森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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森美彦のモリモリ区政報告

270号 わが町の郵便局を守れ



小泉首相は、何が何でも郵政民営化を押し通そうとしていますが、国民にとっては、これまた痛みばかり、「百害あって一利なし」の計画です。
 郵政民営化は、身近で便利な金融窓口・郵便局を、民間の大銀行と同じようにすることです。

わが町唯一の金融機関

 郵便局は、目黒のような都市部でも身近なところに金融窓口を置き、民間にはできないサービスを行っています。本局をはじめ目黒区内に24局あります。そのうち北部地区に5局ありますが、駒場1丁目から4丁目までの区内1大きな駒場町会エリアに、金融窓口は、駒場郵便局だけです。現金自動預払機(ATM)でさえ、駅前のセブンイレブンなど2ヵ所にあるのみです。郵便局は、ATMの引き出し手数料もとらず、ATMの障害者対応も100%完了しています。(都銀・地銀は13%)
 一方、民間大銀行は各種手数料を利用者に押し付けています。普通預金口座でも預金残高により口座維持手数料を取る銀行も増えてきました。

わが町の郵便局が消えるかも…

 民間銀行は過疎地でも都市部でも採算のとれない店舗を次々と閉鎖し、6年間に4000以上減らしました。東京三菱銀行とUFJグループの統合を予定している新グループは、2009年までに、さらに国内の170店舗を統廃合するとしています。
 小泉首相も、民営化すれば「いまの郵便局がなくならないとはいわない」と認めています。
 結局、民営化されれば、身近な郵便局はなくなり、サービスも大後退、高い手数料を払わされて、少額預金者が金融サービスから排除されるケースが生まれるだけです。何もいいことはありません。

「公」なら震災時も機能

 「民間にできることは民間に」といいますが、「公」でなければできないことがあります。昨年10月震度7の激震が襲った新潟県中越地方。電気、水道、電話などライフラインが断たれましたが、郵便局は職員を確保し業務を続けました。
 民間の宅配大手各社が集配を見合わせるなか、長岡市や小千谷市など11カ所の避難所で、一人ひとりに郵便物を配達。住民から「郵便とともに元気を届けてくれた」と喜ばれました。
 1995年の阪神・淡路大震災の際には、通帳や印鑑など身分を証明できるものがなくても、保証人をたてれば、現金20万円に限り支払う「非常払い」措置がおこなわれました。

目黒区地域防災計画で郵便局の役割明記

 目黒区地域防災計画にも、災害時における郵便局の役割が明記されています。●被災地における郵便の運送、集配の確保等を図るため、運送集配の経路の変更などの応急措置を講ずる。●被災地における郵便局の窓口業務の維持を図るため、被災により業務継続が不能となった郵便局は、仮局舎施設による窓口業務の迅速な再開等の措置を講ずる。●被災地の郵便局において、郵便貯金等の為替貯金業務について、一定の金額の範囲内で非常払出し及び非常貸付等を実施する。●郵便局では住民の転居先、避難先等を把握しているため、住民の安否の照会に対して可能な限り対応する。●全国から救援小包が殺到した時は、目黒区の災害対策本部の要請に基づき、郵便局で内容を開封し、分類、指定集積所等への配達を行う。●目黒区の災害対策本部の要請に基づき、休憩所として、飲料水、トイレ等を提供し、また施設及び用地を避難場所、物資集積所等として提供するほか、緊急輸送事務を支援する。これらは、「公」だからこそ、ここまで役割が明確にできるのではないでしょうか。

政府がムダを止めればよいいい

 マスコミは、「郵政改革」と書いています。郵貯・簡保のお金が国債に流れてくるからムダづかいにつながるので、それを断ち切る「改革」が必要というわけです。しかしムダづかいをなくすには、政府がムダづかいをやめればいいのです。そもそも郵貯・簡保の資金が、自動的に公共事業や特殊法人に流れる仕組みは、すでに四年前になくなっています。
 郵貯・簡保は、運用先として政府の財政投融資計画(財投計画)に必要な資金をまかなう国債(財投債)を購入しているだけですが、民間金融機関も同様に巨額の国債を買っています。

郵政に税金投入なし、利益の5割を国に納付

 郵便局の職員の給料をはじめ郵政事業には、税金が一円も使われていません。ですから民営化しても税金の節約にはなりません。郵政公社は、利益の5割を国庫に納付することになっています。民営化した場合の民間法人税率(約4割)よりも高いのです。「民営化して税収が増える」という議論は、成り立たないし、民営化した郵貯銀行が赤字になれば、国に納める税金はゼロになります。

アメリカと日本の大銀行・保険会社が計画したもの

 そもそも郵政民営化は、アメリカと日本の大銀行、保険会社が自分たちの商売のじゃまになる郵便局をつぶそうと計画したものです。庶民にとっていいことは何一つありません。


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