2021年9月定例会で、松嶋祐一郎区議会議員が一般質問を行いました
わたしは日本共産党目黒区議団を代表して、新型コロナの感染爆発と医療崩壊から区民の命を守る対策について伺います。
8月20日東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議で、「制御不能な状況。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」とし、医療提供体制については「深刻な機能不全に陥っている」と報告されています。爆発的な感染拡大の中で医療崩壊が深刻化し、コロナ全療養者に占める「自宅療養者数」と「療養先調整中の人数」が急増しています。目黒区では8月29日現在で1997人が「自宅療養」を余儀なくされ、必要な医療を受けられない事態も起こっています。そうした中で、区民の命を守るために目黒区の姿勢が極めて重要です。今こそコロナによって一人の在宅死も出さない。一人でも多くの命を救うという目黒区の決意が求められています。以下、4点伺います。
1つ目は、保健所における感染症対策業務の機能強化についてです。
都内では感染者が急増し、保健所が激務になっています。保健所では、コロナの感染者が見つかると国へ発生届を出し、患者の健康観察を行います。さらに自宅療養者からの相談や入院調整、救急搬送の手配から、パルスオキシメーターや一時的な食料の手配など、命を守るための大変な業務を行っています。そうした中で、感染経路や濃厚接触者を調べる「積極的疫学調査」までもはや手が回っていないなど、本来やるべき業務が行われていないのが実態です。そうした中で、目黒区の感染症対策業務は、保育園からも看護師が支援に回っているなど、職員が足りていません。自宅療養者にとって、保健所が命綱です。とりわけ、容態の急変などで、保健所が対応を間違うと命に関わります。今まさに、保健所は区民の命を守る最後の砦です。今後、さらに感染拡大が広がる危険性も視野に入れて、保健所の感染症対策業務の体制を強化するために、抜本的に人を増やすべきではないか伺います。
二つ目は、保育園など子ども施設や学校への広範な検査を実施することについてです。
これまで感染しにくいとされてきた子どもへの感染が顕著に増え、10代以下の新規陽性者が7月半ばから4週間で6倍になっています。新型コロナがデルタ株に置き換わる中で、いままで感染は大人から子どもに伝播するといわれていたのが、子どもから家族に伝播するというパターンも報告されはじめています。目黒区でも、認可保育園での感染が連日報告されています。しかし、目黒区では子ども施設、学校では、陽性者が出ても濃厚接触者がいないという理由で、広範な検査がされていない現状です。高い感染力を持つデルタ株が蔓延する中で、従来の対応では全く不十分です。実際、区内のある小学校で、51人中36人が無症状だったように、無症状感染者が感染を広げるのがコロナの特徴であり、陽性者を発見し、保護・隔離することが感染拡大を防ぐためには欠かせません。感染拡大が顕著になっている保育園、幼稚園、学童クラブ等の子ども施設や学校に対する徹底した検査が必要であると考えます。以下2点伺います。
アとして、子ども施設、学校などで、陽性者が一人でも出た場合には全ての職員と希望する利用者へのPCR検査を実施すべきではないか伺います。
この間、保健所が認定した濃厚接触者の基準でないと行政検査が受けられませんでした。6月に厚労省は通知で、保健所の業務が逼迫し追跡調査も困難になっていることを理由に、保健所が直接判断しなくても、事業者が、検査対象者のリストを作成し保健所が追認すれば、全員、行政検査の対象にできるとしました。この通知に基づき目黒区でも行政検査を抜本的に増やすことができるはずです。保育園や学校などで陽性者が出たら、濃厚接触者のみならず検査が必要な人が全員、PCR検査を受けられるようにするべきではないか伺います。
イとして、感染拡大が顕著になっている子ども施設と学校の教職員に対して、月一回の定期PCR検査を実施すべきではないか伺います。
国は記者会見で、感染状況が特に深刻な首都圏などの小中学校の教職員を対象に定期的なPCR検査が実施できるよう国と自治体で調整していることを示しました。目黒区の学校でも定期的なPCR検査を具体化する必要があります。さらに、子育て施設に対しても同じように定期的な検査する必要があります。葛飾区では私立の子育て施設に対して、給食、掃除、警備などの職員や非常勤職員も含め、1施設につき月1回、無料でPCR検査を受けられるようにしています。保育園などで感染が広がる今、目黒区の私立園からは、定期的に検査が受けられるようにして欲しいという声が上がっています。この声に応え、目黒でも子ども施設への定期PCR検査を実施すべきではないか伺います。
三つめは感染急増の中での学校の臨時休校の基準について伺います。
目黒区でも区内小学校でクラスターが発生するなど、感染が広がっています。足立区では、「陽性者が一人でたら学級閉鎖、全員検査」という基準を示しました。今後、国から臨時休校の基準が示されるとしているが、目黒区でも「陽性者が一人でたら学級閉鎖、全員検査」という臨時休校の基準を設けるなど、徹底した感染症対策を行うべきと考えるが伺います。
四つ目は区民に対するPCR検査費用の助成対象を拡大することについてです。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は、東京都のモニタリング会議の中で、「検査が必要な人に迅速に対応できていない恐れがある。把握されていない多数の感染者が存在する可能性がある」と指摘しています。現在、目黒区は65歳以上の区民、64歳以下で基礎疾患をお持ちの区民に対し、年度内一回に限りPCR検査の費用助成を行なっていますが、今年度7月までの実績は2000件の枠に対し54件と利用が少ないのが実態です。希望する区民がPCR検査を受けられるように、対象年齢を拡大するべきだと考えますが伺います。以上、壇上からの質問とさせていただきます。