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9月30日本会議 森美彦議員が行った決算反対討論

2012年度決算反対討論     2013.9.30 森美彦
私は、日本共産党目黒区議団を代表して、議案第46号、平成24年度目黒区一般会計決算の認定に反対の立場から討論を行います。
この年、自民党が政権に復帰しましたが、自民党が推進する原発再稼働、改憲、構造改革路線に基づく消費税増税と社会保障改悪、解雇自由の不安定雇用、TPPなどに反対する世論と運動は広がっています。
決算の年は、こうした構造改革路線に対して、自治体独自の立場から、住民の命と暮らし守る防波堤の役割を果たすかどうかが問われました。ところが青木区長は、区民生活を守ることよりも緊急財政対策に基づく財源確保策を最優先したことは重大であります。
以下、大きく4点にわたって反対理由を述べます。

第1は、緊急財政対策の初年度として62億円削減するなど、区民生活に多大な痛みを押し付けたことです。

 この年は、円高や海外経済の減速などもあり、どこが景気回復か、実感なしと言われました。区民の家計と営業はきびしさを増すばかりの1年でした。子育て世帯は、この年、年少扶養控除の廃止で10億円を超える増税となりました。高齢者の年金所得は年々低下、この年も6月から0.3%引下げられました。勤労者の平均所得は、1997年より年収で70万円も落ち込みました。とりわけ若者の雇用は、5割が非正規でそのほとんどが年収200万円以下です。この年、区内の生活保護人数は20年で最大の年間増加数となるとともに、20代30代の生活保護が増えたのも特徴でした。区内業者の営業所得は、1年間で平均18万円も低下し10年間で一番の落ち込みとなりました。
 こうした中で、緊急財政対策による62億円の削減は、区民サービスを低下させ、区民の家計と営業を直撃しました。900事業のうち600事業にわたるものなので、この場で指摘できるのはほんの一部にすぎませんが、子育て家庭には、保育園や幼稚園の保育料、学童保育利用料の値上げです。
高齢者には、おむつ代への自己負担の導入、配食サービスへの補助削減、介護保険料や国保料の大幅値上げです。さらに、特養ホーム増設の先送りや区立中目黒デイサービス廃止は大きな打撃となりました。
 若者への親身な雇用相談が求められましたが、就労相談を後退させました。
 産業経済費の関係では、地元の建設業などへの仕事確保が求められるなか、計画修繕費10%削減で発注を減らし、融資の利子補給や信用保証料の削減、商店街連合会への団体補助削減など43項目、歳出ベースで14億円、一般財源ベースで2億円にわたる削減を行いました。影響は計り知れません。
 防災まちづくりの分野では、耐震診断助成の有料化など耐震化促進の削減、公園用地・防火水槽の整備延期、地震の学習館の廃止、消防団運営補助の10%カットをはじめ、初期消火対策、応急対策用備蓄物資、情報関連の整備予算などが削減されたことも重大な後退です。
 箱根保養所も廃止になりました。区民の声をまともに聞かずにトップダウンで廃止したことは問題です。
この年、貧困と格差を拡大する政府の構造改革路線に同調して、区民生活に追い打ちをかけたことは重大な問題点でした。

第2は、自治体の変質をすすめたことです。

 この年改定した「行革計画」は、緊急財政対策に沿って区民向け施策を縮小、廃止、延期するとともに、施設の統廃合、職員削減、民営化で、自治体の役割と公的責任を大後退させるものでした。
 その1は、区有施設の見直し問題です。
公の施設とは、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するために設ける施設です。当然、住民の権利と暮らしを守る立場から各施設の設置目的に沿って区が責任をもって管理運営することが求められます。老朽化による更新や大規模改修にあたっても守るべき立場は同様です。
ところが、改定した行革計画は、170を超える区有施設の統廃合や管理運営の民営化を推進するために、施設の運営コスト最優先の施設白書がつくられました。福祉の増進という自治体の立場を投げ捨て、区有施設に対する自治体の公的責任を後退させるものにほかなりません。
その2は、JR跡地売却問題です。
JR跡地8500屬蓮都区32億円ずつ出して共同で購入した区民の貴重な財産です。現在、1000人の待機者が出ている特養ホームや4月に800人以上が入れなかった認可保育園も用地がないために建設できないと区は言い続けてきました。その一方で、財源確保だとしてJR跡地を売却することは断じて許されません。
その3は、施設使用料の値上げ問題です。
区は、住民間の負担の公平を図るため、公の施設の使用料に受益に応じた負担を求めるという受益者負担論に立って、4年ごとに際限ない値上げをすることを決定しました。そもそも、公の施設は、福祉の増進を第1にする自治体として、収入にかかわらず区民が等しく施設を利用できるように区民の負担を最小限に抑えることこそ区の役割です。受益者負担を持ち出すのは、こうした役割を否定し、結局際限のない負担増になり、広範な区民を施設利用から締め出すことになってしまいます。
その4は、職員削減と民営化問題です。
東日本大震災の教訓から、高齢者、子育て、障害者にかかわる福祉職員はじめ、いのちや暮らしを守る公務員の重要な役割が改めて浮き彫りになりました。ところが、この教訓を顧みることもせず、3年間に200人以上の常勤職員の削減と民間活力の活用をめざし、この年は削減予定90人を超える94人、今年は50人を超える69人を削減し、各分野で職員不足の問題が露呈しました。
技術系職員の抑制は、技術の継承を困難にしています。施設の老朽化対策、豪雨対策や震災対策にも今後支障をきたすことが懸念されます。
教育の分野では、社会教育館等の常勤職員12名と非常勤2名を削減した結果、社会教育講座を半分に減らし、社会教育指導員も各館3名から2名にし、常勤職を全館から引き揚げました。しかし、館運営がうまくいかず今年一部の職員を戻さざるをえませんでした。全国的にも質の高い目黒区の社会教育行政に責任を担ってきた現場の正規・非正規の職員を削減すれば、相談体制も失い、現在の社会教育館を単なる「貸館」に変質させることになります。
図書館職員14人が削減されたため、一部の図書館で開館時間も縮小されました。恒常的に職員がいないため、相談機能のレベルも下がりました。
さらに、この年は、区立保育園7園の廃止・民営化や調理業務の委託化、児童館・学童保育クラブの民間委託を打ち出し、不安と怒りの声が広がりました。
その5は、中学校統廃合の問題です。
 現在の中学校は、小規模校の落ち着いた教育環境が定着しています。にもかかわらず、活力ある学習活動のためには、「11学級以上、300人を超える生徒」が望ましい規模だと一方的に決めつけ、中学校統廃合を進めています。これでは競争教育を煽り、現在の目黒区の良好な教育環境を損ないかねません。

第3は、区民生活をないがしろにしている一方で、大型開発などを優先した税金の使い方です。

 その1は、大橋再開発とジャンクション屋上の天空公園の問題です。
 大橋ジャンクション屋上公園の整備は、道路沿道環境対策費として公園整備費相当額10億円を大企業である首都高株式会社が支払いました。しかし、この公園は、首都高株式会社が本来整備するものであり、整備費のみならず維持管理経費の全部を首都高株式会社に負担させるべきであります。
また、大橋図書館を現在地で建て替えれば5億円程度で建て替えができたにもかかわらず、大橋再開発ビル9階の床を23億円も出して購入し、大橋図書館などを移転させました。
こうした、大橋再開発に関わって、天空庭園や大橋図書館の整備費として、新たに22億円もの起債を組む事になり、今後の区民生活を圧迫する要因になりました。
 その2は、木密10年プログラムの問題です。
2020年度までに補助46号線を拡幅するというコア事業に対し住民の不安が広がっています。区民には緊急財政対策と言って区民生活を削る一方で、一体いくらかかるかもわからない首都機能確保の都市計画道路拡幅中心の沿道まちづくりを先行させていることは問題です。震災予防は、面的整備が不可欠であるにもかかわらず、都がこうした道路事業など一部地域を指定した耐震化助成しか持っていないのは問題です。また、本町5丁目の追加申請は撤回すべきであります。
 その3は、20億円一括借換債の問題です。
この借換債の内容の多くが、目黒線立体交差事業など大規模な開発事業の借金です。開発優先の付けがいまだに尾を引いているのです。
こうした、大型開発を優先した税金の使い方をする一方で、区民生活をないがしろにすることは許されません。
 第4は、財政の問題です。
 その1は、史上最高の黒字決算だったことについてです。
 今決算は、43億円余の黒字(実質収支)となり、史上最高を2年連続で更新しました。実質収支比率も7・4%と史上最高を更新し、30年平均の約2倍に迫る異常さです。実質的な赤字要素を控除した額である実質単年度収支は19億円、30年間で5番目のバブル期に匹敵する黒字でした。
その2は、基金についてです。
区長は、財調基金を100億円積むと言っていますが、バブル絶頂期でも80億円ですから異常な溜め込み計画です。基金が少ないのは、過去の大型開発の付けです。開発優先をあらためないまま、きびしい区民生活をさらに切り捨てながら基金をため込むことは許されません。
 その3は、経常収支比率についてです。人件費削減の根拠として経常収支比率が使われています。経常収支比率は、景気変動や国の税制改正によって上がったり下がったりします。この年は増収と福祉削減を反映して88.9%に下がりましたが、バブル期には65.3%まで下がりました。激しく変動する経常収支比率を根拠に、区民生活関連経費や人件費を削減すべきではありません。
 さて、6年前に財政健全化法が施行され、財政の健全性に関する4指標(財政健全化判断比率)を公表することになりました。4つの指標とも初年度から5年間、目黒区財政の健全性は改善の一途です。区長は、「緊急財政」とくり返し強調しますが、区財政はそれほどきびしいとは言えません。苦しいのはむしろ区民生活の方でありす。区の財政は、住民福祉の増進にこそ優先して使うべきです。
 最後に、憲法と地方自治の本旨に基づき、目黒区政を発展させていく決意を表明し討論を終わります。


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