住費と食費が

介護保険法の改悪に伴い、10月から介護施設の居住費と食費が保険給付の対象から外れ、原則として利用者の全額自己負担になりました。
 国会で介護保険改悪法が、自民党、公明党、民主党の賛成で成立したのは6月下旬です。わずか3カ月後の実施で、利用者と家族など現場では不安と怒りの声が広がっています。

不安怒り広がる

目黒区立の特養ホームでも、軽減申請の返事が届いたのは9月末。多くの利用者にとって12月に10月分請求金額を見てびっくり仰天という事態にもなりかねません。
特養ホーム、老健施設、療養型施設の介護3施設は、世帯非課税で収入80万円以下の低所得者対策があるものの多数が月数万円、年30〜40万円の負担増となります。このため、利用者から「年金が7万円で8〜9万円も払えない」「利用を続けるかどうか迷っている」と深刻な声があがっています。

年金では払えない

利用者負担第4段階の人(区民税が世帯非課税でない人)の居住費などの徴収額は「契約」による「青天井」の懸念がありますが、その実態はいまだに不明です。しかも、すでに多くの年金者が増税の影響により非課税から課税になっています。
ショートステイ、デイサービスなどの通所サービスの食費では、従来の材料費に加えて今回、調理費が自己負担になります。利用者の負担額は、ほぼ倍増する計算です。

在宅サービスも負担増

ショートステイは、目黒区では1日の滞在費320円、食費600円(区民税が世帯非課税でない人)で合計920円が新たな負担です。7〜9日間利用すると約1万円の負担増で「とても払えない」と利用を控える人もでています。
目黒区の高齢者在宅サービスセンターでは、デイサービス・デイケアの食費を多くのところで600円にしています。目黒区のデイサービス利用は、1人あたり月平均7.7回、デイケアは、5.7回ですが、週3回利用していれば月に7200円の負担になります。
 利用者からは、コンビニ弁当やおにぎりを持参するしかないとの声もあります。負担がたいへんなので医療生協では500円にしました。
介護利用者にとって食事は健康と心のケアの源泉です。安くておいしい食事の提供は高齢者の命綱です。

国と自治体の責任で

食費や居住費が払えないために毎日不安を抱いたり、施設入所やサービス利用を控えたりする事態はあってはならないことです。国と自治体の責任、監督と対応が問われています。

23区のうごき

このような状況の中で、23区でも利用者の負担軽減策を実施する自治体がでています。
千代田区は、デイサービスの食費の負担分200円を事業者に補助、介護施設利用者の居住費と食費の負担増の一部1万5千〜1万9千円を区が補助します。
荒川区は、デイサービス利用者の非課税世帯(第1〜第3段階)の食費(600円〜700円)の25%、約1000人分を補助します。
港区は、食事の保険外となる420円全額を区として補助します。
渋谷区は、要件緩和とデイサービスの食費保険適用外分の全額、ショートステイの食費と滞在費で最大6000円を補助します。

区独自の軽減策を

区議団として、10月3日緊急要望を行い、また、わたしは、決算特別委員会で区独自の軽減策を実施すべきと質問し迫りました。引き続き区民のみなさんと力をあわせてがんばります。

事業者もたいへん

都議団が行った特養ホームの居住費・食費に関する影響調査によれば、「利用者のみならず施設にとってもたいへんな打撃を受けていることがわかります。1日の食費の基準費用(実質上限額)を1380円に(現在の2120円から740円の減)切り下げたことにより、最大の楽しみである食事の質を落とさざるを得ない。1日の食材費が300円ではとてもムリなので施設で負担しなければならない」「20床のショートステイのみで食費も含め年間1400万円の大幅減収が見込まれ、2006年4月の3年ごとの報酬単価見直しでさらに減収が予測され、このままでは、ショートステイ、特養ともに事業の継続は不可能」「4月の改定で介護報酬が下がるようであれば、料金改定をする予定です。なおかつ、第4段階の支払いがきちんとできる人を優先的に入所させざるを得ないような状況にもなりかねないと危惧しています」…など、施設・事業所の減収の状況は深刻で、それによるサービス低下などさまざまな影響がでています。
事業者とも連携し安心して必要な介護が受けられるよう改善させていく必要があります。
              


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