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「行革計画」(素案)に対する意見を提出しました

目黒区行革計画(素案)に対する意見   
2011.12.15日本共産党目黒区議団
はじめに――区民の暮らしと福祉を守りぬく自治体の原点に立ち返り「行革」計画は撤回すべきである
今度の目黒区「行革」計画(素案)を進めれば、子育て、教育、暮らし、福祉など区民生活への影響は甚大である。歴代区長のやったこともない区政史上最大の規模であること、区民にとって削減「スクラップ」ばかりで新施策「ビルド」がないことを見ても露骨になっている。
区民に犠牲を強いる「行革」で自治体を変質させることは許されない。区民の暮らしと福祉を守り抜く自治体の原点に立ち返り、「財政危機論」に基づく「行革」計画(素案)は撤回すべきである。

1.「構造改革路線」への追随・開発財源捻出のための「行革」の連続

 これまでの区政は、青木区長が容認してきたとおり「構造改革路線」追随の行財政運営が推進されてきた。
 そして、いま民主党政権は「構造改革路線」に戻りその色合いを増している。政府がすすめている「復興財源対策」や「社会保障と税の一体改革」は、新しい財源をだれにどう求めるか、という本質的なところにおいて逆さまである。
 復興財源を名目に庶民に8・1兆円もの大増税を押し付ける。所得税を2013年から25年間、2・1%上乗せ。個人住民税も14年から10年間、年1000円増額する。庶民増税の一方で、大企業には法人税率を恒久的に5%引き下げて25年間に20兆円もの大減税を行うものである。
 「社会保障と税の一体改革」は、社会保障の改悪をやりながら、消費税の税率を2倍にするという過去に例のない最悪のものである。これでは、福祉や社会保障、暮らしはよくなっていかないし、財政再建のお金もできない。
 大企業や大資産家の減税を元に戻し、もうけに応じて払ってもらうとともに、大企業の260兆円の内部留保を活用し、年間7兆〜12兆円の福祉・暮らしの財源を確保することによって、暮らしの安心と社会保障を実現すべきである。
 区長は、政府の「構造改革路線」への追随をやめ、大企業大資産家優遇を止め、国民の医療・福祉を守るよう国に強く発言すべきである。こうした当たり前の発言もできないのでは区民の暮らしは守れない。
 これまでの「行革」が開発財源を捻出するために取り組まれてきた点も重大な問題である。
 区は、開発優先の実施計画を策定してきたが、その7割を再開発など都市計画関連事業が占めていたこともあった。バブル時代の計画を見直さなかったため、大型公共事業が2000年度には4つも重なっていた。こうした財源不足を前提とした実施計画を推進しながら、さらに、計画にもない新庁舎移転を当時の区長トップダウンで推進した。
 このころの経常収支比率も90%前後であり、年間に自由に使える予算が100億円程度しかないのに、100億円をそっくり大型ハコモノ建設や再開発等都市計画関連に使っていた。このままゼネコン型公共事業を続ければ、区財政は破綻するのが目に見えていた。こうした開発のツケを、福祉切り捨ての「行革」で区民に押し付けてきた。
 区は、10年スパンの中期財政計画も持たず、将来の財政問題も検討しない無責任な財政運営を続けてきた。わが党は、待機児解消に向けた保育園の整備、学校の大規模改築・改修など、開発を優先してこれらの課題に取組めるのかと警告してきた。

2.財政運営のあり方について

 地方自治体の行財政運営の基本は、「量出制入」である。区民の暮らしと生業を守る支援策にどれだけの財源がいるのかを量ることが先決であり、その財源をどうするか(歳入を制する)は、行政が(区民とともに)区民の立場で知恵を出さなければならない。
 現在の目黒区の区民施策は、暮らし、子育て、障害者福祉、社会教育、男女共同参画など各分野にわたる区民の長年の運動に寄り添って区が作り上げてきた質の高いサービスである。これらを守ることが行政の役割であり23区平均またはそれ以下に切捨てることは絶対に許されない。
 ましてや、リーマンショックと東日本大震災の影響による危機的な状況から、区民の暮らしや生業の支援にどれだけの財源を充てる必要があるのかという視点で、財政需要を量るべきである。
 ところが、目黒区は、「財政危機」を強調し、区立第4特養ホームの建設や東山小学校の改築など福祉や防災上からも緊急な課題を延期するなどの緊急財政対策を打ち出し、切実な区民要望に背を向けた。いま、区政に求められているのは福祉と災害に強い目黒をつくることである。
 行財政運営のあり方を区民のいのちと暮らし福祉を守ることを第1にする自治体の原点に立ち返ることを強く求める。

3.今回の行革計画の目的は、緊急財政対策を取り込んだ開発財源づくりである

 今回の「行革」計画(素案)は、緊急財政対策を不可侵の大前提として取り込み、削減縮小、廃止、休止、延期で603事業に及ぶ区民サービス切り捨て、行政責任の放棄と民営化・市場化による185億円捻出を何が何でもやっていく仕掛けになっている。
 区は、行財政改革の目的について、「区民の福祉を向上させることにある」と強弁しているが、削減しようとしている経常経費の多くは福祉・子育て・教育に関わるものであり、 「福祉を大削減するものである」ことは明らかだ。
 一方で、中目黒、目黒、西小山駅周辺開発は動き出している。
 中目黒駅周辺(東横線北側7.2ha)では、3月に策定された整備構想に基づき、年度内めざし整備方針づくり、目黒駅周辺(半径500m)では、整備構想づくりが進んでいる。また、西小山駅周辺(原町1丁目7.4ha)でも、まちづくり協議会から、大型再開発の案もだされ、検討が進められている。巨額な税金を投入し、地域住民を追い出す、超高層ビル中心のまちづくりはすべきではない。
 大橋ジャンクション・大橋再開発では、首都高蠅出すべき屋上公園の整備費13億円を区が肩代わりしている。おまけに、屋上へのエレベーターの設置費と維持費も区が出す。また、再開発の支援のために、経費25億円もかけて、移設の必要もない大橋図書館などを超高層ビルの9階に移し、跡地を売却しようとしている。こうした大企業への大盤振る舞いはすべきではない。
 こうした開発の財源を捻出する新たな「行革」計画は撤回すべきである。

4.行革計画の重点取り組み項目・3つのプロジェクトは人件費と施設維持費の削減計画である

 区は、区有施設の抜本的な見直しを進め、施設の統廃合を判断するということを打ち出した。ねらいは、人件費と施設維持経費の削減である。
 東日本大震災で、正規の公務員は、家族を失いながらも被災地で頑張っている。目黒区も気仙沼市に延べ350人の職員派遣を行ってきたが、復旧・復興支援で公務員が先頭に立っている教訓から見ても、また、暮らしと福祉を守る自治体の役割からみても、いま必要な職員数を充実すべきだ。
 ところが、今回の「行革」計画の重点取り組みの3項目には、福祉と防災のまちづくりを進める視点は全くない。
 プロジェクト1として、区有施設の抜本的な見直しを進めるとしている。
100を超す区有施設の改築改修には、10年間に438億円の財源が必要だと区は試算している。見直しにあたっては、 崚廃合先にありき」という区民施設の見直しはしないこと。国や都の補助金や特別区債発行など財源内訳を含めた財政計画を合わせて策定すること。J〇磴繁漂劼琉銘屬鼎韻魎咾こと。だ験莊域整備の必要性の検証にあたっては、住民自治の確立に向けた住民参加を徹底すること。ザ萋發涼羮業者の意見を聴き、雇用の創出や地域循環型経済など実体経済の活性化を位置づけること。以上5点を追加すること。
 プロジェクト2として、職員定数の削減目標を打ち出した。
区は、人件費が高いと言うが、職員数は23区平均とくらべても多くはないし、本区の職員は50代後半が多く退職して若い職員と入れ替われば自然に人件費は低くなる。それでも区は、今回の「行革」計画(素案)で、新たに40人の削減を追加し、3年間で200人以上の削減計画を打ち出した(24年度90人、25年度50人、26年度60人)。しかし、この人員削減により、区民生活にどのような影響が出るのか検討は行われていない。例えば、図書館は14人削減されたらとても現在の水準を維持できなくなる。財源確保のための安易な職員削減はやめるべきである。
 さらに、福祉系及び技能系職員の退職不補充を打ち出している。区は、「福祉の人材は特に大切だ」「福祉水準は維持する」と言いながらバッサリ削減する。福祉系職員の退職不補充によって、福祉を担う職員を派遣や非正規にし、福祉を後退させるということに他ならない。わが党は、地域包括支援センターの数を倍化し少なくとも一か所は直営にすること。公設公営の認可保育所を増設すること。学童保育や障害者福祉施設の拡充、保育園給食の民営化を止めることなど区民要求を実現する職員数を確保することを求める。福祉系職員等の退職不補充はやめ、必要な新規採用を行うこと。
 プロジェクト3として、財政運営上のルール化をあげている。
 景気変動に左右されやすい財政構造になっているため、将来の景気変動等に備えて積立基金残高の一定水準を確保するという。とりわけ、財政調整基金を標準財政規模の8%以上にすることを目黒区独自の財政ルールにしようとしている。貴重な財源を、貯金に回すのを優先することはやめ、福祉を最優先させること。
 また、経常収支比率を95%以下にするという。とりわけ、人件費の削減を中心に経常費を下げようとしている。しかし、経常費の多くは、高齢者福祉、障がい者福祉、保育園、児童館・学童保育、図書館、社会教育館など、地域の特性や住民ニーズに積極的に対応するためものだ。税収が落ち込んだ時には、さらにこうした暮らし福祉を削減し、追い打ちをかけるものとなる。よって、経常収支比率を95%以下にする区独自ルールづくりは撤回すること。
 区は、起債発行にあたって、起債制限を行い適正な起債のあり方をルール化するという。起債の発行は、時々の経済状況や区民の需要に応じていく上で必要なものである。特養ホーム建設などに必要な財源を起債で一部対応することは、世代間公平を図る上からも必要である。こうした状況も無視して、あらかじめ一定の枠に押し込めるような起債制限はしないこと。

5.施設など統廃合の問題につい

(1)男女平等・共同参画センターについては、ますます必要になっている社会経済状況及び全国的にリードしてきた実績を踏まえ存続させ、条例に基づき活性化の手立てを講じること。
(2)高齢者在宅サービスセンターについては、民間で代替が可能どころか、区立デイサービスの必要性が高まっているもとで、存続させること。
(3)ふれあい・いきいきサロンについては、高齢者の孤立防止の必要性からこうした場の提供がますます強調されている。存続させ生かす手立てを講じること。
(4)老人いこいの家(上二、五本木、田道、原町)4カ所については、売却はやめること。改築や運営のあり方については、関係者と十分協議し合意に基づいて判断すること。
(5)母子生活支援施設・氷川荘については、廃止せず存続させること。退所の声掛けを強めるのではなく、しっかり相談にのれるよう支援体制を強化すること。新規入所希望に制限を加えないこと。
(6)中学校の統廃合については、止めること。30人学級を一刻も早く実施すること。小1支援員の縮小を止めること。
(7)奨学資金貸付制度については、経済的理由により就学困難な状況は継続している。募集人数の段階的縮小は止めること。

6.民間活力の導入などの問題について

(1)職員の中長期の定数管理の考え方の見直しについては、すでに述べてきた通り正規職員の重要性が増大していることから、公的責任を放棄し一途削減する方針を撤回すること。
(2)組織体制の見直しについては、人権政策課人権・同和政策係と男女平等政策係を統合せず拡充すること。なお、同和政策については役割が終了したので廃止すること。
(3)児童館・学童保育の民営化を止めること。
(4)保育園の土地建物の無償貸し付けや譲渡を含む民営化を行わないこと。
(5)保育園調理業務の民間委託化の拡大を止めること。
(6)社会教育館の民営化は行わないこと。社会教育事業の職員削減とともに講座の縮小、開館時間の見直しなどを止めること。
(7)図書館数の削減、開館時間の短縮と職員削減・民間委託の拡大を止めること。

7.歳入確保の取り組みについて

(1)新たな歳入確保の取り組みについては、大企業、国や都などへの財源確保に向けた取り組みも位置づけること。‘始占用料の改定については、目黒区独自の改定方針を検討するとしているが、目黒区の地価を反映したものに改定することや、大企業である東電やNTTの電柱の占用料よりも電柱に付けた広告看板の上がりの方が大きいことなどを考慮した占用料を徴収することなど、抜本的改定を行うこと。都市計画交付金の増額および財調の配分率(現行55%)を増え続ける23区の仕事の実態に即して増やすよう都に要求すること。都市計画交付金については、その対象事業に生活密着型施設の整備に幅広く使えるようにさらに改善するとともに、23区の仕事量に見合った形で大幅に増額するよう要求すること。また、財政調整交付金については、中学3年生までの医療費無料化、ごみの分別回収の一層の推進など23区の仕事量の増大に見合った配分率への改定を都に要求すること。9駟檗Σ雜酳欷院Ω經医療にかかわる補助金の引き上げや各種ワクチンに対する補助金など国や都の補助金を拡充するよう求めること。
(2)自動販売機の設置に係る公募制度等の導入については、障がい者団体等とは、十分協議し合意を大前提とすること。
(3)区有財産の有効活用で示されている、公有地売却はやめ、高齢者・障がい者・子育て施設など福祉のために活用すること。。複卆彙呂砲弔い討蓮区民共通の財産であり、絶対に売却しないこと。16年間に計画策定や管理費に数千万円も使った。区民の切実な要望となっている特別養護老人ホーム、保育園、高齢者福祉住宅、防災公園の建設を進めること。その際、半分の土地を有する東京都に対して都有地を無償もしくは安く貸すよう求めること。大岡山の寄付地については、今年3月に「地域のみなさんのために活用してください」との遺言で寄付された土地であり売却しないこと。上目黒福祉工房跡地については、売却せずに高齢者や障がい者のグループホームに活用すること。
(4)滞納対策事務の一元化への取り組みについては、区民の実態をしっかりつかみ、一方的にペナルティを課すことは止めること。区民生活の実態を把握できないままの差押は止めること。

8.負担の公平性について

(1)施設使用料の値上げを行わないこと。
(2)認可保育園・学童保育クラブ保育料の値上げは行わないこと。

9.行財政運営の改善について

(1)さらなる暮らし福祉削減を進める行財政評価制度はやめること。
(2)福祉・教育分野における民間活力の導入は、これ以上行わないこと。指定管理者制度導入プランの総括にあたっては、生命の安全、再委託(丸投げ)、偽装請負などを含め総括すること。
                                      以上

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