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■262号 駒場野の自然が危うい
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草木生い茂る一二郎池 |
一二郎池を生かそう
東大駒場キャンパスの中に通称「一二郎池」と呼ばれているヘチマのように長い形の池がある。本郷キャンパスにある「三四郎池」にちなんで呼ばれているが、それほど有名ではない。
私の長男がまだ小学生だったころ、ブラックバスを釣るためにこの池にひそかに侵入して時々どなられて逃げ帰ってきたことがあったが、随分前から、池の一帯は荒廃した状況のために立ち入り禁止の措置がとられ、全長150m、最大幅25mという一定の大きさがあるのだが、ほとんど利用価値のないスペースになっていたようだ。
2003年12月、東大の学生がつくった環境三四郎「水プロジェクト」のメンバー7名が、「一二郎池ビオトープ化案」という企画書を発表した。
この池の現状や問題点を、水質や植生の調査など多角的に分析調査し、解決策として「ビオトープ化」を打出した。「動植物の生育区間の復元・創出、自然とふれあうくつろぎの場」として提案されたものである。地域住民、小中学生にも「憩いの場」「自然観察の場」として開放する目的もある。
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新宿線地下工事が水脈を分断か
先日、地元の共産党後援会「駒草の会」が宮本栄さんを囲むつどいを駒場住区センターで開催しました。
この座談会の中で、参加者から「一二郎池の湧水が枯渇してきたのは、地下高速新宿線の建設工事と関係がある。すぐそばでやっている神山町の換気所工事は、地下数10mの大規模工事だ。地下水脈を分断しているのではないか。何とかビオトープ化のプロジェクトを実現できないものか」という提案がありました。
湧水涸れ蛍危うし
「駒場野公園のケルネル田んぼの湧水も涸れそうで、田んぼの水ははプールの水を流し込んで確保している」といいます。蛍をよびもどす駒場の町のロマンも、湧水が涸れ、放流したカワニナが全滅し、希望の灯火が消えてしまうのか・・・不安です。
自然環境とりもどす具体策を
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ケルネル田んぼに蛍をよびもどそう |
自然を壊す開発優先か、環境優先かが、いま問われているとともに、駒場野の自然環境を守る具体策が緊急に求められているのだと思います。
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