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党の政策

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9月28日第3回定例会最終日の本会議で森美彦議員が行った、2011年度決算認定に対する反対討論は以下の通りです。

私は、日本共産党目黒区議団を代表して、議案第64号、平成23年度目黒区一般会計決算の認定に反対の立場から討論を行います。
決算の年は、東日本大震災と原発事故からどのようにして区民のいのちと健康そして財産を守るのか、大震災による景気後退からどのように区民の暮らしを守るのかが問われました。しかし、青木区長は、これらの緊急課題よりも180億円削減の財政対策を優先させました。
以下3点にわたって反対理由を述べます。

その第1は、震災対策と放射線対策を後回しにしたことです

3月11日に起きた未曽有の大震災と大きな余震の続く中で、一刻も早い震災対策の強化が求められていましたが、避難場所にもなる区民センターの耐震化や東山小学校の改築の先送りは重大な問題です。
また、区内の民間木造住宅の耐震化率が60%とまだ低い現状の中で、耐震工事助成を増額すべきだと提案しましたが、区は、3月11日以後申し込みが急増しているから、助成を増額する必要はないと答弁し続けました。120万円への増額をことしになって予算化しましたが、耐震診断助成を有料化したことは問題です。
さらに、防災対策費の削減です。「緊急財政対策」の一環として、全事業のゼロベースからの見直しの大方針のもと、防災対策費から何を削るかという検討が進められました。その結果、消防団運営補助の10%カットをはじめ、初期消火対策、応急対策用備蓄物資、食料品、情報関連の整備予算が削減されました。9月に区が提出した東日本大震災の第1次総括には、首都直下型地震の切迫性を踏まえた備蓄食料の確保や情報収集・伝達手段に関する課題が列挙されている中で、あまりに矛盾した対応と言わざるを得ません。
区は、削減の言い訳に特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化助成の増額があるから防災対策全体の予算は増えていると言いますが、これは、東京都の事業を23区に執行させているもので、これを除けば都市整備費の耐震化促進事業だけで見ても予算は減少しており、とても区独自の姿勢が強化されているとは言えません。
次に、放射線対策の遅れです。子どもの健康被害が広がる中で放射線対策は緊急課題であったにも関わらず、本格的な対応は9か月も遅れました。初動期の遅れを招いた区の責任は重大です。
区内でも自主的な測定による放射線量の高いホットスポットの存在が指摘され、子どもの被ばくは大丈夫かと区民の不安が高まる中、すべての小中学校をはじめとした子どもの施設で本格的な測定が始まったのは、やっと11月になってからでした。初日からびっくりするほどの数値が検出され、直ちに除染作業が行われていきました。その量は大へんなものになりました。日々子どもたちが放射能にさらされていたことを考えれば、もっと速く測定し除染すべきだったのであり、区の対応はあまりにも遅かったと言わざるを得ません。
さて、多くの自治体で早々に震災対策の補正予算を組む中、目黒区は、5月臨時会、6月第2回定例会での対応は見合わせ、9月第3回定例会の補正でさえ、極めて不十分な震災対策しか講じませんでした。東京都地域防災計画見直しとの整合を理由にしていますが、区独自にやるべきことをやらずに対応が遅れることは、区民の生命と財産を最優先にした姿勢とは言えません。
こうした姿勢は、原発そのものに対する区の姿勢にも反映しています。区長は、この年原発ゼロの立場を表明しませんでした。今決算審議でも、再稼働を含め政府の立場を容認する区長の姿勢に多くの区民は失望しているのではないでしょうか。

反対理由の第2は、大型開発には無反省、それが原因の財政危機をふりかざして福祉をバッサリ削る、こんな区政でいいのかという問題です

とりわけ、区立第4特養ホームの建設を中止したことは重大です。この年とうとう1000人を超えた特養ホーム待機者。解消できず増え続ける中での建設中止は、介護保険者として許されないことであります。
さらに、区は、おむつ代への自己負担導入、配食サービスへの補助削減、介護保険料の値上げ、区立デイサービス廃止など、在宅介護に冷水をかけるようなことまで計画化したことは重大です。
また、介護難民や介護職員の低賃金が社会問題になり、目黒区でも、老々介護による介護殺人や孤独死という痛ましい状況が現実となっている中で、区としての在宅支援の拡充を質したところ、介護保険は3年に一度ずつ改善されてきたという区の認識を示しましたが、区内の高齢者の現状を全く把握できていない答弁です。
次に、待機児対策の遅れです。区は、子ども総合計画に2014年度までの待機児ゼロを掲げていますが、増設のピッチを上げる計画の見直しは不可欠です。この年、マンション型認可保育園を増設したものの、これだけでは待機児の増加分さえ吸収しきれないことがわかっていながら、人件費削減を理由に、区立保育園の受け入れ枠を削減しました。経費削減を優先し待機児を前年より増やしたことは重大な区の責任です。
また、多くの保護者の反対を無視して、ひもんや・第3ひもんや保育園の給食を民営化するとともに、経済的に厳しい子育て層に追い打ちをかける保育料や学童保育料の値上げを「行革計画」として打ち出したことも重大です。
2つの分野の事例を上げましたが、180億円削減の区民生活への影響の大きさは語りつくすことはできません。
そもそも、財政危機キャンペーンの中心点は、目黒区の基金が枯渇するからこのままでは赤字になるという点でした。区は、基金枯渇原因の主なものとして、都立大跡地と新庁舎を上げました。それに加え、わが党は、巨額な税金を投入し、住民を追い出す、超高層ビル中心のまちづくりや駅周辺地区の都市計画道路中心の整備を指摘してきました。
ささやかな区民生活を支える経費まで削減する一方、相変わらず大型開発には税金をつぎ込み続けています。
 決算の年、大橋ジャンクション屋上公園と大橋再開発ビル9階の整備は、この問題の焦点です。本来ならば、首都高大橋ジャンクションの屋上公園整備費は、首都高蠅出すべきであるにもかかわらず区が肩代わりした上、エレベーターの設置費と維持費も出すというのは問題だとわが党は指摘してきました。
 また、大橋図書館は、現在のところで改築すれば5億円でできたのであり、移設反対の住民運動を無視して、大橋図書館を再開発ビルの9階に25億円もかけて移転したことは重大な問題です。その上、福祉のために使ってほしいと寄付された大橋図書館の土地を再開発支援の移転費用のために売却します。
 決算総括質疑で区は、こうした開発は、地元の要請に基づいて推進してきたと言いました。この答弁は、経過を知っている地元住民の気持ちを逆なでするものです。なぜか。大橋再開発がいかに住民無視で推進されてきたのか、それを区はいかに支援してきたのかを述べなければなりません。「大橋再開発ビルの高さを160mから半分の80mまで低くしてほしい。双葉の園保育園に日照を確保してほしい」――氷川台町会長、大橋2丁目都営アパート自治会長、双葉の園保育園長の連名で、目黒区から東京都に求めてほしいという住民運動が起きました。この署名は3000名を超えました。さらに、都市計画手続きでも144通という多数の反対意見に対して、賛成はたった1通。それも区が支援してきた地権者団体のみというありさまだったにもかかわらず、都市計画決定を強行した行政の責任は重大です。決算議会での区の答弁をこうした経過をふまえて大型開発に無反省と言っているのであります。
 また、JR跡地問題も同様です。福祉住宅のために購入したJR跡地を、こうした開発優先のムダづかいの財源に充てるとともに、地元住民と多くの区民の猛反対をよそに売却しようとしているのであります。
 こうした開発優先の一方で、180億円の福祉暮らしを削減することは断じて許されないことであります。

反対理由の第3は、この年策定した「行革計画」は自治体の変質を進めるものだからです

 今回の「行革計画」は、2012年度から14年度までの「緊急財政対策」を大前提として取り込み、縮小、廃止、延期などで603事業を切り捨て、行政責任の放棄と民営化による185億円捻出を何が何でもやっていく仕掛けになっています。削減しようとしている経常経費の多くは福祉・子育て・教育に関わるものです。
 また、行革計画の重点取り組み項目である3つのプロジェクトは、2015年度以降をも視野に入れた膨大な人件費と施設維持費の削減計画です。
 その1、施設の抜本的な見直しについては、個々の施設の設置目的をさらに前進させるのではなく、区有施設の廃止や統廃合、民営化先にありきという方向になっていることは明らかであります。区民とともに長年築きあげてきた財産がほとんどであり、短期間の検討でこれを一気に崩すことは許されないことです。
 その2、職員定数削減と民営化推進については、東日本大震災の教訓から、高齢者、子育て、障害者にかかわる福祉職員はじめ、いのちや暮らしを守る公務員の重要な役割が改めて浮き彫りになったにもかかわらず、3年間に福祉系中心に200人削減する計画です。
 既存の公設公営児童館・学童保育クラブの民営化に手を付けるのは青木区長が初めてです。目黒区の児童館・学童保育クラブは、すぐれた運営指針を持ち、公設公営が果たすべき役割、子どもの成長発達と親の子育てを支援し、子育てにおける地域コミュニティづくりを大切にした実践は、地域の人たちの信頼を得ています。保育園においては、譲渡を含めた民営化が打ち出されていますが、財政的な都合だけで福祉系専門職員を削減することは区民にとって大きな損失であります。
 また、教育の分野では、社会教育館の正規職員を8名削減し、社会教育講座を半分に減らし、社会教育指導員は3年後には、社教館の現場から全員いなくします。全国的にも質の高い目黒区の社会教育行政に責任を担ってきた現場の正規・非正規の職員をゼロにしてしまえば、相談体制も失い、現在の社会教育館を単なる「貸館」に変質させることになります。
 図書館職員の削減と開館時間の縮小にも大変な苦情がでました。図書館は本の貸出しだけではなく、蔵書を充実させ、相談にも的確に対処する役割があります。職員削減を優先する区政運営は、区民サービスの低下のみならず、区民の権利を侵害するものであり、財政危機を振りかざしてにドンドンすすめるやり方は間違っています。
さて、2011年度決算は、史上最高の39億円の実質収支でした。区は、「黒字」になったのは、赤字対策のために多額の積立基金を繰り入れたからだと強調します。しかし、実質的な赤字要素を控除した額である実質単年度収支は15億円、この10年間では2番目の黒字です。さらに、財政健全化判断指標も「健全である」とされています。このことから財政状況は、「目黒ショック」とはほど遠く、意図的な財政危機キャンペーンこそ止めるべきです。
 最後に、日本共産党区議団は、目黒区政を福祉と防災を第1にし、憲法と住民の声を生かす自治体に転換するとともに、区民とともに暮らしと命を守る要求実現に全力を尽くす決意を表明して、私の討論を終わります。

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