党の政策
区立保育園7園を廃止する「区立保育園の民営化に関する計画素案」についての意見を区に提出しました。
区立保育園7園を廃止する「区立保育園の民営化に関する計画素案」についての意見
2013年1月11日
日本共産党目黒区議団
この計画素案は、区立保育園7園を廃止し、土地や建物をはじめ運営全てを民間に丸投げするというものです。区の責任と役割を大きく後退させるもので、以下意見を述べます。
1、区立保育園では整備費や運営費が区財政を圧迫するとして、区立保育園を廃止し国や都の補助のある民間事業者に任せてしまうというものですが、子育てや福祉を経費削減の対象にするのは誤りです。厚生労働省の調査では、保護者の74%が公立保育園を望み、保護者の切実な要求からも逆行しています。区立保育園の廃止は、経費削減を口実にした行革計画による職員削減を保育分野で推し進めるものです。国や都に対して、区立保育園への整備費や運営費の補助を行うよう働きかけること。経費削減を理由とした区立保育園廃止の計画は撤回すること。
2、待機児問題が深刻化する中、昨年春には、認可保育園に入所できない子どもは約600人となりました。また認可外を含めどこの保育園にも入所できない子どもは143人にものぼり、認可保育園の増設が喫緊の課題です。区立保育園を廃止し、民間事業者に代わっても定員数が拡大されるものではなく、保育園を増やさなければ解決できません。区が開催した素案説明会で「民営化によって削減した経費を待機児解消にあてる」と答えていますが、区の財政対策の経費削減でこれによる待機児解消の計画も具体化も示されてはいません。待機児解消に向けた認可保育園の増設を行うこと。
3、民間事業者の選定については社会福祉法人としていますが、新たな子ども・子育て(新システム)関連法では、更なる保育予算の削減も予想され社会福祉法人の運営は困難となり、手を挙げる社会福祉法人が出てくるのか懸念されます。その一方で、関連法では営利を目的とした株式会社の参入ができる仕組みとなっており、資本力のある株式会社の参入の可能性も出てきます。企業では営利が優先され、保育士の確保や保育の質、安定的な運営が後方に押しやられ、子どもを置き去りにした事業の撤退もおきてきます。
目黒の保育は、保護者をはじめ区民・保育関係者など力をあわせ、産休明け保育、障がい児保育、保育の質を向上させるための職員増員、保育所の整備など取り組んできました。その中で区立保育園は大きな役割を果たし、地域全体の保育を引き上げてきました。区立保育園の廃止は、責任と役割を投げ捨てるものです。子どもの保育を金儲けの中に投げ込みかねない計画は止めること。
4、素案は、指定管理者制度による公設民営の3保育園を指定期間終了までに検討し、完全民設民営にするとしています。保育の質は保育者に依存し、経験豊かな保育士が確保されている中で担保されます。区は、指定管理者制度の導入の際、公設民営化だからこそ区立保育園の保育の質を継承できると説明していました。しかし公設民営化した保育園では、短期間の中で多数の職員の離職が起こり、子どもへの影響や安定した保育が確保できているのか懸念する声が上がっています。公設民営3保育園の保育内容や職員体制など、きちんと総括を行うこと。
5、素案説明会は、廃止予定の4保育園と区民向けの2回開催されましたが、保護者から情報が伝わらないなど不安な声が上がっています。あらためて、素案について全保育園での説明会を行うこと。
6、短期間の中で、一方的に進められている今後のスケジュールについては延期すること。
以上