党の政策
行政のデジタル化計画=目黒区DXビジョン素案への意見を提出しました
日本共産党目黒区議団はこのほど、目黒区DXビジョン素案に対する意見を提出しました。内容は次の通りです。
目黒区DXビジョン素案への意見
2022年1月19日 日本共産党目黒区議団
1.情報通信などデジタル技術の進歩は、人々の幸福や健康に資するものでなくてはならず、地方自治体においても地方自治の発展や住民の生活や福祉の向上のために有効活用していくことが求められる。しかし、国が進めようとしている「デジタル改革」は、閣僚の発言やマスメディアはじめ各方面の識者からも、個人情報保護をないがしろにし、権力による国民監視を強め、財界の利益に奉仕する危険な内容であることが指摘されている。利便性や効率性の強調だけでなく、文字通り「区民目線に立ったサービスの実現」を推進していくこと。
2.目黒区の個人情報保護条例は、個人情報の本人以外からの収集の禁止、目的外利用の原則禁止、外部提供の原則禁止、外部の電子計算組織との結合禁止、また、個人情報の開示、訂正、消去、目的外利用の中止を求める権利を明記するなど、自己情報コントロール権、情報の自己決定権を保障している。このような区の個人情報保護条例を守り、発展させていくことが住民の大切な個人情報を守る防波堤にもなる。システムの標準化やオープンデータ化などを口実にした個人情報保護条例の改定は行わないこと。
3.企業が管理・運用するガバメント・クラウドの利用は、法律では「努めるものとする」と規定されているが、義務ではない。このシステムはこの間、ネットワーク中枢での故障やシステム障害などが発生し住民サービスに支障が出ている。ガバメント・クラウドの使用はやめること。
4.素案では、「デジタル技術を使うことが適さない場合には、デジタル技術に頼らない手法で行うこともあ」ること、「窓口や対面による相談はなくならず、業務の最適化により、職員がやるべき業務・職員しかできない業務は、これまで以上に親切・丁寧な対応ができるようになる」としている。AIなどのデジタル対応は万能ではなく、マニュアルとして確立されている対応はできるが、突発的な対応、イレギュラーな相談や対応はできない。何よりも、職員は窓口の経験を重ねることで、専門性やノウハウが蓄積される。
国はマイナンバーカードの押し付けや行政手続きのオンライン化で「行政の効率化」の名のもとに自治体の窓口業務の削減を進めようとしている。こうした「自治体窓口のATM化」ではなく、対面の相談・申請窓口はさらに充実させ、住民からの相談を待つ窓口ではなく、区側から手を差し伸べる相談・申請窓口へと発展させること。
5.民間からの外部人材登用は、当人が「全体の奉仕者」たる「任期の定めのない常勤職員」の地方公務員として定年まで働くことが想定されていない。区が特定の企業の利益のためにではなく、公正・中立の立場に立って行政を執行させるためには、外部人材に地方公務員法が定める服務規定を順守させる任用を行うこと。自治体職員として職務に専念する勤務条件を必須とすること。また、職務は区への技術的な助言や援助にとどめるとともに、職務上知り得たことは外部に漏洩しないよう徹底させること。
6.デジタル技術に精通する新たな人材は専門職の地方公務員(常勤職員)として採用し、定年で公務に専念できる勤務条件を確保するとともに、中長期的な視点に立って育成すること。
以上