森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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森美彦のモリモリ区政報告

250号 くらしを守る低所得者対策を(予算総括質疑)




3月定例会の予算特別委員会が始まりました。初日の15日私は、総括質疑を行いました。

くらしは、今たいへん

リストラや倒産などで、4年続きで区民の所得が減り続け、所得格差が拡大し、国や都の社会保障制度の改悪や福祉切捨ての下で、区民生活はたいへんな状況になっている。
その上、増税計画の押付けでますます、区民生活を圧迫し不安感を広げている。増税問題についての「不公平感是正」という先日の区長答弁は、国の姿勢と同じものだが、実態は、「大金持ちには減税どっさり、庶民には増税どっしり」、ますます不公平な税制にするものだ。
2005年度行財政運営基本方針では、「区民の間には、長引く不況をはじめとして、暮らしについての不安感が広がっている」という見方をし、「切実な区民要望に、区政はできるだけ応えていく必要がある」とも言っている。新年度予算のなかで区長は、このような区民の暮らしの不安にどう応えようとしたのか。とくに、低所得者対策について予算案にどう反映したのか。          
区長は、んーと考え「介護保険利用料の軽減策」を1つだけ挙げることができましたが、これは、区民と区議団が粘り強く要求し実現したものです。

弱者に暖かい施策を

この間、介護に関する実態調査に関って多くの高齢者世帯から、生活実態を伺った。年金だけではとてもやりくりできず、利息のない貯蓄を急速に食いつぶしながらの高齢者の生活はたいへん厳しい。「私は79歳のおばあさんです。そんなに長く生きられないと思いますのでいじめないでください。」「人が人らしく生活できるよう…弱い立場の人が安心して生活できるよう…がんばっていただきたい。」「負担ばかり増やすのは止めてください。普通の生活もどんどん苦しくなってきています。弱者に暖かい施策を望みます。」高齢者世帯だけではなく、母子世帯も障害者世帯も同じような生活の厳しさをかかえている。青木区長は、こうした実態に目をつぶっているのではないか。

「基本計画」に沿って低所得者対策の具体化を

基本計画には、「低所得者は、社会経済情勢の変動を受けやすく、不安定な生活を送っている状況がみられる。そこで、低所得者を援護するために、その実態把握に努めるとともに、生活力の向上や生活基盤の確立を支援する」ということが明記されている。
区長は、「基本計画」に沿って施策を進めるというが、実態把握や支援策を新年度どのように展開する考えか。

「行革」で低所得者いじめ

「行革」と区民生活の関係についてだが、新年度予算案に反映させた、財源確保額8億円余の中には、区営住宅使用料の減免制度の削減、訪問介護利用者負担補助の廃止、生業資金貸付の廃止、国立・私立に通う児童生徒の就学援助費の廃止、前年度は、高齢者や子育てファミリーの家賃助成の削減などを行った。これらは、明らかに低所得者対策として行ってきたものだ。「行革」によって、ますます低所得者を生活苦に追い込んでいるのではないか。

無計画な学大開発と電柱の地中化をやめよ

行財政運営そのものが区民にわかりにくく透明性がない。前薬師寺区政は、財政がたいへんと言いながら、大型の開発やハコモノを手掛け、そのための財源確保として「行革」に拍車をかけた。そのため、前の5年間が平均6億円だったのに対し、薬師寺時代の5年間は平均12億円と倍になった。
青木区長は、新年度予算に学芸大学駅周辺地区整備構想策定に着手する委託費と電線類地中化の予備設計委託費を予算化した。この2つは、後年度負担を次第に増大させるものだ。区民のくらしから発する要求と逆方向へ突き進んだことが薬師寺区政の「つまづき」の始まりだった。区民の要求を区政の中心におくことこそ「区民の信頼回復」につながるのではないか。「借金をふくらませたのは、子どもたちやお年よりなど弱い立場の人たちではなくて、無駄な公共事業などでお金の使い方を間違った人の責任です。」という区民の声が広がっている。

区民要求を中心に据えよ

老朽化した公営住宅・保育園・学校の建替えなど課題は山積している。住民の福祉の増進を第1とする自治体のあり方として施策の優先順位を考えた時、「区道路線での電柱の地中化」と地元要望もない「学芸大学駅周辺地区整備構想策定」は、今急いでやるべき課題かどうかということだ。「三位一体改革」や「都区主要5課題」、「区税収入の増が見込めない状況」を勘案すると、身の丈にあった財政運営を確保するための検討もなしに、いくらかかるかわからないがとにかく推進しようというのでは、あまりにお粗末ではないか。無計画さは、薬師寺区政の特徴だったが、そこを正さなければ改革にはならない。
現行実施計画にある「負の遺産」を明確に洗い出して、信頼と改革の区政を実現することこそ青木区政に求められた区民の審判ではなかったのか。



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