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党の政策

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「これからの目黒区にふさわしい建物の高さ」=絶対高さ制限の見直し
に関する党区議団の見解

 日本共産党目黒区議団は、現在、区が絶対高さ制限を見直す方針を立て、区民にその考え方を示したことを受け、次の見解を出しました。

1.区は絶対高さ制限を導入した2008年当時、導入の理由として、建築基準法などによる規制緩和が進み、それまでより高い建物が建てられるようになり、周辺の住環境などに与える影響が大きくなっていると指摘し、目黒区の特性である低中層住宅地としての良好な街並みの保全や現状を基本とした地域にふさわしい街並みの形成を目指すことを挙げていた。まさに、目黒区の特性が絶対高さの制限とマッチしている。この基本は現在も変わっていない。引き続き、「むやみに高い建物は建てない」という意思を示した絶対高さの制限は、今後も現状の水準で守っていくべきである。

2.区は絶対高さ制限緩和の検討理由として、中目黒駅前や自由が丘駅前の市街地再開発事業や都市計画道路・幹線道路の拡幅・整備、渋谷駅周辺の大規模開発などを挙げ、「広域生活拠点としての機能を拡充している」としている。これは、まさに「むやみに高い建物を建てていく」ことを容認することである。市街地再開発事業による超高層ビル建設を進め、「広域生活拠点」を名目に、第一種低層住居専用地域以外の地域を事実上、「低中層住宅地」から「中高層住宅地」へと転換を図ろうというものであり、容認できない。

3.「快適で高機能な商業・業務機能のさらなる立地と、住環境を損なわない複合用途の誘導など、多様な需要を受け止める空間の確保が必要」というが、まさに、絶対高さの制限を厳守して「住環境を損なわない」ように誘導するべきである。

4.「質の高い都市空間の実現」と称して長期優良住宅法の容積率の緩和特例について触れているが、この法の中心点は、良好な住環境で長く住める住宅を拡充させていくことが目的であり、容積率の緩和は、例えば市街地再開発の中で長期優良住宅の認定を受ける場合は補助率が高くなるなど、高い建物を建てることへの国の誘導策である。むやみに高い建物を建てないよう絶対高さの制限を設けている目黒区にあっては、中低層の長期優良住宅を追求すればよいだけである。

5.区は区内全体として「中高層化率、高層化率が増加傾向にあり、平均階数が年々増加傾向にあるとともに、1〜2階建てが減少し、3〜5階建てが増加傾向にある」と現状を説明しているが、この傾向は現在の絶対高さ制限を設定しているもとでのものであり、現在の絶対高さでも十分に「新たな生活スタイル」に適応できるはずである。

6.「区が目指す将来都市像」のなかで、「高さ制限を見直すことで、定住人口の確保と幅広い世代から選ばれるまち、職住遊が近接し融合した複合的な都市空間、ただ住み続けられるだけでなく快適に住み続けられる目黒区、隣接区と比較されたときに選ばれる目黒区、魅力や個性にあふれたカルチャーやビジネスが生まれるとともに、多様な人が訪れる目黒区を実現する」としている。これは、良好な住環境を守っていくことよりも、「都市間競争」や「ビジネスしやすい環境」など経済活動を優先させる考え方であり、実際に居住している区民の姿が見えない。住環境と「経済活動」を両立させていくためにも、現在の高さ制限を維持すべきである。

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