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お知らせ

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2023年度9月定例会で一般質問を行いました。(芋川ゆうき)

私は日本共産党目黒区議団の一員として、区政一般について質問します。
 大きな一点目は認知症予防に繋がる聞こえの支援をさらに進めることについてです。目黒区でも補聴器購入費助成を始めます。そのための補正予算案が提案されました。私としても、4年以上前から何回も一般質問で質疑し、区民の方々と力を合わせて実現のために取り組みをしてきました。この度実現したことは、大きな前進であると思います。しかし、補聴器の購入費助成に留まらず、聞こえの観点から、認知症予防を一歩二歩、先に進めていく対策が必要であると思います。
 この補聴器の使用については、正しく使用すれば、専門家からも認知症予防に大きな効果が期待できることが言われています。目黒区でも先進的に聞こえの問題について注力していき、認知症になりずらい街の推進をさらに加速するべきです。また、働いている世代にとっても、自分の仕事と親の介護の両立ができることは介護離職などのリスクを回避することができ求められています。聞こえの支援から認知症予防を進めるため、以下三問質問をします。
 一問目は認知症予防の大きな要因になる難聴を早い段階で自覚するため、区が難聴検査の導入を検討するべきという点について伺います。
 耳の聞こえが悪くなっているということを自覚することは、日々の生活ではとても難しく一人暮らしの高齢者などは、そのまま難聴が進行し、認知症になりやすくなってしまいます。WHOによると難聴に対して補聴器を中心とした聴覚ケアを世界で実施すると一人当たり、1.4USドルの年間投資をすれば、10年間で16USドルの還元が期待できるなどのデータもあり、予防に投資していくことの重要性も示されています。
 WHОは2017年に、高齢者の包括的ケアについてのガイドラインを公表しており、難聴を適切な時に対応するために、高齢者へのスクリーニングを行い、その結果に基づいて補聴器を提供することを推奨しています。それを踏まえて日本共産党都議団が東京都に対して、検査の拡充を求める質疑を行いました。東京都の答弁は、高齢者には、適切な時期に難聴の診断と管理をするために、聴力スクリーニング及びその結果に基づいた補聴器の提供を推奨している。さらに、早期発見、早期対応の重要性を肯定し、検査費用も自治体への補助の対象としています。
 
 そこで目黒区においても、認知症予防を進めていくために、区が純音聴力検査、語音聴力検査などの導入に向けて実施していくため、医師会や区内の医療機関に働きかけていくべきだがいかがか。
 二問目は区独自の聞こえの相談窓口を作るべきだという点です。日本共産党目黒区議団は今までも、区の相談窓口を作るよう訴えてきました。答弁では、区は聞こえの問題と認知症予防について認識をしているとのことです。しかし、相談窓口は作らず、区内にある民間の施設を紹介するということに留まっています。今定例会で補聴器購入費助成を計上したのであれば、目黒区として認知症予防を進めるためにも、区として相談できる体制をつくるべきです。民間の聴力障害者文化センターに頼るだけではなく、責任をもって区独自の聞こえの相談窓口を設けるべきだと思いますがいかがでしょうか。
 三問目は区内15個所で定期的に行っているDカフェ事業に、聞こえの観点からの認知症予防の啓発を行えないかということです。例えば、補聴器の使用などは、拒否反応なども起きたりと、なかなか大変なこともあります。そのような時に似た境遇の人たちや集うことができたり、話ができたりするだけで前向きにもなれます。そういった意味でも、聞こえの観点からさらに認知症カフェに予防の要素も加えて啓発していくため、区内で行っている、Dカフェ事業に難聴と認知症について、取り組みなどを行うことができるよう働きかけるべきと思いますがいかがでしょうか。
 大きな二点目は福祉事業の基盤整備について質問します。
 一問目は、特別養護老人ホームの増設についてです。
 現在は令和7年度には国家公務員宿舎駒場住宅跡地の南側敷地に定員84名の特別養護老人ホームが開設される予定です。現在はそれ以降の開設の計画はありません。待機者は今年8月1日時点で532人となっています。未だ待機者が多い状況です。区民からも年金で入ることができる経済的にも安心した特養ホームが欲しいという要望が寄せられます。質問は、さらなる特養ホームの増設の計画が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 二問目は福祉事業の人材確保について早急に対応するためにも、区が主導となった取り組みについてお聞きします。
 介護、障害、保育などの人材確保は区も喫緊の課題だとしています。現在の対策の一つとして区は、めぐろ福祉しごと相談会を行っています。昨年度は2回の相談会で15名が区内事業所へ採用されたとしました。しかし、場の提供はおこなっているが、まだ課題も多い状況です。地域の福祉事業者からは、一括した人材確保策が急務である。との声が寄せられています。事業所が民間の人材紹介会社などを使用すると莫大な採用費用がかかり、事業運営に影響が出るため、人材紹介は使えないと言います。
 保育現場でも同様の状況です。区内のある保育園では、昨年度、年度途中で職員が足らなかっため、人材紹介から営業がきたためお願いしたら、人はすぐに手配できるとしたが、金額が80万円程度かかると言われ断念した。とのことでした。その園は、区内の撤退した小規模園で勤務していた職員を雇用することにより、急場を凌いだとのことでした。
 区は一定、人材確保、定着のための家賃補助なども行っていますが、都心部の状況などもあり、なかなか人の確保が難しい現状です。その中で、福祉関係も別々ではなく、包括的に就職相談会や、人材センターなど福祉事業の一括した人材の確保ができないか伺います。
 大きな三点目はヤングケアラーへの具体的な対策に向けて、二問お聞きします。
 ヤングケアラーの問題は、現在は子ども家庭支援センターが中心となって分野横断的な支援に取組んでいる状況です。さらに、今後は児童・介護・福祉・医療・教育などの様々な分野の支援者の認識を向上させ、ヤングケアラーの早期発見と支援につなぐ取り組みが重要だとしています。具体的には要保護児童対策地域協議会などに共有するとともに、目黒区子ども総合計画の改定に向けて区内の実態調査を行っているとのことでした。区内の実態調査とともに、具体的な対策が必要だと考え、以下二問質問します。
 まず一問目です。ヤングケアラーの課題の一つは本人が気づくことができないという課題があります。子どもたちが身を置く学校現場において、本人が気づくために、生徒手帳にヤングケアラーの状態の事を書くなど、本人が意識できるためのツールが必要だと思いますがいかがでしょうか。また、教育委員会においてもヤングケアラーの支援推進委員会のような支援や対策をおこなっていくため、位置づけていくべきだと思いますがいかがでしょうか。
 二問目は、群馬県高崎市ではヤングケアラーSOS事業を行っています。これは中学生、及び高校生や小学生などを対象に、生活の援助、兄弟のせわ、家族の介護などを行うヘルパー事業です。教育委員会内の委員会で検討し、必要な家庭にヘルパーを派遣して対応をします。福祉部門と連携をして、先進的に取組んでいる内容です。複雑に絡むヤングケアラーの問題を解決していく中でも、日々の生活を助けていくことはとても有効な手段であり必要です。目黒区において、この事業ができないか伺います。
 大きな四点目は、見えないひきこもり状態へのアプローチとオンライン相談についてお聞きします。
 多様な生活課題の中の一つが、ひきこもり状態です。昨年の国の調査では15〜64歳のひきこもり状態にある人は全国で146万人いると推計しました。引きこもりの大きな課題の一つは、ひきこもりの状態であることがなかなか見えないことです。江戸川区では2021年度に実態調査を行い、約8,000人のひきこもり当事者がいることが分かり、未回答分も合わせると潜在的にはさらに多いと言われています。その中での調査対象は、15歳以上で給与収入に課税されていない人や、介護など行政サービスを利用していない人を対象としました。ひきこもり当事者で最も多かったのは40代であり、ひきこもり状態の期間は1〜3年未満が28.7%と最多で、10年以上も25.7%いました。目黒区は現在、家族会など活動し、相談手段を充実させつつ、網の目を張り巡らせながら受け皿を充実させていくとしています。
 一問目は、地域の中で見えないひきこもり状態に向けて、どのようにアプローチをしていくのか伺います。
 二問目は、目黒区地域福祉審議会が出した、福祉3計画の基本的な方向についての中間のまとめでは、相談手段の充実を進めるとするなかの一つに、オンライン相談の重要性を指摘しています。ひきこもり状態の当事者や今まで、繋がれなかった層に対しても大いに期待できます。指摘に基づいて、このオンライン相談をどのようにすすめていくのか、伺います。
 最後に大きな五点目です。障がい者のいる家族の更なる支援のため、レスパイト事業の拡充についてお聞きします。
 一問目は、短期入所、いわゆるショートステイ事業についてです。区民の方から要望をいただきました。その方の息子さんは重度の障がいであり、今年、25才で亡くなったそうです。ご自身の実感として、まだまだ目黒区の障がい者の施策は足らない、息子が生きた証として、さらに目黒区の施策を充実させたいという想いから連絡をしたとのことでした。息子さんは身体の障がいと合わせて、胃ろうであったために家族が休息するためには医療型のショートステイが必要になりました。しかし、目黒区の医療型のショートステイには確保床がなかったために利用ができませんでした。そのため、近隣区の施設を利用せざるを得ませんでした。目黒区に医療型短期入所施設を作るべきだと思いますが伺います。
 二問目は、障がいを抱える人や家族は、以前継続するコロナ感染を避けて、施設の利用を自粛したり、心配される方も多いといいます。四六時中、介護を行う家族の休息を保障するためにも訪問型レスパイト事業の拡充をさらにすすめるべきであると思いますがいかがでしょうか。
以上、壇上からの質問を終わります。

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