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党の政策

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第1回定例会初日の2月27日、森美彦幹事長が行った代表質問です。

 私は、日本共産党目黒区議団を代表して、区長の所信表明に対し代表質問をいたします。
 東日本大震災と原発事故から1年、日本の政治と自治体のあり方がこのままでよいのか、きびしく問われています。
 区長は、先ほどの所信表明の中で、3期目の出馬を正式に表明しました。いま進めている185億円もの暮らしの削減計画は、口では「区民福祉の向上」のためと言いますが、区民の暮らしをズタズタにしている実態が、青木区長には見えなくなっているのではないでしょうか。
 そこで、まず、あなたの目からみると、いまの国の政治がどのように見えているのか、率直にお聞きしたいと思います。

「社会保障と税の一体改革」についてです。

 東日本大震災と世界的な経済危機の下で、若者をはじめとした雇用も経済も悪化し、将来への不安が広がっています。
 民主党政権は、「社会保障充実」のためには消費税の引き上げが不可欠だと言ってきました。しかし、実態は「社会保障と税の一体改悪」というべきものです。消費税5%増税分のうち「社会保障の充実」には1%しか使われません。しかも充実の目玉は、保育への公的責任放棄の大改悪である「子ども・子育て新システム」です。一方、八ツ場ダムや外環道などムダ遣いを復活させ、生存権を奪う年金の削減、子ども手当の減額、医療費窓口負担の引き上げ、介護利用料の引き上げなど「社会保障の充実」をはるかに上回る大幅切捨てメニューばかりです。
 その上、所得や消費が落ち込んでいるもとでの大増税は、景気を壊す大失政になり、税収も大幅減となります。消費税が10%に増税されたら、GDPが2.5%低下し、雇用は115万人減少し、国・地方合わせて税収は2兆円以上減少する、と労働運動総合研究所は試算を出しています。
 そもそも消費税は、社会保障の財源として最もふさわしくない、所得の低い人に重い負担をかける最悪の大衆課税です。政府は、少子高齢化による社会保障費の増加を増税の理由にしていますが、増税したらますます子育てしにくくなり少子高齢化が進みます。また、何より復旧・復興をしようとしている被災地の人たちにもかかり、復興の妨げになるものであります。
 これに対し被災地の宮城県では、生協・百貨店協会・主婦連・県労連など90の加盟団体の従業員まで加えれば、県内人口の半分近い100万人が「消費税率引き上げを止めさせるネットワーク宮城」に結集し、増税反対の一点で共同するなど、幅広い反対の世論と運動も広がりつつあります。
 こうした中、新聞などの世論調査でも、政府の消費税増税案には「反対」というのが5、6割にのぼっています。3月末までの法案提出を目指しているにもかかわらず、政府案に対する理解が広がるどころか不安が後を絶ちません。国民の不安解消には、消費税をしゃにむに押し付けるのではなく、消費税増税に頼らない案を検討すべきです。
 昨年、私の質問に区長は、消費税増税の「具体的内容、時期など示されていない段階で、その影響について述べることはできない」と答弁しました。消費税増税の内容と時期が、「2014年4月に8%、2015年10月に10%」と示されました。

質問その1は、消費税増税が区民生活・地域経済・区財政を悪化させる問題についてです。

 貧困と格差を拡大してきた「構造改革」路線によって、この10年に大企業には90兆円もの資金がたまり、労働者の賃金は50万円も下がりました。今度の消費税増税は、「年収400万円の世帯」では11万円の負担増になります。目黒区では、2000万円以上の所得層が急速に所得を伸ばしている一方で、課税標準200万円以下の所得層は49%を超えました。働く貧困層も区内で2万人を超えていると推定されます。
このような厳しい区民生活の実態だからこそ、「消費税が増税されても、年金や医療、介護、子育てなど社会保障はよくならないのではないか」という不安が、民主党政権への信頼の失墜と相まって広がっているのです。高齢者からは、「年金が減らされ、医療も介護も負担増。その上、消費税が増税では、どうやって生活していったらよいのか」と切実な声が聞かれます。消費税は、所得の低い子育て世代に重く圧しかかります。「子育てや教育にお金がかかりすぎるからもう一人産みたくても産めない。消費税が上がったら家計が持たない」という声が広がっています。
 区内業者からは、「赤字経営でも消費税分だといって値段を上げられない」「区内経済を冷え込ませ、業者を廃業に追い込む」など悲痛な声が出されています。地域経済が落ち込めば区民の所得が減少し、区税収入は大きく減ります。区の契約などに関わる消費税も倍に増えます。区民生活や地域経済や区財政をさらに悪化させると思わないのですか。答弁を求めます。

さて、そこで質問その2、ズバリお尋ねします。青木区長は、消費税増税に賛成か反対か、はっきりお答えください。

第2は、いのちと暮らしを守る自治体の役割についてです。

その1は、185億円削減して区民のいのちと暮らしが守れるのかという問題についてです。

 いのちを守り暮らしをよりよくすることは自治体の第1の役割です。しかも、東日本大震災や世界的な経済の悪化の中で、震災対策や暮らし支援に対する自治体の役割はますます重大化しています。
 先日立川市内のマンションで死後2か月の母親と知的障害のある息子とみられる遺体が見つかった記事に衝撃が広がりました。また、さいたま市では、親子3人が餓死とみられる状態で2か月後に発見されました。悲惨な「孤立死」が後を絶たない地域社会の現実に胸が痛みます。目黒区でも、孤独死や経済的な理由による自殺が毎年数十件に上っているのですから、他人事ではありません。こうした相談する人もいない希薄な地域社会の現状では、いざ大震災という時に、避難する上で支援を必要としている人たちを救うことなどできるはずはありません。
 餓死とみられる親子3人は、保険証を持っていなかったようです。国民皆保険制度が崩壊しつつあるのではないでしょうか。国庫補助金の削減によって国保料が毎年のように値上げされ、貧困の拡大などによって増加せざるを得ない国保会計への一般会計からの繰り入れさえ政府はいま抑制しようとしています。お金がなくて医者にかかるのが遅れて死亡するケースは、全日本民医連の調査だけでも昨年1年間だけで67人にも上っています。そのうち37%は、保険料や窓口負担など経済的理由で受診が遅れて死亡する事例でした。こうした実態がありながら、区長は、今年も来年も再来年も皆保険制度が完全に崩壊するまで国保料を値上げし続けるのでしょうか。
 世界に恥ずかしい医療差別と高い保険料を持ち込んだ後期高齢者医療制度は、すぐ廃止されず、4月から年平均8731円(10.3%)も保険料が大幅値上げされます。溜息とともに滞納も増えていきます。全都62区市町村のうち8割の自治体は後期医療の差押をやっていない中で、目黒区の差押は突出しています。区長は、新年度から滞納対策強化の人員を増員しますが、このまま差押全国トップを走り続けるのでしょうか。
 介護はどうなっているでしょうか。介護認定をうけている区民は8800人いますが、このうちホームヘルプなどの居宅サービスの利用率は51%にとどまっています。制限を加えて利用しづらくするとともに、経済的な理由から必要な介護を受けることができない人を生みだしているからです。今度の改定で介護保険料が大幅に引き上げられます。また、介護保険の度重なる改悪によって、家族介護の負担が増え、老々介護などが深刻な問題となっています。そのため、特別養護老人ホームヘの入所を待っている高齢者は増え続け、いま1000人を超える状況になっています。区長は、昨年私の代表質問に対し、区立第4特養ホームの建設を延期する対応として在宅介護の支援を強化すると言いました。しかし、いまやっていることは、介護のおむつ代に自己負担を導入し、配食サービスへの補助を削減するなど、在宅介護をさらに困難にすることではありませんか。
 少子化対策といいますがどうなっているでしょうか。子育て世代では、保育園の待機児問題が深刻です。昨年4月認可保育園に入れなかったお子さんは607人に上りました。ところが、今年は、区立保育園における弾力化による定員増を止めてしまったため、昨年より待機児が増えそうです。区長は、185億円の一環として人件費を減らすために弾力化をやめたのではありませんか。
 さて、新年度の予算編成は、東日本大震災後、初めての本格予算です。区長は、所信表明で、「区政の目的は区民福祉の向上」であり「暮らしを支える」ことは区長の使命であると述べました。
 ところがどうでしょうか。青木区長は、暮らしや防災の予算を185億円も切り捨てようとしています。一般財源ベースで185億円、歳出ベースでは200億円をはるかに超え、区政史上最大の削減です。しかも、東日本大震災の教訓を生かし、福祉と震災に強いまちづくりを成し遂げなければならないその時にです。このような大変な時期に、「財政健全化」の名のもとに、区民生活に追い打ちをかけるような「大行革」をやることが、本当に区民のいのちや暮らしを守る責任を果たすことだと考えているのか、答弁を求めます。

その2は、公有地売却についてです。

まず、公有地活用のあり方について

 自治体における公有地活用の大原則は、本来の役割である住民のいのちを守り暮らしをよくする目的のために公有地を使うというのが本来の活用のあり方です。とりわけ、東日本大震災の教訓から言っても、震災予防と復興対策上も公有地の重要性が浮かび上がっています。
 いま目黒区が保有している公有地は、区民の福祉や防災の切実な要求に基づいて活用すべきです。1000人もの待機者を解消する特養ホーム、待機児ゼロを早急に実現するための保育園、全都で最も少ない公営住宅の建設など切実な区民要求を実現するために利用すべきです。また、首都直下型地震で、23区のうち11区の避難所の収容量が不足していることがわかりました。しかも目黒区は、収容不足の人数が23区で5番目に多いことが読売新聞で報道されました。こうした避難所確保や復興の観点からも、公有地は売却してはなりません。
 ところが、区は、JR跡地や未利用地をはじめ、現在利用している4つの老人いこいの家を含め、貴重な公有地を次々売却しようとしています。目黒区の公有地を「次々売ってどうなるのか」という批判の声が上がっているのも当然です。
 区長は、売れそうな土地なら何でも売って金に換えようとしています。しかし、こうした、公有地の売却は、自治体における公有地の活用のあり方を逸脱しているのではないですか。お答えください。

次に、JR跡地の売却問題です。

 この土地は、16年前に都区で64億円出して、国鉄清算事業団から安く購入した土地であり、8500屬砲眈紊覿萋盧蚤腓量ね用地です。福祉や防災に活用するという当然の使い方を歪めたまま2期8年間も放置してきた挙句、売却してしまえという青木区長の姿勢は重大問題です。
 地域住民のみなさんから、売却を止めよという声が広がり、現在、売却しないことを求める署名運動が力強く広がっているところです。区長は、こうした全区民的な声を受け止め、JR跡地を大企業に売却することを止め、歴史的文化的な価値をふまえ、みどりと防災スペースや区民施設にするよう都区協議を進める考えはないか。答弁を求めます。

その3は、職員定数の削減問題についてです。

 青木区長は、2期8年で404人の常勤職員を削減し、今後3年間にさらに200人を削減する「新行革計画」を打ち出しました。
 東日本大震災の被災地では、ボランティアや民間の方たちの多くの支援がありました。同時に、自治体の職員は、被災した家族を抱えながら、泊まり込みでいのちを守る活動を続けました。こうした活動によって、いのちを守りくらしや福祉を向上させる公務員の重要な役割が改めて浮き彫りになりました。
 区長はこれまで「福祉の人材は特に大切だ」「福祉水準は維持する」と言ってきました。しかし、福祉を担う正規職員をバッサリ削るということは、福祉を後退させるということに他なりません。
 青木区長は、民営化によって1つの児童館2つの学童保育に相当する10人の専門職員を削減しようとしています。既存の公設公営児童館・学童保育クラブの民営化に手を付けるのは青木区長が初めてです。目黒区の児童館・学童保育クラブは、極めてすぐれた内容の運営指針を持ち、「目黒子ども(権利)条例」に実を結んでいます。単なる子育てサービス事業ではなく、児童館・学童保育における公的責任を明確にして、公設公営が果たすべき役割を明記しています。子どもの成長発達を支援し、親の子育てを支援し、子育てにおける地域の大切さ・コミュニティづくりの意義を明記しています。こうした運営指針に基づく実践こそが、利用者だけでなく地域の人たちの信頼を得ているのです。このような公設公営の専門職員を削減することは、目黒区民にとって大きな損失になるでしょう。
 保育園においては、譲渡を含めた民営化が打ち出されていますが、財政的な都合だけで事を運ぼうとすると大きな禍根を残すことになります。
 また、教育の分野では、社会教育館の正規職員を8名削減し、社会教育講座を半分に減らします。社会教育指導員は3年後には、社教館の現場から全員いなくなります。ある社会教育に関わってきた方は、「社会教育活動を通じて学び身に着けてきたことを、目黒区民として、子ども会活動や民生委員の活動などに参加して地域に還元することによって、自治意識が大いに高められた。社会教育施設は人を育てるところで、私は職員とともに育ってきた」と言っています。こうした質の高い目黒区の社会教育行政に責任を担ってきた現場の正規・非正規の職員をゼロにしてしまえば、相談体制も失い、現在の社会教育館を単なる「貸館」に変質させることになります。
 東日本大震災の教訓からますます自治体の役割の発揮が求められているときに、区長は、貴重な自治体の職員をばっさり切り捨てて、震災対策や福祉・子育てに責任が負えると考えているのか。お答えください。

その4は、大型再開発のムダづかいについてです。

 中目黒駅周辺(東横線北側7.2ha)では整備方針づくり、目黒駅周辺(半径500m)では整備構想づくりなど、大規模なまちづくりの計画が進んでいます。また、西小山駅周辺(7.4ha)では、まちづくり協議会が、まちづくり構想案を提出する準備をすすめています。
 西小山駅周辺の動きに関わり、東京都が掲げた「不燃化10年プロジェクト」では、木造密集地域内の補助46号線など都施行の都市計画道路を10年で完成させるもので、新聞報道のように、住民の追い出しを促進するなら、とうてい住民は納得しません。住み続けられること、住民合意こそ原則にすべきです。
 こうした中で、目黒区は、震災予防で重要な木造住宅密集地域整備事業の予算を「緊急財政対策」によって「縮小」し、新年度は、1463万円の削減が予算案に盛り込まれました。その内容は、公園用地・防火水槽整備の先送りや建替助成・推進業務委託の見直しによる経費の削減など重要なものばかりです。区長は、震災予防で重要なこうした予算を削減して、本当に危険地域の安全化が進むと考えているのでしょうか。
 さて、中目黒駅前再開発についてですが、上目黒1丁目再開発は、区は、100%住民合意を目指すと約束してきたにもかかわらず、実際には、3分の2という全国に恥ずかしい前例として住民追い出しが強行されました。上目黒2丁目再開発は、店舗のほとんどが生き残れませんでした。このような住民追い出しの中目黒駅前再開発に186億円もの税金が投入されましたが、上1上2再開発を合わせた面積規模は2.6haです。いま、動き出している3つの駅周辺開発の規模は途方もなく巨大なものです。
 大型再開発は、後年度に巨額な税金投入をもたらし、結局、暮らし福祉の予算を削減することになります。こうした大型再開発の「火種」になりかねない計画づくりはすすめるべきではないと考えますが、お答えください。

第3は、震災対策における優先課題についてです。

 大震災による犠牲者を最小限に食い止めることが自治体の緊急重要課題となっている中、23区のうち15区以上で、防災対策の予算を昨年よりも増額しましたが、目黒区は、逆に昨年より防災対策費を大幅に削減しようとしています。

そこで、その1の質問は、区独自にすべき区民のいのちを守る優先課題についてです。

 国や都は、これまでの首都直下型地震対策の対象である東京湾北部などを震源とするマグニチュード7クラスの地震についても、最新の研究成果からこれまでより震度の想定が大きくなる可能性をふまえ、被害想定や防災計画の見直しを進めています。
 こうした中で、区としては、国や都の計画待ちにせず、目黒区の諸条件に即した対応を独自に具体策として打ち出すことが求められています。すでに、目黒区は、東日本大震災の教訓として目黒区の課題を整理したとしています。こうした整理の中で、区独自にすべき区民のいのちを守る優先課題を何と考えているか、お答えください。

その2は、目黒区地域防災計画の見直し問題などについてです。

 危険度の大きな木造密集地域の整備にあたっては、「倒れない、燃えない」街づくりを中心に据えること。事業推進にあたっては、住み続けられること、住民の合意を大原則にし、行政や民間ディベロッパーなどによる上からの一方的な方針の押しつけ住民追い出しは行わないことが大切です。目黒川流域など急斜面地などでは、がけ崩れはないか、擁壁は大丈夫か、水の溢れ出す場所はないか。その他ありとあらゆる危険を想定して、地域の現状に合った被害想定と具体策を打つことが求められていると考えますがどうか、お尋ねします。
 また、目黒区地域防災計画の見直しにおいては、「自助」「共助」を強調し「公助」を後退させるのではなく、大震災による被害を最小限にする予防重視の立場で、民間住宅の耐震化など地震に強い街づくりを推進するとともに、専門家の意見を入れて避難計画を見直すこと、要援護者支援計画を抜本的に見直すことが重要です。具体的にどのように進める考えか。お尋ねします。

その3は、耐震助成への自己負担導入問題についてです。

 目黒区耐震改修促進計画によれば、区内の木造戸建て住宅の耐震化率は6割と極めて低い現状にとどまっています。4割の木造戸建住宅のうち、倒壊危険度が大きいのはどの家か、どの地域に偏っているか、などを行政として把握することが不可欠です。耐震診断を全区的に一気に終わらせることは、緊急課題となっています。そのために、簡易診断を区の職員が総出でやるぐらいの姿勢を示すことが区長に求められているのではないでしょうか。
 大地震による生命の危険が迫っている下で、今まで無料としていた耐震診断助成制度に2分の1の自己負担を導入することは、耐震化の入り口で区民に負担を課すものであり、倒壊や火災から生命を守る耐震化の取り組みを後退させることにつながることは明らかです。無料に戻すべきではないか、答弁を求め、代表質問を終わります。

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