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党の政策

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3月23日森美彦議員が行った2015年度一般会計予算の反対討論です。

私は、日本共産党目黒区議団を代表して、議案第19号、平成27年度目黒区一般会計予算に反対の立場から討論を行います。

反対理由の第1は、認可保育園も特養ホームも足りないのにJR跡地を売りとばす問題です。

5年前、572名だった待機児が毎年増え続け、今年4月、第2次選考の結果1022名の子どもたちが、認可保育園等に入園することができませんでした。認可保育園に入園を希望しても6割が入れない事態は一刻も放置できません。目黒区は、認可保育園に入れない子どもの割合がとうとう23区で最も多い区になりました。待機児が1000人を超える事態を招いた区長の責任は重大です。
すでに、3月6日と19日合わせて30名を超える不服審査請求が出されました。「2年続けて入れなかった。」「友人は区外に引っ越していった」「目黒が好きで引っ越してきたが、選択は失敗だった」こうした保護者の声がたくさんあがりました。保育園の増設がまともに進まないのは、財政問題を口実に、現行の子ども総合計画で掲げていた今年度中の待機児ゼロを投げ捨てたからです。
また、新年度予算においても待機児問題を一気に解決しようという意気込みが全く伝わってきません。さらに、待機児ゼロ達成の年を現行計画より5年も後退させる計画をつくるなど以ての外です。
特養ホーム待機者の問題も同様です。目黒区は、特養ホームを2000年から1つも整備していません。15年間建設ゼロのため整備率は、23区中19位に低下しました。待機者は1000人を超え、その多くが80代90代、要介護度4・5という状況であり、早急な増設が切実な区民要求になっています。特養ホームは、今すぐ着手することが求められているのに、2018年まで開設しない新実施計画になっています。
区は、認可保育園も特養ホームも土地がないからつくれないと言いながら、今すぐにでも使える区有地JR跡地を売却しようとしています。
予算審議の最終日に、日本共産党区議団は、無所属独歩の会と共に、JR跡地売却中止の予算修正を共同提案しました。これに対し、自民・公明・民主・維新などは反対し否決しました。保育園にも特養ホームにも入れない区民生活の緊急事態を目の当たりにしながら、これらの建設用地として絶好のJR跡地を大企業ゼネコンに売り飛ばしてしまう。区民要求より基金と開発を優先するものであり、区民への背信行為であります。

反対理由の第2は、アベノミクスによる格差の拡大や、増税と年金・医療・介護・生活保護など社会保障切り捨てで、暮らしが大へんな時に、追い打ちをかけるように、区民に負担増を押し付けている問題です。

10年以上の連続値上げで高くて払えない国保料を、この4月さらに値上げします。本来なら、高すぎる保険料を引き下げるために、公費の投入を増やすべき時に、目黒区は逆に、公費の投入を減らし、高額療養費への一般会計からの繰り入れを4億円も削ります。これによる1人あたりの保険料値上げの影響が6100円にもなることは重大な問題であります。
安倍政権によって介護保険法が大改悪され、要支援の訪問介護と通所介護を介護給付から外し、8月から、年金・年収280万円以上の高齢者の利用料を、1割から2割に引き上げます。さらに、低所得者に対する特養ホームなどの食事や居住費の軽減措置を縮小します。消費税は増税されたのに、介護サービスは大削減、負担額は大幅増。これでは区民は納得できません。
また、介護保険料についても、目黒区として、一般財源を投入してでも保険料を引き下げる必要があるのに、新年度から介護保険料の基準額を820円も引き上げ、月額5780円に大幅値上げするのは、区民生活への打撃が大きすぎると言わざるを得ません。
国保、介護に関わる負担増が、受診やサービス利用の抑制を招き、取り返しのつかない悲惨な事態さえ生み出しています。国や都に対して、財源をしっかり求めるべき時に、区は、国と一緒になって負担増を区民に押し付けているのであります。
加えて目黒区は、今回改定する新行革計画において、保育園や学童保育などの保育料、住区センターや体育施設などの施設使用料の再値上げの検討を行うとしています。
アベノミクスで格差が拡大し、区民生活が苦しくなっている時に、追い打ちをかけるような負担増を次々と強行することは許されないことであります。

反対理由の第3は、民営化路線が破たんしている問題です。

「民でできるものは民で」と何でも民営化するやり方は、今や、問題が噴き出して、行き詰っています。
目黒区は、新年度、民間の認可保育園3園で180人の定員増を見込んでいましたが、民間から計画通りの応募がない上、保育士も集まらない、などの理由で、82人にとどまり計画の半分にもなりませんでした。民間の保育園頼みでは、深刻な待機児対策に支障をきたしています。だからこそ、区立保育園を中心にして増設すべきなのです。ところが、新年度、中目黒保育園を皮切りに、区立保育園を7園も廃止し民営化するなど断じて許されないことであります。
また、民間の認可保育園で労働基準法違反が起きているにもかかわらず、区は、労働行政は国や都がやることなどと言って、こういう事態を積極的に解決する姿勢を持っていません。サービス残業やパワハラがまかり通っているような現場では、保育の質は保てません。
学童保育は、昨年度は、非常勤職員が20名不足したままスタートしました。新年度も第3次募集までしているのに3名も欠けています。非常勤が集まらない最大の理由は、低賃金だからです。その上、何年やっても正規採用になれない。保育士同様、職員が集まらないときに、学童保育クラブを民間に委託すれば、いっそう職員確保が困難な状況になることは、目に見えています。
図書館では、4月から八雲中央図書館以外のすべての館が業務委託されます。委託拡大にあたって事業者が雇用する職員は、正規、非正規の条件は付けません。緑が丘と区民センターのカウンター業務を請け負っている会社が、4月からの全面委託にあたって出した職員募集の案内によれば、時給930円、即日勤務OK、1年契約更新などが条件です。こうした不安定な非正規職員では、多くの機能を発揮してきた図書館サービスの目黒水準を安定的に継続できないことは明らかです。
障害者福祉では、下目黒福祉工房を直営から民間へ移行しようと計画していますが、いたるセンターが指定管理者になっている目黒本町福祉工房では、職員が定着せず頻繁に変わるため、職員が利用者との信頼関係をつくれず、利用者が福祉工房に行くのを嫌がってやめてしまうというのです。家族からこうした声が寄せられ、指定管理者制度による問題が噴出している状況です。
社会教育館では、正規・非正規職員が削減され、再任用の職員配置でサービス水準の維持に努めていますが、講座は半減されました。新年度から委託拡大するか指定管理に移すか検討されますが、民営化されれば、これまで通り利用者の相談や支援には対応できず、単なる「貸館」になりかねません。
結局、「民でできるものは民でやった方がサービスは向上する」という考え方そのものが行き詰っているのです。経費削減を優先しながらサービス向上を図るのは無理があります。区民の不安が福祉や教育などあらゆる分野に噴き出している民営化路線を直ちに撤回すべきであります。
以上3点にわたって基本的な反対理由を述べましたが、その他にも様々な問題点があります。

まず、滞納対策一元化問題です。

この間、区民税を滞納していた生活保護受給者が、通帳に振り込まれた生活保護費を差し押さえられた問題や、国保料を滞納していたケースでは、生活保護費から国保料の滞納分を支払わせようとした問題が起きています。滞納対策一元化は、区民生活の実態がさらに見えなくなり、こうした不当な徴収に拍車をかけることになりかねません。一元化はやめるべきであります。

その2は、区有施設見直し問題です。

保育園の待機児の波が、学童保育に及ぶことは明らかであり、学童保育クラブの増設は待ったなしです。ところが、区は、区有施設見直し計画の中で検討すると先送りしています。新規施設はつくらず、統廃合を推進する施設見直し方針をたてに、区民の切実な増設要求を阻むことは問題であります。

その3は、防災対策の問題です。

不燃化10年プロジェクトの中心は、東京都が防災の名で住民を追い出す特定整備路線・補助46号線の拡幅事業です。2020年度までのわずか5年間で完成を目指すという計画が、住民に不安を広げ、生活を脅かしています。わが党は、効果が疑問視されている延焼遮断帯を言いわけにした道路拡幅中心の対策をやめ、戸建住宅やマンションなどの耐震化・不燃化を面的に進めていく支援を抜本的に拡充することを提案しています。ところが、目黒区は、耐震診断助成の無料化復活を拒み続けています。また、補完避難所ともなっている区民センターの耐震性が危険な状態のまま放置することは重大な問題です。

最後に、図書館の開館時間の問題です。

23区で経費削減のために開館時間を短縮した区は目黒しかありません。洗足図書館の開館時間の短縮が始まった時に、「開館時間を元に戻せ」という2000を超える署名が、目黒区に出されました。また、昨年6月には区議会にも「緑が丘図書館の開館時間を元に戻す陳情」が出されましたが、自民、公明、民主、みんな、維新の議員が1300名の署名に託された切実な陳情を否決したことは、議会の役割を放棄するものであります。
以上、日本共産党の反対討論を終わります。

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