党の政策
めぐろ学校教育プラン(改定素案)についての意見を提出
めぐろ学校教育プラン(改定素案)についての意見
2013年1月22日
日本共産党目黒区議団
1、プラン改定にあたっての姿勢について
プラン改定にあたり、まず最初に、長年続いてきた競争原理や効率優先の「教育改革」の結果、子どもたちが大きな影響を受け「いじめ」問題をはじめ、日本の教育が深刻な劣化に直面していることを認識する必要があります。
テストの点数の物差しで競争させられ、早い段階から「エリート」を効率的に育てようと、世界でも例のない競争的教育が行われています。国連子どもの権利委員会は日本の政府にたいし「過度に競争的な教育制度」が、子どもたちにストレスを与え発達に障害をもたらしていることを厳しく指摘し、改善を求めています。
教員は数々の「改革」に追い立てられ多忙で疲れ、肝心な授業準備の時間や子どもたちと遊んだり触れ合ったりする時間がない状況です。上意下達の学校運営によって、教員が現場の子どもの声を聴きながら進める自由な教育を困難にしています。
また「構造改革」の下で、格差と貧困が広がり「お金がなくて教育をあきらめる」という教育格差が起こっています。
社会経済状況や財政状況を踏まえ一層効率的・効果的な取り組みを推し進めるとしていますが、これでは教育現場で起きている問題を拡大させるものです。
教育は子どもの成長発達のためにあるという憲法や子ども権利条約の精 神を生かし行われなければならず、改定においてもその立場を貫くこと。また教員の声を反映させ、現場の自由裁量を拡大させること。
2、具体的な点についての指摘
①区独自の学力調査の実施について
国と都の学力いっせいテストが行われている中で、さらに区独自の学力調査が行われています。区独自の学力調査は、子どもの置かれている状況や現場で教えている教員とかけ離れた下、すべて民間業者に丸投げで実施されています。個々の児童・生徒の指導に役立つものではなく、いたずらに子どもや学校間を競争に追いやるものです。貴重な授業時間を使い、経費のムダ使いでもある区独自の学力調査は止めること。
②学力向上のための放課後学習・土曜日の補修学習の充実について
現場の教員の声を聴き、各学校の状況に合わせた中で推し進めていくこと。
③キャリア教育の推進について
働く若者の二人に一人が非正規で不安定雇用となっています。低賃金・長時間労働など違法な労働条件の下で働かされ、無権利状態の中で体を壊しうつ病にかかる若者は増えています。労働基準法など働く者の権利や人権を、キャリア教育の中で位置づけ学ぶ機会をつくること。
④就学前施設(幼稚園、保育園等)と小学校との円滑な接続について
認定こども園については、従来の幼稚園機能を確保し、新たな保育については、環境や人員配置を区立保育園と同様にすること。
小1学級支援員については、1年間配置すること。
⑤武道指導の充実について
柔道着の使用については、全学校無料の貸し出しとすること。
⑥各学校の創意を生かした学校づくりの促進について
授業日数確保のために、二期制の導入が行われました。都立高校が二期制になっていない中での導入は、受験生の評定の書類作成に二重の手間がかかること等問題点も出ています。二学制についてはきちんと総括すること。
⑦学校組織の活性化と信頼される教員の育成について
学校長による上意下達の学校運営ではなく、教員みんなが参加し発言できる職員会議を位置づけ民主的運営を行うこと。
研修に追われ、最も大切な子どもと接する時間がなかなか取れないなどの声があがっています。各学校の状況を最優先し、上からの研修を強制しないこと、現場裁量をきちんと保障すること。
職員を分断する「目黒区立学校授業力スペシャリスト表彰」による教員表彰は止めること。
⑧教育相談の充実について
養護教員とスクールカウンセラーの連携を密にした体制をつくること。相談を進めるうえで、子どもや保護者とスクールカウンセラーの信頼関係を築くことは重要です。しかし非正規雇用の週一回のスクールカウンセラー配置では、カウンセラーの交代があり不安定で信頼関係を持ちづらくしています。相談活動を充実させるためには、各学校へのカウンセラーの専任配置を行うこと。
新たに、私立学校へのいじめなどに対応する相談窓口を設けること。
⑨スクールソーシャルワーカーの配置による関係機関との連携の充実について
格差と貧困が教育分野にも大きく影響し、お金がないために教育機会を奪われている子どもが生まれています。ソーシャルワーカーなど配置し、貧困などに対応できる家庭支援のための体制をつくること。
「教育費の負担軽減」の一項目を設け、卒業アルバム代、部活費の補助など、高い教育費の軽減策を盛り込むこと。
就学援助制度の拡充を行うこと。目黒区奨学金制度の拡充を行うこと。給食食材の補助を行い給食費の値上げは行わないこと。
⑩発達障害の児童に対する支援体制の整備について
「特別支援教室モデル授業」を進めるにあたって、質の高い職員体制の確保と環境整備の充実を行うこと。
⑪区立中学校の適正規模の確保と適正配置の推進について
学級数11学級以上、生徒数300人以上さえいれば適正であり、活力ある学習ができるとしていますが、これは世界の流れに反するものです。国連子ども委員会は、日本の大きな学級・学校規模が競争教育の要因の一つと指摘しています。いじめや不登校など今日の子どもの置かれている状況から、一人一人に寄り添ったきめ細かな教育が求められ、現在少人数学級が大きな流れとなり、遅れていた東京でも始まりました。適正規模による学校の統廃合は止め、現行の中学校を維持し、少人数学級を進めることが大切です。東日本の震災の教訓からも、地域の施設・避難拠点となる身近な中学校をなくすべきではありません。
現在、適正規模とあわせ隣接学校希望入学制度(学校選択制)の導入が行われています。学校選択制は、学校に競争原理を導入する目的で導入され、これによってマンモス校と少人数校ができるなど、学校の人数格差を拡大し学校統廃合を推し進めるものとなっています。学校選択制をやめること。適正規模の確保と適正配置の推進を改め、第3中・4中学校の統合、南部・西部の統合計画は行わないこと。
⑫図書館機能の充実と読書活動の推進について
図書館司書は、専門的な知識の下で子どもたちの読書活動を推進させ、図書館機能を拡充させます。そのためには、専任の図書館司書の配置が必要ですが、当面、学校図書館支援員のボランティアを労働条件・賃金が保障された非常勤雇用にすること。
⑬学校評価の活用による教育活動と学校運営の改善の充実について
教育の専門家でもない保護者や、地域のアンケートを評価の基礎とした学校評価は止め、公表は行わないこと。
教育活動や学校の運営については、子ども権利条約の意見表明権にのっとり、子どもの声を尊重し反映させること。また保護者の声も聴くこと。教育施策の変更などについては、住民への丁寧な説明会を開催しパブリックコメント要綱に基づく意見募集を行うこと。
⑭学校施設の活用による放課後事業の活用について
放課後全児童対策としての「ランドセルひろば」を、学童保育クラブの肩代わりにしないこと。「ランドセルひろば」の環境整備と職員の人選や教育をきちんと行うこと。
⑮校舎の改築等の推進について
実施計画改定まちにならず、大岡山小学校など老朽化した学校の改築計画をつくること。
⑯国・都まちにならず、独自に少人数学級推進計画を作成すること。
以上