党の政策
「目黒区財政計画素案および財政白書への意見」を提出しました
日本共産党目黒区議団が提出した目黒区財政計画素案および財政白書への意見を提出しました。内容は次の通りです。
目黒区財政計画素案および財政白書への意見
2014年11月20日 日本共産党目黒区議団
1.「財政健全化アクションプラン」で財源確保が図られ、基金残高を126億円に回復させることができる見込みだとしているが、これは特別区民税が堅調に推移したことと同時に、区民生活に多大な負担を強いた結果である。そもそも、財政危機をあおり続け、「アクションプログラム」を策定した時点の収支見通しと実際の推移との間にかい離がありすぎたことについても、基金残高がバブル期以上に積み上がっている一方で区民に犠牲を押し付けたことにたいする総括と反省は何もない。これでは、区民生活をささえることを第一の仕事としている地方自治体の財政計画および白書としてはきわめて不十分である。記述を補充すべきである。
2.第1章区財政の現状と課題の「貯金(積立基金)と借金返済(公債費)の動き」の部分で、区民一人あたりの積立基金残高と特別区債残高の推移のグラフを示し、「積立基金の残高が他区と比べて少なく、特別区債の残高は多いことがわかります。また、貯金より借金の方が多いのは目黒区を含め3区のみとなっています」などと記述している。しかし、これこそ、区民生活を支えるというもっとも重要な目的がある地方自治体の財政運営の特殊性の中で、基金と起債を一般的な貯金と借金になぞらえて、あたかも目黒区が借金が多く重大な問題点があるかのような描き方をしていることは、著しく公平性に欠けるものである。「めぐろ区報」でも掲載していたが、こうした誤解を与えるような分析はやめるべきである。
3.基金残高の目標について、区は特別区が地方交付税不交付団体であり、景気動向に左右されやすいといったことや、特別区の平均的な水準の考慮、将来に備えるということを根拠にしている。しかし、東京都は「東京一人勝ち」といわれるように、大企業が集中し安定的で豊富な収入源が存在するとともに、都区財政調整交付金制度という調整制度も確立している。特別区全体の基金残高はこうした財政力を背景に多大に膨れ上がり、区の財政調整基金の残高自体がバブル期を超えている。目黒区自体が23区の中で5〜6番目の財政力を有する中で、地方交付税不交付団体であることをもって基金の積み立ての必要性をあおる必要は全くない。
4.したがって、「財政運営の基本と積立基金の維持というルール1について、財政調整基金の残高が最低でも100億円を維持するようにし、そのうえで、目黒区の標準財政規模である約600億円の20%以上、120億円以上の残高をめざすと「レベルアップ」しているが、これでは区民生活よりも基金の積み立てを優先するものであることは明白であり、基金残高の目標は不要であり、このようなルールは撤廃すべきである。
5.ルール2の積立基金の強制積立についても、決算余剰金の2分の1を翌年度の予算までに財調基金に積み立てるとなると、補正予算で強制的に財調基金への積立を行うことになり、財政状況によっては区民生活を支えるための積極的な補正予算を組めなくなってしまう。これも、結局120億円の財調基金積み立てという目標がすべてに優先されることになる。こうしたルールは不必要である。
6.起債の発行について、1年間の発行限度額を20億円までとしているが、限度額を設けることで、財源的な裏付けがある事業についても縛りがかけられてしまうし、思い切った区民施策も打てなくなる。限度額を取り払うこと。
以 上