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目黒区耐震改修促進計画改定素案への意見

 日本共産党目黒区議団はこのほど、目黒区耐震改修促進計画改定素案への意見を提出しました。

目黒区耐震改修促進計画改定素案への意見
2021年1月20日  日本共産党目黒区議団
〇第2章 耐震化の現状と課題
1.現行の計画は、「住宅及び民間特定建築物の耐震化率の目標を、平成27年の90%から平成32年の95%とします」としている。しかし、2019年度(令和元年度)の到達点は一般住宅で87.9%、民間特定建築物は86.6%と目標に届いていない。特に、一般の木造住宅は80.1%と目標から大きくかけ離れている。なぜ、未達なのか、区としてきちんと分析し記述すること。
2.特定建築物のうち、区は要緊急安全確認大規模建築物の現状は区として把握しているとしているが、以前から、民間特定建築物の現状については区として全体像を把握するのが難しく推計値であると繰り返してきた。今回の素案の中で、区は特定建築物について「被災時の倒壊による多大な人的被害及び避難や消火活動への支障が懸念されることから、特に耐震化が求められている」と記述している。そうであるならば、区として区内の民間特定建築物の全体を推計としてではなく具体的に状況を把握すべきである。そのへんの記述を求める。
3.住宅の耐震化率について、素案では2025年度(令和7年度)までに95%とすることを目標に掲げている。しかし、現行の計画で2015年度(平成27年度)までの90%という目標を2020年度(令和2年度)までに95%に引き上げたが目標には大きく届いていない。東日本大震災の2年後であった現行計画の改定時と比べて、現在は区の耐震化助成制度の実績が振るわないもとで、どうやって95%を達成していくのか、その裏付けを示すこと。
4.民間特定建築物の耐震化率についても、素案では2025年度(令和7年度)までに95%とすることを目標に掲げている。素案では「災害時要援護者が利用する建築物と公共施設的な要素を持つ建築物(学校・病院など)については、より積極的な(耐震化の)促進を図る」としているが、それだけで目標が達成できるのか。区がなかなか民間特定建築物の具体的な現状を把握でききれない状況の中で、どう目標を達成しようとするのか見通しを記述すること。
5.上記に関わり、これまで目標が未達に終わっていた原因の一つは、年次ごとの目標や計画がなかったことにある。2025年度までに本当に目標を達成しようと思えば、年次ごとの獲得目標と計画を持つべきである。

〇第3章 耐震化を促進するための施策
6.「耐震化の促進の図るための基本的な考え方」のなかで、住宅・建築物の耐震化は「自助・共助・公助の原則」を踏まえて建物所有者が主体的に耐震化に取り組むことを期待している。しかし、区民の意識や経済的な条件を見れば「自助・共助」では限界があることは明らかであり、啓発にしても助成制度にしても区の主体的な取り組みが決定的である。そういった趣旨を明記すること。
7.耐震化が計画通り進まない区民の意識の背景には、「耐震化を実施しても大地震が来たら被害を避けられない」という思いがある。こうした意識を克服し「耐震改修は暮らしを守る第一歩になる」という区としての啓発活動の強化が必要である。こうした趣旨を盛り込むこと。
8.40年以上も前に建てられた旧耐震住宅の所有者は、当然、年金生活の高齢者が多い。費用負担を減らすとともに、負担の見通しが持てることが重要である。現行の耐震助成額の引き上げを進めるべきである。
9.また、当面、木造住宅密集地域内の木造住宅については、一定額まで全額区で負担する定額の耐震助成制度をつくり、地域内の耐震化を早く促進することを明記すること。
10.住宅の建て替えの際、耐震性、耐久性を備えた長寿命化の観点を入れた指導を行うこと。
以 上

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