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「平成23年度目黒区一般会計予算案」への反対討論〜福祉・防災最優先の予算に大転換を求める〜 星見てい子区議

 3月30日の本会議において行った星見てい子区議が行った「平成23年度目黒区一般会計予算案」への反対討論は以下の通りです。

〜福祉・防災最優先の予算に大転換を求める〜

 私は、日本共産党目黒区議団を代表して、議案第16号、平成23年度目黒区一般会計予算案に反対の立場から討論を行います。

 3月11日に起きた東日本大震災で、東北、関東地方は、未曽有の大地震・津波災害に襲われ、多くの人命が奪われました。加えて福島第1原発での先行きが見えない原子力災害も加わって、重大な影響が出ています。目黒区内でも、未だに余震が続き、放射能による水や食品への不安も広がっています。今後、夏に向けての電力不足によって、区民生活や地域経済に大きな影響が出ると考えられます。

 今回の大震災の以前から、区民のくらしや区内中小企業の営業は厳しさを増しており、新年度予算に求められているのは、総力をあげて区民の暮らし・福祉、営業を守ることです。「住民の福祉を守る」という自治体の原点と、「災害から命を守る」という自治体の責務とは一体のものです。そのためにも、国も地方自治体も住民の生活安定施策に最大限の力を尽くすべきであり、従来の枠にとらわれない予算の抜本的見直しと対策が必要です。

 こうした点から、4月からの目黒区一般会計予算案が、ふさわしいものになっているかが厳しく問われています。しかし、本予算案は、従来の「行革計画」や昨年11月に出された「緊急財政対策」の見直しも行わないままであり、このままでは、災害と景気悪化で苦しむくらしを支えるどころか、新たな生活苦を区民に強いる内容になっており、とうてい容認できるものではありません。以下、この予算に反対する理由を述べます。

国保料の大幅値上げ、介護保険で在宅が支えなれない
 その第1は、この重大事に、区民のいのちを守る医療や介護を後景に追いやっていることです。
 目黒区国民健康保険は、目黒区が保険者であり責務を直接負っています。しかし、一般会計からの繰り入れを増やさないことを最優先し、65歳以下の3人家族・年収250万円で本則9万845円もの保険料値上げを行います。緩和措置をしても新年度は4万5298円の値上げでそれも2年限りです。家族や障害者のいる家庭、低所得・中所得家庭を中心にして加入者の5割が対象になる国保料値上げを行います。
 
 
 一方で区長は「公平さの確保のため」として、厚生労働省通知にも反する異常な保険証の取上げを当然としました。後期高齢者医療保険料の滞納回収でも、83歳の高齢者の年金差し押さえは当然とする姿勢は許されるものではありません。

 また、この間の政府による介護保険改定で、区内でも在宅介護でホームヘルプが満足に使えず苦しんでいる家庭が増えているにもかかわらず独自の対策強化に背を向けていることも重大で、本予算案でも新たな改善はまったく組まれていません。現在検討されている国の更なる制度改悪で、軽度者へのサービス切り捨てに対しても、区民介護を支える姿勢は、示されませんでした。

 自治体として、住民の健康や介護の支えがもっとも必要な緊急時に、更なる医療・介護での負担増などを強いる予算案です。

財政難を理由に特養ホーム、碑文谷体育館、東山小学校の建替え・改築延期
 反対の第2の理由は、昨年11月に区が発表した「緊急財政対策」での区民生活にかかわる削減計画をなんら修正することもなく進めようとしている問題です。

 昨年12月に待機者が1000人を超えた特別養護老人ホームの待機者解消は、まったなしの課題です。この建設計画を、財政難を理由にして延期したことは重大な影響を区民に及ぼし許されません。
 寝たきりや認知症などになり在宅介護で支えきれなくなっている高齢者世帯は、日常的に介護難民状況で放置されていることに加え、災害時に逃げられない被災者になる可能性が極めて大きくなります。
 代表質問で、1000人にもなる待機者の解決策を区長に求めたところ、在宅介護の充実、グループホームなどの他施策で総合的に推進すると答弁しましたが、日本共産党の一般質問や予算審議の中で、具体性が無いことが明らかになり、待機者の解決策はまったく見えませんでした。

 また、余震が、まだ続いている事態にもかかわらず築50年を経過し老朽化している東が山小学校や耐震がない碑文谷体育館の改築を延期したまま見直さなかったことも重大です。いざと言うときに子どもたちや区民のいのちにかかわる問題です。

一方で、大規模開発計画がとまらない
 反対の第3の理由は、「財政難」と言いながら、この間、区が推進した中目黒駅前再開発などの大規模開発や無計画な区庁舎移転の財政的なつけを、区民の福祉・教育削減で負わせてきた区財政の根本問題を認めようとせず、さらに区民に辛抱を押し付ける一方で、新たな大規模開発の計画が止まらないことです。

 中目黒駅周辺開発計画、目黒駅開発、西小山駅前開発などを、このまますすめれば、更なる財政圧迫と住民追い出しの街づくりが進みます。

 多額の税金を投入することになる大型再開発型の整備計画そのものを凍結し、災害や経済悪化で不安定になっている区民の生活を支える施策などを優先にして財政支出を進めるべきです。

8500屬JR 跡地を、50年以上も定期借地で大企業へ、大橋ジャンクション問題
 第4の理由は、区民の福祉利用のために購入した約8500平米のJR跡地を大企業などに50年以上も定期借地で貸し出す計画に、東京都とともに固執していることです。

 区内では、特別養護老人ホームや保育園などを整備したくても用地が確保できないという状況です。購入目的から考えても、2006年に東京都と結んだ基本協定を破棄し、切実な区民福祉施設や公営住宅の建設用地に使うべきとの日本共産党区議団の代表質問での提案を区長は拒否しました。区民の切実な願いより、「住みたい街目黒」をスローガンに、大企業などへの利便と土地を提供する姿勢は自治体の本来の姿からもかけ離れています。

 また、大橋ジャンクション屋上及びジャンクション内に整備する公園費用は、2007年8月の東京大気汚染裁判での和解条項もあり、整備費・維持費とも全額、首都高株式会社が負担すべきであり、区民の税金は使うべきではないとの質問に、「緑化と公園は違う。裁判の和解条項に関係するものではない」との見解が示されたのは、重大です。この和解条項は、公害・ぜん息患者のみなさんが、命がけで座り込みを続けて勝ち取ったものです。和解の「四省取りまとめ」には、明確に「中央環状新宿線 大橋ジャンクションの屋上緑化」とあります。区の見解を撤回し首都高に費用を全額出させるべきです。大橋ジャンクションによって、被害をこうむる目黒区民の税金を使うべきではありません。

指定管理制度の見直しもなく、さらに拡大予定
 第5は、指定管理制度について見直しが行われず、更なる公的責任の後退につながる予算案になっていることです。

 指定管理制度が導入されて、8年がたちましたが、全国で見直しが始まっています。2009年10月の総務省調査でも、2192件で指定管理の取りやめがあり、昨年末には、総務省が、安上がりな経費削減のための制度ではないとして「住民の安全確保」や「労働条件への適切な配慮」を求める通達を出しています。一般質問で、経費削減の影響が低賃金などの労働環境に影響していないか調査・実態把握せよと問いただしましたが、区からは実際の調査もせずに「基本協定において法令の遵守義務をうたっており」目黒区では問題は無いとの答弁で、真剣に取り組もうという姿勢はありませんでした。

 すでに目黒区の指定管理は117施設となっており、福祉現場では職員の離職の多さなどが指摘され、障害者施設の指定管理、質の確保の難しさが利用者や保護者から声として上がっています。アーチェリー場で起きた痛ましい高校生の死亡事故を始め、事故での責任を指定管理者に負わせるやり方にも問題があります。

 また、今後の震災や原子力災害のめどが見えない中、長期に及ぶであろう電力不足や夜間の施設利用や企画の自粛などもあります。現在、指定管理制度を使っているサービスも、区民の暮らしと安全を確保する上で、民間まかせの指定管理で良いのか、福祉分野を中心に抜本的に再検討することを求めます。来年度予算で検討に入る社会教育施設や今後の児童館・学童クラブなど住民サービスに直結する業務の指定管理の拡大は、凍結して見直すべきです。

認可保育園に入れない子どもたちを自己責任的に放置
 第6は、この4月からの認可保育園に入れない子どもたちへの具体的対応策が持てていないことです。認可外保育所もすでに、満杯の状況で、預け先がない子どもを抱えた家庭は、窮地に追い込まれています。こうした子どもたちの保育先の確保の責任は、第一義的に目黒区にあり、自己責任的な放置は許されません。ただちに対策を求めます。

福祉。教育を切りすてる「職員定数の削減計画」
 最後の反対理由は、財政難の解決策であるかのようにして、「職員定数の削減計画」を進めている問題です。職員数は、人口あたりで数えれば、23区で多いわけではありません。経常経費にしめる人件費は、一定の年齢層が退職を迎えて、若い層と入れ替われば順次下がってゆきます。「財政がたいへんだから」と民間委託や指定管理にし、区直営施設から撤退して公務員を減らすやり方は、やめるべきです。

 この間の職員定数削減計画によって削られた職員の部署は、学校の給食・事務・警備・学童養護、保育園そのものと保育園の給食、学童クラブなど子どもの分野、特別養護老人ホームや高齢者センター・いこいの家など高齢者の分野、障害者福祉工房など障害者の分野、地域の福祉の拠点であった地域保健福祉事務所の撤退など、区民福祉の根幹から公務員が次々削減されました。

 景気悪化から区民が立ち直れないままに起きた、大災害の影響のなか、いざと言うときに公の奉仕者として、力を発揮できるのが公務員です。震災地域でも、献身的に奮闘している姿が報道されています。行政の機能は、人的災害を予防し、災害後の住民生活建て直しにとって決定的な役割を果たします。

 区は「平成23年度は、計画どおり進める」との答弁がありましたが、職員削減計画もただちに見直し、福祉・防災最優先の区政に転換できる体制をとるべきです。

緊急の災害対策を要望
 以上、本予算案での問題点を申し述べましたが、緊急に対応すべき問題として災害対策について要望します。

 第一は、総合相談窓口です。区はコールセンターを閉じますが、現在、問い合わせは減ったとは言え、未だに余震も続き、福島原発もこの先が見えず緊急事態はつづいています。区として総合的に相談を処理することができる係を設け、夜間、土日でも対応できるようにすべきです。

 第二は、原発事故問題での迅速かつ正確な情報掌握と公開に努めること。

 第三は、震災による建物の損傷を修繕する場合の助成制度を設けること。また、「住宅リフォーム制度」の上乗せ助成など、震災用として拡充すること。

 第四は、今回の大震災と原発災害の被害現状と教訓を踏まえて、至急、「防災計画」を見直すこと。災害対策の要望は以上です。

 最後に日本共産党区議団は、災害と引き続く経済悪化のもとで苦しめられている区民の暮らし、営業を守り支えるために総力を挙げ奮闘することを申し上げ、予算案への反対討論を終わります。
                                      

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