日本共産党目黒区議団 > 党の政策 目次 > 党の政策 詳細

党の政策

▶ 一覧に戻る

目黒区施設白書の構成(案)についての意見を1月7日に提出しました。

目黒区施設白書の構成(案)についての意見
2013年1月7日
日本共産党目黒区議団
老朽化がすすむ公共施設の維持管理や更新は待ったなしの課題となっている。東日本大震災で九段会館の天井が崩落し死傷者が出た。12月2日に笹子トンネルで9人死亡の重大事故が起きた。道路公団の「民営化」の際、管理コスト3割削減の義務づけや検査・補修の規定緩和による笹子トンネル天井板改修の先延ばしが原因であった。
目黒区は、あと1年余りで区有施設見直し方針を策定する予定だが、この間わが党が指摘してきたことに区民からも不安や疑問が噴出している。ゞ杁涅眄対策180億円削減で維持補修費がさらに削減されたが施設の安全は大丈夫か。駅周辺で新規の整備事業をすすめているが施設の維持管理や更新の方が優先ではないのか。指定管理になって日常業務の中での管理が行き届かなくなってドアや付帯設備の修理がなおざりになっているが、安上がりの区有施設の「民営化」で安全軽視につながらないかなど、区の財政運営に対する根本的な問題点が浮き彫りになってきた。
安倍政権が誕生し、「国土強靭化」として「10年で200兆円」の公共事業をするとしているが、自治体施設の老朽化対策や防災対策にどれだけの補助金を充てるのか、補修や改修・改築に使える補助金として措置されるのか、疑問は膨らむばかりである。
区有施設を今後どうするかの検討においては、施設の設置目的や事業の内容をていねいに区民に説明し情報を共有化した上で、住民自治に向けた住民参加で行うべきで、安易なコスト比較や稼働率の比較だけでの施設の廃止や統合化を結論付けるやり方には反対する。
以下、施設白書の構成(案)について意見を述べる。
(第1章 施設白書について)
老朽化によって安全は大丈夫かなど防災上の視点や設置目的に照らして十分な事業展開が進められているかなど区民福祉向上の面から検討すること。「経費削減や効率化先にあり」の施設白書にはしないこと。
年間維持管理経費が年間約200億円としている詳細な根拠を示すこと。
(第2章 目黒区の現況の把握)
そもそも、開発優先の財政運営が基金を枯渇させた主因である。にもかかわらず、「緊急財政対策」と称して、区民福祉の経費を180億円削減する計画をトップダウンで進行中であるが、2011年度決算は39億円の黒字、実質単年度収支は15億円の黒字であり、過度な財政危機キャンペーンこそ止めるべきである。
行革計画については、すでに意見を提出しているが、「偽りの財政危機論」を前提とするものであり、施設の見直しも定数削減も財政ルールづくりの考え方も間違っている。
用地活用及び施設整備に関する基本方針については、わが党はこれまで次のような指摘を行ってきた。
都立大跡地の第2期工事エリアには、大型ハコモノであるパーシモンホールの建設を強行し、それによる多額な負債の返済や維持運営管理経費の負担も、新庁舎の負債などと同様、区財政を圧迫している。また、福祉系住宅施設の整備を目的に購入したJR跡地を、18年間放置し累計6000万円もの維持管理経費等をムダにしたことは、用地活用のあり方の根本が問われる重大な反省点であることを明記すること。
施設数の抑制・削減を、今後の施設整備等の基本的方向として掲げることは問題である。福祉、教育など区民生活密着型の施設は、今後の街づくりの重要拠点であり、個々の施設ごとに慎重に判断すべきである。
区民にとって必要な施設整備については、区内の国公有地跡地などの活用を積極的に位置付けること。
行革計画が目指す区政の将来展望について、「急激かつ大幅な歳入減少に見舞われた本区は、他区に先立って財政健全化に向けた改革を迫られました」とある。これは、正確に表現すべきである。20年度に一人で40億円の納税を含む他区よりも大きな税収増があったため翌年には23区で一番歳入減の影響を受けた。結局山が大きく険しかっただけであり、リーマンショック後の経済の影響は23区とも同様である。「急激かつ大幅な歳入減少」だけを表現して急激な増加の方を書かないのは意図的である。
区の財政状況については、各項目に沿って指摘する。
「歳入の推移」の図表で一般財源は22年度から23年度にかけて再び微増し始めたのであり、正確に記述すること。
財政状況の推移については、20〜30年のスパンで分析すること。直近10年とその前の10年では全く財政運営の様相が異なるからである。例えば、投資的経費の推移については、平均で2倍近い差が出る。前述したとおり、目黒区の開発優先の財政運営の問題から教訓を引き出しながら、財政分析を行うこと。
歳出の推移の図表の中で、扶助費が1.7倍化したから投資的経費を圧迫して縮小させているかのような表現は意図的であり正しくないので削除すること。30年スパンのグラフを示せば、投資的経費は独自の動きを示していることがはっきりする。区の政策判断そのものであり、都市計画関連事業や大型開発優先の姿があらわになる。
起債発行額と公債費比率の推移については、特別区交付金による財政調整交付金による財政措置の裏付けのある起債(たとえば大型公園整備など)と財政措置のほとんどない新庁舎や目黒線立体交差化事業やパーシモンホール建設費などを分けて論じること。また、公債費比率についても、財源措置のある借金の返済が進み、23区平均に近づくことを明記すること。
積立基金残高の推移については、30年間のスパンで図表をつくること。2度のバブル景気と恐慌(バブルが弾けた後の大不況)によって積立による増と取り崩しによる減少の2つの山があったということである。投機による異常な景気変動は自治体の財政運営にとって深刻な影響を区民生活に与えることになることも記述すべきである。
経常収支比率の推移については、20年度のバブルのピーク時において一人で40億円の区税を納税する事態が起こり、21年度の落ち込み方は23区最高になったという状況を反映した数字になっただけである。3年にわたり特別区交付金の算定上の影響を受けたが回復している。基本的に、「経常収支比率先にあり」という考え方を訂正する必要がある。福祉を増進する自治体の役割こそ最優先だからである。なお、特定財源を含めた歳入増を総合的に図る必要があり、緊縮財政をとるだけでは経常収支比率の改善にはつながらないばかりか、景気後退にもつながり悪循環になるだけであることを指摘しておきたい。経常収支比率の図表は30年スパンで作り、下がった時の理由も書き込むこと。
職員数の推移については、本区の職員は50代後半が多く退職して若い職員と入れ替わることも含め人件費が将来どうなるかのシミュレーションを行い図表で示すこと。いま、人件費削減のために23区で職員削減競争に陥っている。こうした中で、仕事は増える一方、職員は削減されすでに限界にきて、士気の低下やメンタルヘルスへの深刻な事態が起こっている。職員は少なければ少ないほど好ましいような記述になっていることは改めること。他区と比較して福祉系職員数が多いことを強調している。区は、「福祉の人材は特に大切だ」「福祉水準は維持する」と言いながら福祉系職員の退職不補充によってバッサリ削減する。区立保育園の廃止などにより福祉を担う職員を削ることは、福祉を後退させるということに他ならない。また、震災対策の上からも正規職員の重要性が浮き彫りになったことなど、職員削減によるデメリットも明記すること。
(第3章 保有する資産の現況について)
耐震化の状況については、天井など非構造物の耐震化の状況についても明らかにすること。
保有している区有施設の床面積など目黒区と23区の比較についても図表で示すこと。
25年度から10年間の更新経費試算については、その根拠を詳細に明記すること。また、現行制度のもとでの国や都の補助金、及び起債を含めた財源内訳を明らかにすること。
参考資料;区有施設の将来における更新費用概算については、「あくまでも全体の傾向を見るために、参考数値として作成したもの」としているが、この数値を金科玉条のように使わないようにすること。本区では、計画修繕システムを作って計画修繕を進めてきたことなどにも触れ、なぜ参考資料に過ぎないのかも説明すること。また、区有施設に関わる直近10年間平均39.6億円と将来における更新費用概算を比較して2倍かかるとしているが、直近30年の平均も出して比較すること。
(第4章 区有施設の用途別実態把握)
目黒区における区有施設のあり方検討は、財政的な議論である「緊急財政対策」をまず先にしているが、これでは区有施設のあり方に関する「あるべき姿」が見えてこないまま「経費削減に走る」ことになる。安易なコスト比較や稼働率を重点にした机上での実態把握ではなく、施設の設置目的や事業の内容を区民に説明し情報を共有化した上で、利用者や利用団体の意見を十分に聴いたうえでていねいに記述すべきである。例えば、男女共同参画センターの稼働率は中目黒スクエアの8〜9階にあることにも関連している。また、住区センターの稼働率の低いところが中心から離れた周辺地域に位置していることに関連している。稼働率が低いことを効率性の視点だけから一面的に把握しないこと。
施設の現状把握が財産台帳の範囲を超えていない。施設ごとの耐久性についての精密な実態調査を早急に行うこと。コンクリートブロックを取出し圧縮強度を調査する「構造体耐久性調査」の結果を施設白書に記述すること。
天井など非構造部材の耐震対策は、新年度予算原案で小中13校の体育館非構造部材の落下防止対策予算が組まれたが、これをすべての区有施設を対象に調査し実施すること。
目黒区の場合、全小中学校が第一次避難場所に指定され、避難所の不足を補う上で、早急に校舎を避難所として活用する防災機能の強化が重要課題となっている。各区有施設の設置目的とともに防災機能の視点を実態把握に加えること。
(第5章 区有施設見直しの進め方)
今後の予定については、施設白書の策定過程において住民参加を行うことを約束してきたのであり、施設白書(案)が公表された後、地区ごとのみならず住区ごと町会ごとに直ちに徹底した説明会を行うこと。また、目黒区は、施設の目的に沿った様々な関係団体を含めた意見聴取をすること。有識者会議については、区民団体の要請書さえ受け取らないことがあったが、様々な関係団体の意見聴取を十分行うべきである。
わが党は、区有施設の改築改修計画を前向きな仕事確保の一環としてとらえ、区内業者とともに区民参加で計画を検討することを提案してきた。住民自治の確立に向けた住民参加システムの構築目指す取り組みとしても重要な提案である。
今後の新たな公の施設の見直しにおいては施設の設置目的に照らした行政評価が不可欠だ。その行政評価は、施策への貢献度を評価することや、公開・区民参加による評価を実施する点が重要だ。目黒区においては、「住民自治の確立に向けた住民参加システムの構築」という基本計画に基づき、各施設ごとの説明責任を行政が果たし情報を共有した上での評価及び区民合意を十分行うべきである。
また、区の施設整備方針の根幹である生活圏域整備計画については区民参加で総括すべきである。
あらためて、施設見直し計画については、区民の安全安心の立場から改築改修計画を策定すること。安全性を最優先に施設の強弱の実態にあった合理的な更新計画や長寿命化計画を策定すること。なお、この長寿命化による削減効果は、学校施設の場合、文部科学省によれば、従来型より約2割も経費削減可能としている。
中学校統廃合や区立保育園の廃止・民設民営化など「統廃合や運営の効率化先にありき」の立場を押し付けないこと。
「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)」中間のまとめによれば、国による推進方策の中で、長寿命化の推進に関わる「補助メニュー」が掲げられている。老朽化対策に関わる補助金の拡充については、学校施設に限らず、国や都に対して23区の立場から意見要望を提出すること。
以上

このページの先頭へ ▲