目黒区実施計画改定素案への意見を提出しました。
日本共産党目黒区議団は20日、目黒区に対し実施計画改定素案への意見を提出しました。内容は次の通りです。
目黒区実施計画改定素案への意見
2012年11月20日 日本共産党目黒区議団
実施計画改定素案には、延期になっていた東山小学校の改築をはじめ、災害時用の飲料水や食糧の備蓄を1日分から3日分に増やすことや、防災行政無線の音聴調査費、災害時要援護者用救助用具の整備、避難所の拡充など、充実される計画もあります。しかし、経済悪化の影響を受け続けている厳しい区民の生活実態を直視し、最も力を入れるべき大地震対策、介護、子育て、住宅対策、くらし支援など、全体的に見て不十分であり、区民の切実な要求にこたえるものになっていません。
以下、意見と提案です。
記
1.1000人を超える待機者がいる、特別養護老人ホームの整備に早急に着手するとともに、区立の特養ホームを増設すること。
2.介護保険制度の改悪で、要介護度の低い人の在宅支援サービスが切り捨てられている。介護保険制度に上乗せして使える区独自の在宅ヘルパー派遣制度をつくること。
3.地域包括支援センターを10か所程度に増設する計画を立てること。
4.高齢者福祉住宅について、ケア付き高齢者住宅にシフトするのではなく、引き続き増設すること。
5.失業者や生活困窮者へのくらし・雇用支援の総合的な相談窓口をつくること。
6.区内に住み続けられる環境を整備するため、都営住宅の区移管だけでなく、区営住宅の増設を行うこと。
7.認可保育所の設置を民間任せにするのではなく、区直営保育園の廃止計画をやめ増設すること。
8.子育て世代や地域から廃止反対の意見が多かった、からすもり、ふどう両区立幼稚園の跡地については、どういう子育て施設が求められるのか、住民や子育て世代の意見をよく聞き、区直営の子育て施設とすること。
9.学童保育クラブについては、区立施設として、南部、西部地区など、とりわけ求められている地域の増設にただちに着手すること。
10.区立中学校の統廃合計画はやめ、少人数学級の実現に力をつくすこと。
11.震災予防の観点を強め、木造住宅の耐震診断を全額助成に戻すとともに、耐震改修工事費への助成額を引き上げること。
12.耐震基準を満たしていない個所があるにもかかわらず宙に浮いている、区民センターの耐震改修をただちに行うこと。
13.「木密地域不燃化10年プロジェクト」は、既存の建物における耐震化・不燃化促進への行政の助成を拡充することを中心に計画を立てること。
14.都市計画道路補助46号線について、10年間で強制的に整備する特定整備路線の候補からはずすこと。
15.公園等の整備が延期ないし中止になっているが、区内に緑を増やすためにも防災のためにも公園等の整備を推進すること。
16.太陽光発電の助成制度については、以前と比べてコストが下がっており、拡充の条件が広がっている。助成制度のさらなる充実をはかること。
17.JR跡地の売却はやめ、区民要望の強い福祉施設の建設などをすすめること。
以 上
財政計画素案への意見
1.経常収支比率を引き下げることを優先し、行政として第一の仕事である区民の生活支援を後回しにすることは、地方自治体としての責務を放棄することにつながります。「硬直した財政構造」と決めつけて「財政健全化アクションプログラム」を区民に押し付け、福祉・子育て支援のために日常的にがんばり、災害時に欠かせない区職員の削減をすすめることは区民にとって利益にはなりません。「アクションプログラム」の見直しを求めます。
2.積立基金について、取り崩しの抑制や、決算余剰金の2分の1を翌々年度の予算までに積み立てるというルールをつくろうとしています。しかし、それではかえって区民から区の財政構造がわかりにくくなり、なぜ、決算余剰金の2分の1なのか根拠が希薄です。毎年、60億円の使用可能な基金残高を維持する根拠として、標準財政規模の10%ということを挙げ、将来に備えて100億円を超える基金残高をめざすとしていますが、なぜ、100億円なのか、根拠が希薄です。区民生活を支えるために財源が足りなければ基金を使うのは当然だし、「強制積立」はかえって財政運営上の手足を縛ることになります。基金へのルールづくりはやめること。
3.起債の発行について、1年間の発行限度額を20億までとしていますが、限度額を設けることで、財源的な裏付けがある事業についても縛りがかけられてしまうことになるし、思い切った区民施策も打てなくなります。限度額を取り払うこと。
以 上