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区議会第1回定例会で行った、岩崎区議の代表質問の大要です。

私は日本共産党目黒区議団を代表し、区長の所信表明と区政運営について質問します。

岩崎区議

 大きな1点目は、地方自治と地域経済活性化に向けた考え方を聞きます。
1問目は、安倍政権下の「地方創生」への認識についてうかがいます。
 アベノミクスは今、急速に行き詰まりを示しています。内閣府が2月16日に発表した2014年10月から12月期の国内総生産、GDP速報値は、前期比0.6%増、年率換算で2.2%増と3期ぶりにプラスになったものの、民間予測では実質で年率3%台後半から4%台の伸びが見込まれていたことを見ても、予想を下回る低い伸びにとどまりました。
 14年の年間の実質GDP成長率は0.0%、民間最終消費支出は1.2%のマイナスで、消費税を3%から5%に引き上げたあとの1998年、リーマンショックの2008年、2009年の落ち込みを上回り、過去20年間で最大の落ち込みとなりました。まさに、消費税増税による個人消費の低迷で、景気悪化から転換できていないことは明らかです。
安倍政権は地方からの「アベノミクス」批判をかわすために「地方創生本部」を立ち上げ、「長期ビジョン」および「総合戦略」の骨子案を発表しました。従来の縦割り行政から脱却し、地方での雇用の創出や子育て支援などの対策を打ち出す司令塔と位置付けられていますが、そもそも、行き詰っている「アベノミクス」を前提にしているなど、そこには大きな問題点があります。区長は所信表明で「『地方創生』に基づき、必要な準備を進め具体化していく」と述べましたが、そこで3点伺います。
 まず、アとして、社会保障切り捨ての方向をどう考えているかということです。
 安倍政権の「地方創生」には、地域で生活する人々の人権を守り、社会保障・社会福祉政策の充実によって、地方で安心した暮らしを保障しようという視点が全く見当たりません。「医療・介護を中心に社会保障給付について、いわゆる『自然増』も含め聖域なく見直し、徹底的に効率化・適正化していく必要がある」という方針のもとに、徹底した給付の抑制と利用者負担をしようとしています。
年金の引き下げ、生活保護費の削減、介護保険をめぐっては、「要支援」を保険給付から外すことや医療費自己負担の2割化、入院療養における給食代の自己負担の増大、高額療養費の自己負担限度額の見直しなど後を絶ちません。都市部でも貧困と格差を広げるだけです。こうした地域で安心して暮らしていく生活基盤の切り下げの方向を是と考えているのか、うかがいます。
 イとして、東京首都圏一極集中の問題と東北地方の震災復興に与える影響についてです。
 「地方創生」の特徴は、社会資本の東京首都圏への重点投資です。国土交通省は2012年に「社会資本整備重点計画」をまとめ、大都市におけるインフラ機能の高度化を進める方針を打ち出し、昨年7月の「国土のグランドデザイン2050」で東京オリンピックに向けたインフラ整備やリニア新幹線建設をすすめることを強調しました。
また、安倍政権は2013年12月に国家戦略特別区域法をつくり、昨年3月には東京圏、関西圏、福岡市など6つの国家戦略特区を指定しました。規制改革を推進し、企業が世界で最もビジネスしやすい国をつくるため、大都市圏に大企業も金も呼び込み、上からの東京首都圏一極集中をすすめようとしています。
しかし、現在もアベノミクスのもとで、大都市と地方の格差が拡大しています。厚生労働省の2013年度の賃金構造基本統計調査では、2010年の所得水準を100とすると、大都市が存在する10都道府県の13年の所得は101.7である一方、10都道府県以外では99.2とマイナスになっています。消費動向でも、昨年8月の食品スーパー業界3団体がまとめた売上高は、首都圏を含む関東が4.4%増にたいし、中四国は0.7%減。主要10都市以外の地方百貨店の8月の売上高は1.9%減少しています。アベノミクスの恩恵を受けた大都市と、そうでない地方との格差が浮き彫りになっています。
東北地方の震災地は大震災から4年を迎えようとしていますが、いまだに住宅の再建のめどがつかず、25万人近い人が避難生活を余儀なくされています。岩手県、宮城県の沿岸26市町村の被災者向け公営住宅の建設は、計画の10%にとどまり、建築資材の高騰などで「入札不調」も続出しています。
安倍政権の「地方創生」では、いっそう都市と地方の格差が進み、ひいては東北地方の震災復興も遅らせるだけではないかと思いますが、うかがいます。
 ウとして、消費税増税を前提とした「地方創生」では、地方財政にとってマイナスになるのではないかという問題です。
 安倍政権は引き続き、2017年に消費税率を10%に引き上げることを明言しています。これまで政府は10%への増税が行われた場合、地方消費税の引き上げと交付税法定率分の増を合わせて地方財源分は4.3兆円増と見込んでいましたが、そのうち3兆円近くは国の一般会計からの交付税特例加算や臨時財政対策債発行を減らすための財源に充てられるとしてきました。つまり、地方財源の増加分の大半は、国や地方の公債発行などの抑制に充てられてしまいます。消費税収の地方財源分が増えれば地方自治体の自由度を高めるといわれていますが、そうはいいがたいのです。
 また、地方は消費税収が増えても交付税は減らされ、交付税不交付団体の東京都は財源超過額が増える一方、地方との財源是正と称して法人住民税の一部国税化が狙われています。
目黒区は地方消費税交付金について、税率が10%に引き上がれば、2018年度から2015年度と比べて約10億円増えると試算しています。しかし、消費税増税の引き換えによる法人住民税の国税化で2015年度は7億円、2016年度以降は年間で17億円の減少が見込まれるとし、法人税実効税率引き下げの影響も出てきます。消費税のさらなる増税の影響で税収全体が減収になる恐れもあります。
区長は昨年の第4回定例会でのわが党の一般質問の消費税に関する質問に対し、「私立保育園も含めた保育園の運営経費や障害者への給付のほか、健康保険や介護保険などの医療・介護に係る区の負担分の増加が著しい状況である。地方消費税の増分は、これらの経費に使われることになることから、その財源を確保するための引き上げはやむを得ないものと考えている」という趣旨の答弁をしています。
しかし、今のべたように、消費税増税路線では地方財政にとっても自治権拡充とはいかないと思いますが、そう考えないのかうかがいます。
そして、2問目は、区独自の主体的な雇用対策拡充で、区内の地域経済の発展をはかるべきだという点です。
 「地方創生」のそのほかの重大な問題点は、人口減少論、自治体消滅論に立ち、地方自治体の再編が避けられないとしていることです。なぜ、人口が減っているのか、「少子化」が進んでいるのかの抜本的な原因分析は政府にありません。
 「少子化」の最大の要因は、若者が結婚して子どもを産み育てられるような労働条件が破壊されてきたからです。小泉内閣以来の「構造改革」路線のなかで、派遣労働をはじめとした非正規雇用者、すなわち不安定労働者が都市部でも地方でも広がり、いまや、2000万人を超えています。低賃金の強制や長時間労働も進行し若者の未婚者が急増し、「ワーキングプア」という言葉が広がりました。とくに、東京・首都圏に若者の貧困層が最も集まり、合計特殊出生率も全国でいちばん低くなっています。こうした問題にメスを入れる必要があります。
安倍政権の「地方創生」に追随するのではなく、目黒区独自の主体的な地域経済の活性化策や区民生活支える施策こそ必要です。その力になる非正規雇用者の正規雇用化を区独自に追求し、いまや17の自治体に広がっている公契約条例制定を早期に行うべきだと思いますが、いかがか、お尋ねします。

青木区長答弁

まず、第1点目、地方自治と地域経済活性化に向けた考え方の第1問、安倍政権下の地方創生への認識についてのア、社会保障切り捨ての方向を是と考えているかについてでございますが、国では社会保障の充実、安定化と、そのための安定財源の確保と財政健全化の同時達成を目指して、社会保障と税の一体改革を推進しております。
 厚生労働省の一般会計の平成27年度予算案によりますと、社会保障関係経費は前年度比で3.2%増の29兆4、505億円余となっております。消費税の増収分を財源としながら、平成27年度は子ども・子育て分野におきましては、地域の保育や子育て支援事業の充実など、新制度への対応、児童養護施設等の改善、医療介護分野におきましては、在宅療養や認知症対策の推進、介護従事者の確保や処遇改善、国民健康保険への財政支援の拡充、難病、小児慢性特定疾病の助成対象の拡大など充実の方向が示されております。
 社会保障制度は、子ども・子育て支援、医療、介護、年金、雇用など広範囲にわたりさまざまな分野で行われており、御指摘のあった年金や生活保護、高額療養費制度の見直し、介護保険サービスにおける一定所得以上の自己負担割合の引き上げなど、一部には利用者等の負担増も予定されております。これらは、費用負担の公平化やサービスの効率化、重点化を目的として、社会保障制度を持続可能なものとして将来世代に引き継いでいくために行われるものと認識しております。
 一方で、低所得者への介護保険料や国民健康保険料の軽減措置なども進められているところでございます。
 私は、社会保障制度総体として充実の方向にあると認識しておりますが、制度改正に伴う区民への影響に関しましては、今後とも十分留意してまいりたいと考えております。
 次に、第1問のイ、東京圏一極集中では一層都市と地方の格差が進み、ひいては東北地方の震災復興もおくらせるだけではないかについてでございますが、国が定めましたまち・ひと・しごと創生総合戦略では、4つの基本目標として、地方における安定した雇用の確保、地方への新しい人の流れをつくること、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえること。時代に沿った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携することが掲げられております。
 4つの基本目標を実現させるための主な施策としましては、議員が着目されました大都市圏における安心な暮らしの確保や、国家戦略特区制度を活用した地方創生特区の指定などがございます。
 しかし一方では、地方への新しい人の流れをつくるための施策や地域と地域を連携するための施策として、地方産業の競争力強化、地方拠点強化、仕事と生活の調和の実現など、地方に向けたものも多数掲げられております。
 これらの施策は、国及び都道府県のまち・ひと・しごと創生総合戦略を冠して、市区町村がそれぞれの実情に応じて選択されるものであり、大都市圏中心の施策のみが選択されるものではないと認識してございます。
 また、建築資材の高騰にかかる動向は、区としても注視していかなければならない事項と認識しておりますが、国においても検討がなされている事項と認識しております。
 区といたしましては、国の総合戦略の基本目標にもございますとおり、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守ることなどは、区民にとって住みやすいまちづくりとしていく観点てとっても大切なことであり、常に研究し検討していかなければならない課題と認識しており、区の実情を踏まえながら、まち・ひと・しごと創生総合戦略について検討してまいりたいと考えております。
 次に、第1問のウ、消費税増税を前提とした地方創生では、地方財政にとってマイナスとの見解についてでございますが、消費税率の引き上げにつきましては、今後増大する社会保障の支出を国民全体で公平に負担するという、支え合う社会の回復及び安定した財源を確保するというものであり、人口減少社会への対応や子育てを支援するという点では共通点がございますが、御指摘の地方創生にかかおる施策等との直接連動するものとは考えておりません。
 地方消費税は、一般財源である地方消費税交付金として区に入ってまいりますが、このうち消費税の引き上げ分は全て社会保障財源に充てるとされているものであり、自由に使える通常の一般財源とは趣旨が異なるものでございます。景気の変動を受けにくい消費税を財源として社会保障に充てるということは、安定的な財政運営の上でも否定されるものではないと考えてございます。また、27年度予算では26億6、000万円余が社会保障財源化分として充てられることになっており、区財政にも多大に寄与するものでございます。
 一方で、法人住民税の一部国税化につきましては、本来拡充すべき自主財源である地方税を縮小することにつながり、地方分権の流れに逆行するものであり、地方自治の趣旨からも大きく外れるものでございます。今後、特別区では全国平均以上に高齢化が進み、社会保障財源もさらに必要になる中で、消費税率の引き上げで地方自治体間の財政力格差がさらに拡大するという理由は決して容認できるものではありません。
 国は消費税率10%段階においては、法人住民税法人税割の地方交付税化をさらに進めるとしておりますので、引き続き自治体間で財源を奪い合う構図を解消するよう、さまざまな場で国に対して反論してまいりたいと考えてございます。
 次に、第2問、非正規雇用者の正規雇用化を区独自に追求し、自治体に広がっている公契約条例制定を早期にすべきことについてでございますが、地域経済の活性化や区民生活を支える施策については、区民生活を守る観点から、区として取り組むべき課題の一つであると考えております。
 一方、雇用や最低賃金の保障を含めまして労働者の労働条件に関しては一定の法整備がなされており、労働行政か国に属していることからも、労働条件向上のための規制の問題は国全体の政策として取り組むべきであり、基本的には法律により対応すべき問題であると認識しております。
 このような認識に立ちつつ、公契約条例につきましては、千葉県野田市を初めとする他の自治体での制定の動向も踏まえ、本区としても研究課題としてきたところでございます。
 野田市での制定以来、全国で14の自治体で制定が進んでおり、23区におきましても平成24年の渋谷区、25年の足立区に続き、26年には千代田区、世田谷区においても制定されることは承知しておりますので、引き続き研究・検討を進める必要があると考えております。
 区といたしましても、労働者の労働環境の確保は重要であると考えており、これまでも法令遵守の徹底や最低制限価格の設定によるダンピングの防止、入札参加資格要件としての特定建築業の許可などに取り組んでいるところでございます。
 今後も労働諸法令の枠組みの中で、その遵守や趣旨の実現に向け、区として取り組むべきことには取り組みながら、労働環境の確保に努めてまいりたいと存じます。
 公契約条例に関しましては、本区の外部有識者で構成する入札監視等委員会におきましても他の自治体の状況などをお示ししているところであり、今後まずは議論を深めながら研究・検討を進めてまいりたいと考えております。

岩崎区議

大きな2点目は、地方自治体本来の役割に立ち返り区民生活を応援すべきだという点です。
 区は緊急財政対策のもと、「財政健全化に向けたアクションプログラム」と称して、2012年度から14年度の3年間にわたり180億円の経費削減を行うなど、区民に大きな犠牲を押し付けてきました。その結果、所信表明で区長は、「財源不足の回避と積立基金の確保が一定程度実現」「緊急的な財政対策については一つの区切り」と述べています。そこでうかがいます。
1問目は、国の悪政から区民生活を支える立場が欠落していることです。
消費税増税で個人消費を大きく落ち込ませているとともに、厚生労働省の毎月勤労統計調査では、2014年度の実質賃金は引き下がり、3年連続の減少となりました。減少幅はこの3年間で最大です。昨年12月の実質賃金も減少し、18か月連続のマイナスになり、賃上げが物価の上昇に追いつかない状況が続いています。中小業者の方々からは、「大企業は好調のようだが、われわれには恩恵はない」との声を聞き、中小企業団体からは「アベノミクス不況だ」とまで言っています。年金の切り下げなど社会保障の大規模な切り下げも家計を圧迫しています。
それに加え、区は「受益者負担の原則」などといって、公の施設や体育館などの施設使用料を引き上げ、認可保育園や学童保育クラブの保育料も値上げしました。緊急財政対策といって区民生活向けの経費をバッサリと削る「事務事業の見直し」など負担に輪をかけました。さらに、社会教育館の講座を半減させ、図書館の開館時間の削減、箱根保養所や地震の学習館の廃止など、文化・教育および防災関連の施策を後退させ、区民から批判の声が上がりました。
まさに、この3年間は、国の悪政に追随し区民生活に追い打ちをかけ、地方自治体として住民生活を支える立場が欠落していたと考えるが、いかがか、うかがいます。
 2問目は、さらなる民営化と、施設使用料・保育料など引き上げへの計画はやめるべきだということです。
「アクションプログラム」が終わっても、区はさらに、区民サービス切り下げの「行革計画」を進めようとしています。新行革計画案でも、常勤職員の削減を中心に、区立学童保育クラブの民間委託や、区立保育園を手放す計画、図書館の民間委託拡大などのさらなる民営化の推進、受益者負担の考え方に基づく施設使用料や保育料の引き上げへの検討などが盛り込まれています。
区民からは、「学童保育の民間委託で、これまで目黒区が築いてきた保護者と指導員の協力関係や信頼関係など、子どもたちの成長への見守りが手薄になってしまうのではないか」「保育園を増やしてほしいが、区立は区立として、きちんと認可保育園として存続させてほしい」との声が上がっています。
施設使用料や保育料の引き上げについて、「高齢者向けの体操教室が値上がりし、年金が減っている中でたいへんだ」「教育費に負担がかかっているのだから、保育料のこれ以上の引き上げはやめてほしい」との要望がうずまいています。「行革計画」は改めるべきだが、いかがかでしょうか。
3問目は、基金積み立て優先ではなく、各種保険料を引き下げる財源に充てるべきだという点です。
 区民にとって、どんどん引き上がる医療や介護の保険料の負担が家計を圧迫し、引き下げてほしいという切実な声が上がっています。
 目黒区の財政は黒字を続け、区民税なども堅調に推移しているにもかかわらず、区民生活向けの経費をバッサリと削り、区民の財産である区有地を次々と売却してきました。その結果、現行の財政計画で算出された財源活用可能基金の残高は2014年度末時点で目標の74億1000万円を大きく上回り139億円にも上る見込みです。財政調整基金残高だけを見ても、アクションプログラム開始前の2011年度末の35億4千万円から、2014年度末時点で約101億円、2015年度見込みでは120億8千万円をこえます。
 一方、区が示した第6期の介護保険料改定案は、本人の住民税が非課税で世帯員が住民税課税の基準額を月額4960円から5780円へと820円引き上げるというものです。国の介護保険制度の改悪で給付やサービスが切り下げられる一方で、保険料は大幅に引きあがるのかと、区民の怒りの声が上がっています。
この間、日本共産党は介護保険料引き下げを求める署名活動を行い、2月上旬に第1次分として1027人分の署名を区に提出しました。「これ以上、年金から高い介護保険料が天引きされるのは耐え難い」などの切実な声を聞きました。2000万円以上の所得段階をつくるなど、新たな最高額段階をつくり、能力に応じた保険料に設定するなど努力すべきではないでしょうか。
 国民健康保険料についても、自営業者の方から、「以前と比べて売り上げが激減し家族の収入が減っているのに、毎年、高い保険料が請求され、生活費を大幅に削らざるを得ない」との悲痛な声も上がっています。
区民に犠牲を押し付けて、目標以上に積立基金を増やしてきたのだから、国民健康保険料や介護保険料の引き下げのために一般会計からの繰り入れを行うなど、いまこそ区民支援にまわすべきですが、いかがでしょうか。

青木区長

次に、第2点目、地方自治体本来の役割に立ち返り、区民生活応援をの第1問、国の悪政から区民生活を支える立場の欠落についてでございますが、平成24年度から取り組んでまいりました緊急財政対策にかかる事務事業見直しは、世界的規模の経済危機を契機として区の歳入が大幅に減少し、区の財政状況が急速に悪化したことから、景気回復の見通しが立たない状況の中で、区民生活を継続的に守り支えるため、平成26年度までの財源不足の確実な回避を積立基金の計訶な積み増しを目標として取り組んだものでございます。
 事務事業の見直しにおいては、区民生活の影響度、事業実施の緊急度、事業継続の必要性、実施主体の妥当性の視点から、全ての事業をゼロベースで検討いたしました。検討に当たっては、できる限り区民生活に影響を与えないよう、行政内部の経費の見直しを優先し、区民の生命、健康、財産への影響が大きいと判断したものは極力事業を継続することといたしました。中でも高齢者、障害者、子どもにかかわる分野においては、総体的に優先度を高くし区民サービスの継続的な提供に努めたところでございます。
 事務事業見直しにつきましては、今年度が取り組みの最終年度であることから、来年度以降の事業の方向性や今後の取り組みについて検討するため、全事業について行政評価の視点を取り入れた検証を実施いたしました。検証結果につきましては、既に議会にも御報告させていただいておりますが、区民生活を取り巻く状況などを踏まえ、124事業について拡充することといたしました。
 緊急財政対策の取り組みは一つの区切がつけられる見通しでございますが、本区の財政状況は全体として一般財源の大幅な増収が見込めない中、今後見込まれる施設の更新経費など大きな課題を抱えておりますことから、今後も行財政改革の取り組みを進め、将来に向けて区の財政基盤を揺るぎない強固なものとし、区民生活を守り支えてまいります。
 次に、第2問、さらなる民営化と施設使用料、保育料など引き上げの計画についてでございますが、地方自治体には社会経済状況が変化する中で、良質なサービスを安定的に提供し続けることが求められており、本区におきましても限られた行財政資源を効果的・効率的に活用し、区民ニーズに的確に対応していくため、不断の行財政改革に取り組んでまいりました。
 民間活力の活用は、これまで行政が提供してきた公共サービスについて、民間事業者の進出が進み、民間事業者ならではのメリットを発揮し、効果が上げられてきていることから、サービス水準の維持・向上と経費の縮減を図るため、これまで積極的に導入しているものでございます。
 指定管理者制度を導入した施設においては、指定管理者の自主事業の実施などにより、さらなるサービスの拡充などから、利用者等のアンケート結果による利用者満足度の向上が見られており、経費の縮減によって生み出された財源を新たな行政サービスの財源として活用するなどの効果もございました。
 また、公の施設の使用料につきましては、適切な受益者負担と利用者と未利用者の負担の公平性などの観点から、平成24年度に改定いたしました公の施設使用料の見直し方針に基づき、必要な見直しを行ってまいります。
 いずれにいたしましても、今後も不断の行財政改革に取り組み、継続的なかつ総合的に区民福祉の向上を図ってまいります。
 次に、第3問、積立基金の優先ではなく、各種保険料を引き下げる財源に充てることについてでございますが、待機児童対策や介護基盤整備支援、災害に強いまちづくりなど、具体化した実施計画や重点化対象事業を中心に、優先的に財源を配分してまいりました。
 また、既存の施策についても不断の見直しをしながら着実に進めていく所存でございます。これらへの対応をした上でなお余裕がある場合は基金に積み立てているとともに、景気の影響を受けやすい特別区の中でもいまだに低い水準にある積立基金残高について、計画的に改善していくことが、強固で安定的な財政基盤を築く上で極めて重要でございます。
 法人住民税の一部国税化や法人実効税率引き下げの影響、区有施設の更新需要への対応、増加傾向にある子育て関連経費や介護関連経費など、将来の財政への影響が懸念される要素は数多くございます。 27年度末の財政調整基金残高である120億円も、目的に辛うじて届いたという段階であり、今後の区の置かれた状況は決して楽観できるものではありません。
 保険制度は、社会全体で費用を支え合うため、国や地方自治体からの公費と保険料で運営するものとして制度設計がされているむのでございます。制度化された仕組み以外に一般会計から繰り入れを行って保険料を引き下げることは、被保険者以外の方への負担の転嫁といった問題があることや、一般会計からの繰り入れが常態化する懸念などもございます。区が一般財源を投入して、まず優先的にやるべきことは、区民の健康を守り推進していくための取り組みや、地域包括ケアシステムの構築、介護サービス基盤の整備などであり、引き続きこれらの暮らしや健康を支え、取り組みに力を注いでまいります。

岩崎区議

大きな3点目は、防災・減災対策と福祉のまちづくりの強化についてです。
1問目は、災害の未然防止のためにも、住宅等の耐震改修助成の拡充をすすめるべきだという点です。
 住宅の耐震改修は、居住者の生命・財産の保護のみならず、地域社会の安全確保という公益性の高い問題ですが、居住者の経済的な負担など、進まない要因があります。目黒区では2006年度から民間の建築物への耐震診断助成および耐震工事費助成が始まり、木造住宅でいうと、2013年度までの8年間で、診断で984件、改修で256件の利用があります。しかし、木造住宅の耐震診断助成が半額助成になって以降、利用が減っています。「事務事業見直し」前の2011年度に225件あったものが、2013年度は43件に激減しています。耐震改修助成も2012年度は49件と利用件数は上がったものの、13年度は22件と減ってしまっています。「震災から時間が経過したことによる区民の耐震への関心が薄くなった」ということだけではありません。
設計士の方から、「耐震改修への入り口として診断があるわけで、この入り口部分を全額助成することは、住宅の倒壊を未然に防ぐためにもたいへん重要だ」との指摘が相次いでいます。大手の建築会社などが、耐震改修工事を行うことを前提に、無料の耐震診断を行っていますが、こうした動向を見ても、区内業者の仕事の確保という観点からも、木造の耐震診断の全額助成の復活は急ぐべきではないでしょうか。
また、木造住宅の耐震改修助成についても、制度発足後、助成額のアップや低所得者への上乗せなど充実させていますが、耐震化率を95%へ引き上げるという目標から見ても、まだまだ不十分です。
大地震の切迫性が指摘されているなか、居住者まかせにせず自治体として診断・改修への補助制度の思い切った拡充こそ必要です。木造住宅の耐震診断の無料化、耐震改修工事費への助成額のアップ、高齢者・障がい者への助成率のアップなど行うべきだと思いますが、お答えください。
2問目は、西小山周辺の防災まちづくりについてです。
 防災まちづくりは本来、居住者が住み続けられることが基本です。しかし、東京都の計画は延焼遮断帯と称する都市計画道路の整備や不燃建築として沿道高層建物への助成など、道路整備中心の街づくりになっています。区内では、原町1丁目、洗足1丁目、目黒本町5丁目地域の補助46号線を特定整備路線に指定し、原町、洗足部分の事業認可もおりたところですが、住民の強制的な追い出しへとつながりかねない道路を拡幅するやり方には反対です。住民にとって負担が少なく住み続けられるまちづくりを追求すべきです。
 そのためにも、地震による家屋の倒壊により道路が閉塞しないように、住宅などの耐震化への公的補助の拡大、コミュニティーを基本とした安全・安心のまちづくり、すなわち、住民と自治体が連携し、災害の発生の抑制と被害の軽減をはかるために地域防災力を全体的に底上げすることを目標にすべきです。
現在、補助46号線の整備にかかわり立ち退きや営業補償など様々な不安の声があがっていますが、道路拡幅は東京都の事業だからと対応を都任せにせず、区として独自に聞き取り調査など行うべきだと思うが、いかがでしょうか。
3問目は、ひとりぐらし高齢者・障害者への感震ブレーカーを設置すべきだという点です。
阪神大震災では建物の倒壊と火災で多くの人命が失われました。神戸市長田区ではとりわけ多くの火災が発生しました。地震から2、3時間もして発生した火災、3日も過ぎてから発生した火災などは、ほとんど通電が原因だといわれています。
大地震時の火災予防には、揺れを感知して自動的にスイッチが切れる「感震ブレーカー」を普及して電化製品などの発火を防ぐことが必要です。
中央防災会議では、電気火災による出火を完全に防止できれば、焼失棟数は約5割に減らせるとし、「感震ブレーカー等の100%配備の方策の検討を進め、早急に実施すべきである」としています。大規模な普及が必要ですが、当面、区として、ひとりぐらし高齢者・障害者への感震ブレーカーの設置を先行してすすめるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
以上、壇上からの代表質問を終わります。

青木区長

次に、第3点目についての防災・減災対策と福祉のまちづくりの強化の第1問、災害の未然防止のための住宅等の耐震改修助成の拡充についてでございますが、区では建築物の安全性の向上を目的として、平成8年度から耐震診断助成を開始し、平成18年度から耐震改修助成を充実してまいりました。平成24年度には、それまで無料であった木造住宅の耐震診断を区民の半額負担としたことに伴い、耐震改修助成を100万から120万に増額するとともに、住民税の非課税世帯については150万円まで引き上げを行っております。また、平成26年度からは新たな耐震設計についても助成するなど、これまでの耐震化促進のための助成制度の拡充、拡大を随時行っているところでございます。
 御指摘の木造住宅の耐震診断無料化についてでございますが、耐震化促進のためには耐震診断だけでなく耐震改修まで行うことが重要でございます。限られた財源の中で耐震改修にいかにつないでいくかと考えた場合に、耐震診断を無料化にするより、耐震改修まで行う人にとって有利になる助成制度のほうが効果的であるとの考えから、現在の助成額になっているものでございます。
 また、高齢者や障害者への助成額のアップにつきましては、高齢者や障害者の世帯であっても一定程度以上の所得がある場合もございますので、助成制度を活用する上では、所得に応じた助成額にすることが、より効果的な制度であると考えてございます。
 建物の耐震化助成は個人財産に対する助成でございますので、福祉目的とは一線を画していることから、助成額にはおのずと限界がございます。耐震化は建物所有者がみずから行うことを基本としており、区は建物所有者が主体的に耐震化の取り組みができるように、技術的、財政的支援を行うことが耐震化促進を図る上での基本的な考え方でございます。
 今年は阪神・淡路大震災から20年になりますが、倒壊した建物の9割以上は旧耐震基準の建物であったことから、そうした建物の耐震改修の重要性を改めて認識しているところでございます。現時点において、木造住宅の耐震診断無料化や耐震改修の助成額のアップを行うことは考えておりませんが、今後とも建物の耐震化の促進に努め、地震に強いまちづくりを進めてまいりたいと存じます。
 次に第2問、西小山周辺のまちづくりは区が責任を持って居住者対策を万全についてでございますが、東京都は首都直下型地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、木密地域不燃化10年プロジェクトを推進し、平成32年度を目標に、市街地の不燃化や延伸遮断帯となる都市計画道路の整備を重点的・集中的に取り組み、燃え広がらないまち、燃えないまちの実現を目指しています。
 木密地域不燃化10年プロジェクトでは、本区の原町一丁目・洗足一丁目地区及び目黒本町五丁目地区が不燃化特区に指定されるとともに、地区内の都市計詁始補助46号線を特定整備路線として、平成32年度を目標に整備することとしています。補助46号の原町一丁目・洗足一丁目地区内の補助30号から洗足バス通りまでの区間につきましては、平成25年度から事業主体である東京都が現況測量、用地測量などを実施してまいりましたが、本年2月6日に国土交通省から事業認可を取得したと聞いております。
 この間、補助46号線沿道の方からは生活再建に対する不安などさまざまな声が区にも寄せられたことから、相談等の対応を行うとともに、東京都に対しても真摯な対応を要請してまいりました。
 一方、地元での46沿道まちづくり協議会からは46沿道まちづくりの提案をいただき、地域にふさわしいまちづくりの推進を要望されているところでございます。
 区といたしましては、協議会提案を踏まえ、補助46号沿道地区の用途地域等の変更、地区計画の策定、都市防災不燃化促進事業の導入を検討しているところでございます。
 また、不燃化特区の取り組みといたしまして、道路整備と一体的に進める沿道まちづくりを進めていくこととしており、今後、補助46号線沿道の皆様にまちづくりへの参加をお呼びかけするとともに、御意見、御要望、御意向等把握に努め、道路整備に伴う建てかえ支援や生活再建に適切に対応してまいります。
 次に、第3問、ひとり暮らし高齢者、障害者への感震ブレーカーの設置についてでございますが、御指摘のとおり、国の中央防災会議で出火防止対策の一つとして取り上げております。近年、震度5強相当以上の揺れを感知すると自動的にガスの供給を停止するマイコンメーターの普及に伴い、地震による火災の主な要因が電気によるものとされる中、地震被害を軽減させるため、出火自体を減少させることが重要であることは十分認識してございます。
 しかし、感震ブレーカーの種類は、建物の分電盤に設置するタイプ、コンセントに取りつけるタイプ、さらにおもりによるブレーカーを落とす簡易なものまで、機能や種類、価格の異なる製品が幅広くございます。このため設置に当たっては、電気配線の状況や家族の生活形態、使用している電気製品の種類などさまざまな条件を踏まえる必要があり、一律に感震ブレーカーの設置を進めていくことは難しい状況にございます。また、夜間に震災が発生した場合は照明も同時に消灯することから、暗闇の中で落下物や転倒物から身を守り、安全を確保する上での問題を指摘する意見もございます。
 現在、国においては大規模地震時の電気火災発生抑制に関する検討会で、感震ブレーカ一等の性能評価ガイドライン案に関する意見募集がされており、今後ガイドラインが策定された後、普及のあり方や機器の選定について、一定の考え方が示されるものと考えておりますので、引き続き感震ブレーカーに関する情報収集や調査・研究に努めてまいりたいと存じます。
 以上、お答えとさせていただきます。

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