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党の政策

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2017年・石川恭子が代表質問を行いました

 2017・代表質問

 私は、日本共産党区議団を代表して、区長の所信表明と区政運営について大きく3点質問します。

 第一は、憲法施行70年にあたり区長に質問します。
 現在、安保法制=戦争法の下で、南スーダンPKOに派遣されている陸上自衛隊の「日報」では、現地の激しい戦闘など生々しく記されており、まさに自衛隊が憲法に違反し戦闘に参加する事態が生まれようとしています。平和憲法施行70年にあたり相反するものです。
 日本国憲法は、2000万人を超すアジアの人々と、310万人以上の日本国民が犠牲にされた、アジア・太平洋戦争での日本の敗戦から1年あまり後に制定・公布されました。「日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を制定する」日本国憲法の前文に掲げるこの言葉は、まさに憲法の初心そのものです。憲法の制定作業を支え、憲法学者として活動した故佐藤功氏は、復刻された『憲法と君たち』の中で、日本国憲法は、明治憲法の下で間違った政治を繰り返さないため、民主主義と基本的人権の尊重を原則にしたが、「最も誇ってもよい」のは、二度と戦争をしないということをはっきり決めたことだと指摘しています。「ほかの国々にはまだしていないこと」を「日本がやろうというわけだ」「憲法が君たちを守る。君たちが憲法を守る」佐藤氏の言葉です。
 日本は、戦後この憲法の下で自ら戦争を起こしたことも戦争に加わったこともありません。世界の中で先駆的な憲法であり、誇れるものです。日本は、世界に向けて憲法を高く掲げイニシアチブを発揮すべきです。

 質問の一点目は、憲法擁護を掲げる平和都市宣言区として、日本国憲法施行70年の機会に、憲法の値打ちを見つめ直し初心を生かすためにも憲法講演会など催し物をすべきだと思いますが伺います。

 質問の二点目は、平和首長会議の一員として、核兵器禁止条約の交渉開始への取り組みについてです。
 日本は、世界の中で唯一戦争による被爆国であり、さらに戦後アメリカの行っ
たビキニ環礁での水爆実験によって第五福竜丸など被爆による甚大な被害を受けた国です。こうした下で、被爆者などを先頭に核兵器の禁止・廃絶を求める運動が取り組まれ、この運動は世界の国々に広がりました。目黒区は、平和首長会議に参加しています。この首長会議は、核兵器廃絶を実現させること等、世界恒久平和の実現を目的とし、核兵器禁止条約の締結に向けた署名活動に取り組んできました。
 昨年、国連総会の第一委員会は、核兵器禁止条約の交渉開始決議を123カ国の賛成で採択しました。これは、核兵器のない世界への第一歩で画期的なことです。ところが唯一被爆国である日本の政府は、核保有国とともに反対したのです。さすがに平和首長会議は総会で「被爆者の切実な思いに背くもので極めて遺憾」として政府への要請文を決議し、核兵器廃絶の強い意志を示しました。

 質問のアは、平和首長会議参加の世田谷区では、区長自らヒバクシャ国際署名を行い区として署名活動に取り組んでいます。目黒区でも区長自ら先頭に街頭での核兵器禁止署名活動など積極的に進めるべきだと思いますが伺います。

 質問のイは、核兵器禁止条約の締結署名を取り組んできた自治体として、政府に対し核兵器禁止条約の交渉開始決議の反対の態度を改めるよう働きかけるべきだと思いますが伺います。

 
 質問の三点目は、オスプレイの横田基地などへの新たな配備についてです。
 昨年末、米海兵隊MVオスプレイが、沖縄・名護海上で墜落しました。死傷者がなかったとされていますが、報道ではオスプレイの乗り組員一人がいまだに行方不明とのことです。墜落の原因を解明されることなく、第三者の検証もされないまま6日後には飛行の再開が行われました。オスプレイは、ヘリコプターのように離着陸し、固定翼機のように水平飛行しますが、向きを変える際に機体が不安定になる「構造的欠陥」があります。アメリカでは「空飛ぶ棺桶」とも呼ばれ、これまで多数の死傷者が出ています。この欠陥機オスプレイを購入するのは日本政府だけで、陸上自衛隊は17機の導入を決め、日米政府は、沖縄だけではなく50基を超えるオスプレイを日本全土に配備しようとしています。
横田基地には今年後半に3機、2021年までには合計10機の配備計画です。陸上自衛隊木更津基地には日米共同のオスプレイの整備拠点がつくられ世界の整備拠点としての役割を果たそうとしています。すでにオスプレイは、2014年に2機が横田基地に初飛来し、その後も横田や厚木基地などに何度も飛来し訓練を繰り返しています。沖縄をはじめ日本全土の空の安全と国民の命が脅かされようとしています。日本共産党は、オスプレイの国内での運用中止と配備撤回を強く求めています。

 質問のアは、防衛省は、すでに横田基地に飛来しているオスプレイについては、周辺の自治体に情報提供をしています。区長会として、防衛省に対し飛来しているオスプレイについて、23区区民にも情報提供を行うよう働きかけるべきだと思いますが伺います。

 質問のイは、区長会として、日米政府に対し墜落の原因が明らかにされず安全確認がされない下では、オスプレイの横田配備はさせないと声を上げるよう働きかけるべきだと思いますが伺います。

 第二は、児童・生徒の発達と成長を中心に据えた教育を行うことについてです。
 戦前の教育は、教育勅語を教え込むことが最大の目的とされていました。子どもたちは一字一句を暗記し、天皇と国家に奉仕する「臣民として」育てられました。「お国のため」と信じ込まされ戦場に送られ、たくさんの命が無くなりました。こうした教訓から戦後、子どもの教育を受ける権利が憲法で保障され、日本国憲法と教育基本法の下で、国家のための人作りではなく、「教育は、個人の人格の完成」を目指し、子どもの生きる力を全面にわたって育て、国家の教育への介入を排除しました。
 ところが、安倍政権は、教育基本法の改定を行い、教科書検定の介入や競争主義を推し進めてきました。国連子どもの権利委員会は、再三日本の教育の過度な競争主義によって子どもの成長と発達がゆがめられていると指摘しています。学力格差や勉強嫌い、目黒区でも不登校やいじめはなくなりません。今こそ、憲法と子どもの権利条約を生かした、子どもの成長と発達を中心に据えた教育が求められています。以下質問します。

 質問の一点目は、学習指導要領の改定についてです。
 質問のアは、昨年、指導要領の改定答申が公表されました。改定では、教育の目的を、個人の生きる力ではなく、社会が求める人材に必要な「資質・能力」を育てることだとしています。14日、文科省は学習指導要領改定案を発表しました。子どもたちに求められる「資質・能力」を国として定め、その育成のための指導方法、学習評価の在り方まで細かく示しています。教育関係者からは、ますます教育への国家介入が強められ、いっそう教育現場を縛るものになっていると、批判の声が上がっています。答申と、答申に基づく学習指導要領は、戦後教育の初心を踏みにじるものだと思いますが伺います。
 質問のイは、区長の所信表明では、教育の振興について「グローバル化や高度情報化など、技術革新などの変化が加速度的に進行する中で、これからの変化の激し社会に的確に対応できる能力を養うため・・・」としています。こうした内容は、指導要領答申に追随するもので、区長の所信表明も歪んでいると思いますが伺います。

 質問の二点目は小人数学級の拡充についてです。
 一人ひとりの子どもに寄り添ったきめ細かな教育や学力の向上、貧困と教育格差や、不登校等の課題への対応など切実に求められています。少人数学級は、子どもの悩みやトラブルに対応する上でも、子どもの発言の機会が増えるなど学習を豊かにするうえでも重要な条件です。欧米では、一学級は20人から30人が当たり前になっています。東京以外の全国の自治体では、独自に少人数学級を推し進めてきました。こうした中で、文科省も少人数学級の効果を認め小学校1年生で35人の少人数学級を導入しました。その結果、目黒区では小学1年の少人数学級となりました。また、小学2年と中学1年については都の職員加配によって35人の少人数学級になりました。
 質問のアは、国、都に対して、さらに少人数学級を推進するよう求めるべきだと思いますが伺います。

 質問のイは、目黒区では、小学校1年の少人数学級のうち31人から35人のクラスは5校で14クラスもあります。国や都の対応を待つことなく区独自で小学1年の30人学級の実施と各学年の少人数学級の拡充を進めるべきだと思いますが伺います。

 質問の三点目は、学力調査の中止についてです。
 学力テストは、点数競争に拍車をかけ学校教育をゆがめるものとなっています。
全国学力テストは、文科省は都道府県別の結果を公表し、3年前からは教育委員会の判断で、学校ごとの結果も公表できるようになりました。「昨年よりも平均点を超えろ」「県平均より上に」など、学校への締め付けが強くなる中で、現場では点数を上げるための過去の問題や類似の問題の繰り返しが行われるようになりました。ある区では、テストを監視する教師が、子どもの解答の誤りを教えるという事態まで発生しました。区立小・中学校では、国・都・区の学力調査を4月に2回、7月に1回、新年度の貴重な時期に3回実施しています。
 国の学力テストは、テストを返却しません。子どもも先生もどこをどう間違えたかわからず、先生は誤りの指導もできません。文科省が言う「学力調査は、指導の改善に役立てる」は、すでに破綻しています。区の学力調査は、子ども一人ひとりの個人指導を行うために重要な役割があるとしています。しかし、現場の教員が関与することなく、民間事業社がテストの問題をつくり、採点も結果指導表も民間業者に丸投げされています。こうした下で、きめ細かな個人指導ができるのでしょうか。

 質問のアは、国に、全国の学力の調査は従来の抽出調査に戻し、現行の学力調査は廃止するよう働きかけるべきだと思いますが伺います。
 質問のイは、都に、都学力調査はやめるよう働きかけるべきだと思いますが伺います。
 質問のウは、区独自の学力調査はやめるべきだと思いますが伺います。

 質問の四点目は、就学援助の拡充についてです。
 経済悪化の下で、この4年間で働く人の年収は19万円も減り、非正規雇用が増え、6人に1人の子どもが貧困という深刻な事態になっています。日本の教育予算の水準(GDPに対する公財政教育支出)は3.7%で、世界の中で最低ランクです。その結果、高い教育費は保護者の負担となり、無償の義務教育でさえ、給食費、制服代、体操着などかかり、とりわけ所得の低い世帯では、生活そのものを脅かし教育格差が広がっています。経済的支援の拡充が緊急に求められています。

 質問のアは、就学援助対象を生活保護基準の1.2から1.5に引き上げ、失業など緊急の家計状態の悪化にも対応できるようすべきだと思いますが伺います。

 質問のイは、就学援助の入学支度金は、現在、小学校2万3千円・中学校2万6千円となっています。しかし、実際は制服代、夏冬体操着、上履き代など5万円から7万円と大きく乖離し保護者の負担は大きいものです。就学援助の入学支度金は、入学後に支給され、そのために保護者はお金を工面しなければなりません。入学支度金の前倒し給付に向けて、区は調査検討すると答弁しましたが、現在何を調査し検討を行っているのか伺います。

 第三は、保育の充実と待機児解消に向けてです。
 今年4月、認可保育園などの第一次募集の応募者数は2322人で、選考の結果認可保育園など入れない子どもたちは応募者の約半数1155人にも上りました。昨年、一昨年と、2年連続で認可保育園に入所できない率は、東京でワーストワンと報道されましたが、今年の4月も同様な結果となりそうです。応募者は、昨年よりも270人余り増えました。潜在的な待機児も含め、認可保育園を必要とする子どもたちは増え続けています。認可保育園整備のために、国や東京都への財政的支援と同時に、区自身あらゆる手段を探り保育園の整備が求められています。
 さらに、子ども子育て支援法の下で様々な形態の保育園、規制緩和された保育園の整備が進んでいますが、保育の量とともに保育内容、質の問題が問われています。喫緊の課題である子どもの成長発達を保障できる認可保育園の整備に向けて質問します。

 質問の一点目は、民有地の購入についてです。
 昨年9月区が作成した待機児解消に向けた整備計画でさえ、新年度4月時点では計画どおり実現できませんでした。賃貸型の保育園に頼るだけでなく、さらなる国公有地の活用とともに、碑文谷や大岡山にある幼稚園跡地など民間の土地を購入し整備すべきだと思いますが伺います。

 質問の二点目は、マンション業者にマンション建設時に認可保育園を整備させることです。
 新たなマンション建設によって、今後、認可保育園の希望者が増えることが予想されます。江東区では、一定規模のファミリーマンション建設の際には、区長の意見として、マンションの中に保育園の整備を事業者に求めます。整備された保育園は、マンション事業者から区がもらい受け民間事業者に運営させるというものです。この手法によって保育園がすでに10園開園し、今年の4月には2園が開園します。目黒区でもマンション業者に保育園の整備をさせるべきだと思いますが伺います。

 質問の三点目は、区立保育園の整備についてです。
 認可保育園の整備は、民間だよりの賃貸型保育園だけでは、昨年度は2件、今年は1件、計画どうりできませんでした。待機児解消に向け、安定した区立保育園の整備を含めた計画にすべきではないかと思いますが伺います。

 質問の四点目は、保育の質を担保するガイドラインの作成についてです。
 区内認可保育園で助成金の悪質な不正流用が明らかになりました。また小規模保育園での保育の質に関わる問題が発覚、2つの認可外保育園の突然の廃止など、保育事業者のあり方や保育士の質など課題となっています。他の自治体では、子どもが死亡するという悲惨な事故まで起きています。こうした事態を絶対起こしてはなりません。様々な形態の保育園が増える中、保育の質の向上に向けて、区、事業者、保育士、保護者などの役割と子どもの成長発達を担保する保育内容など示したガイドラインや要綱等を作るべきだと思いますが伺います。

 以上で壇上からの質問を終わります。
                                         
       



  
  

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