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「めぐろ学校教育プラン」改定素案に対する意見

「めぐろ学校教育プラン」改定素案に対する意見
                       2009年12月18日 日本共産党目黒区議団
 今回の改訂は、教育基本法の改正に合わせた目黒区の学校教育計画の変更です。まず、ここに根本的な問題があります。

1、新「教育基本法」に基づく改定の問題点

「教育基本法」改正は、先の自民・公明政権により、満足な国民的な議論もないまま短期間で強行されました。新「教育基本法」に対しては、教育関係者はもとより、法律関係者や宗教者からも大きな問題があると批判されています。

 特に、教育の目的を、一人ひとりの自立した個人の尊厳(憲法13条)を尊重することから、国家が求める人間像を国民に要求し従うことを求めるものに変えたことは重大です。
子どもの自殺やいじめ、不登校などを憲法や教育基本法が現実に合わなくなったものとすり替え、旧法での「普遍的にしてしかも個性豊かな」「心理と正義を愛し、個人の価値を立つとび勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた・・・国民の育成」に代わって「公共の精神を尊び」「伝統を継承し」「国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた・・・国民の育成」になりました。国家が定める道徳規範に基づく人間像を国民に押し付ける教育を国が上から進めようとしていることに最大の問題点があります。

 また10条で「家庭教育」、13条で「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」も問題があります。 「家庭教育」においては、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」として親の責任は強調しながら、一方では親が子の教育について第一義的権利を有しており、国家による不当な介入をしてはならないことは記されず、「習慣」にまで国家が立ち入って国家が要求することを許しています。「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」も、国からの介入を前提とされているといわざるをえません。

 この新教育基本法第17条で義務付けられて国が策定した「教育振興基本計画」は、全体を通じて、「愛国心教育」や競争教育の推進を目指す新「教育基本法」の、全面的な具体化を図ったものになっています。今後五年間に取り組むべき施策として、「全国学力テストの実施」「道徳教育や伝統・文化に関する教育を推進し、規範意識を養う」「めりはりある教員給与体系、教員免許更新制を着実に実施する」などを掲げました。国による教育統制を強め、子どもと学校を競争に駆り立てる項目が目白押しです。自治体はこの計画を参考に、地域の実情に応じた計画を定めるよう努めるとされています。

 今回の「学校教育プラン」改定は、区の基本計画・実施計画改定と整合を図るとしていますが、ここにも「教育振興基本計画」の内容が反映しています。  様々な問題がある「教育振興基本計画」にとらわれず、目黒区の教育の現状に立った学校教育プランの改定を求めます。

 一方で、労働法制の改悪による長時間労働や低賃金、非正規雇用が野放しにされるなかで経済悪化が進み貧困と格差が子どもの生活まで脅かしています。どのような家庭条件でも、子どもにとって最良の教育を保障するのは、国の責任でありその責任を家庭教育に解消すべきものではありません。国・地方自治体は、安心して暮らせる労働環境や家庭環境、経済的問題にかかわらず教育を受けられる学校教育の保障と環境整備の対策を抜本的に強めることが必要です。

2、競争教育の是正を行うべき

 国の「教育振興基本計画」には、競争教育の推進を目指す新「教育基本法」の具体化として、「新学習指導要領や全国学力テストの実施などにより世界トップの学力水準を目指す」として国による教育統制を強め、子どもと学校を競争に駆り立てるものになっています。しかし、全国から様々な声が上がり、学力テストの実施については、国、東京都でも見直しせざるを得なくなっています。
 今回の「学校教育プラン」改定では、これまで目黒区が進めてきた競争教育のあり方を根本から見直すよう求めます。

 ベネッセに委託した区独自の学力調査、学校間の競争をあおる隣接校入学制度、学校評価制度と公開、生徒数・学級数が多いほうが切磋琢磨して活気が出るとして学校の適正配置の名前で進めている中学校の統廃合計画などは、こうした競争教育の視点に立つもので直ちにやめるべきです。

 国連子どもの権利委員会から度重なる是正勧告を受けている日本の競争教育を教育現場から是正することは急務です。「子どもの権利条約」に基づく「目黒区子ども条例」を持つ目黒区として、今回の「学校教育プラン」改定でこの観点を貫くべきです。

 以上の2点の立場から、以下具体的な点について指摘します。

 岾惺散軌蕕鮗茲蟯く課題と社会状況の変化」に、労働法制の改悪による長時間労働や低賃金、非正規効用が野放しにされるなかで経済悪化が進み貧困と格差が子どもの生活まで脅かしています。どのような家庭状況、経済状況でも、子どもにとって最良の教育を保障する点を書き足すこと。
どのような家庭条件でも、子どもにとって最良の教育を保障するのは、国の責任でありその責任を家庭教育に解消すべきものではない。国・地方自治体は、経済的問題にかかわらず教育を受けられる学校教育の保障と環境整備の対策を抜本的に強めることが必要であり、新たな項目を設けること。
施策としては、―学援助制度の対象を生活保護基準の1.5倍まで拡大するとともに、緊急時の家計悪化にも対応すること。¬楾区奨学金制度の充実をおこなうこと。

◆岾惺散軌蕕鮗茲蟯く課題と社会状況の変化」にある「教育基本法の改正等で明確になった教育理念を〜」の記述を削除すること。

E廃合計画である「中学校の適正規模・適正配置の推進」は削除すること。

ざ擬爾裡稗達坿超整備は、教育現場の要望を重視し、強要しないこと。

信頼される学校にむけての「学校経営への参画に向けた保護者・地域住民の意識の高揚」は削除すること。

А嵜邑教育・道徳教育の充実」に、同和問題を人権教育として入っているが、同和問題は、人権擁護を推進していく上で、女性、子ども、高齢者、障害者、アイヌの人々、外国人、HIV感染者などと同じ問題であり、これだけを強調して教育するべき問題ではない。「同和問題」を削除すること。

─嵜邑教育・道徳教育の充実」の「道徳教育」は、子どもたちに民主的な市民道徳をきちんと伝えていくという立場から大事である。しかし、国家が法律に「教育の目的」として、あれこれの「徳目」を書き込み、義務づけることは、時の政府の意思によって「特定の価値観」を押し付けることになり、思想・信条・内心の自由を侵害することなり、憲法違反である。「特定の価値観」を「道徳」「心の問題」だとして強要しないこと。プランの中で「知・徳・体」としている「徳」の表現はやめること。

「3、学力の定着と向上を図る個に応じた学習指導の充実と新たな学習支援の実施」の区独自の学力調査の実施をやめるとともに、これを使っての「授業改善プラン」作成や学力調査結果をもとにしての保護者への学習相談の強制は行わないこと。

「4、区独自教員の任用制度の構築」は、東京都が来年度から始める小1、小2、中1の学級への教員加配をおおいに活用すべきだが、この制度は2010年度39以上、2011年38人以上しか適応できず、下限が20人以上と決められているなど不十分である。これまでの小1へ補助教員を年間通じてのものにするとともに他学年にも拡大すること。東京都には、小人数学級を早急に全学年で実施できるよう求めること。

学校図書館ボランティアリーダーを、ボランティアから非常勤雇用に切りかえること。

新たに「食育の推進」導入したが、この観点からも行事食だけではなく日常的な給食にも食育の観点をもち、学校給食費の補助を増額すること。

「伝統と文化に関する教育活動」の「愛着をもたせるとともに」を削除すること。日本や地域の芸術・文化を広く学び理解することは重要だが、愛着をもつかどうかは、個人の嗜好の問題であり強制すべきではない。教育基本法の改定で問題になった「愛国心」教育につながるものである。

「指導力の向上を図り、信頼される教員の育成」では、教員の研修を教職員に強制しないこと。学校長が推薦し教育委員会が選考する「区立学校授業スペシャリスト表彰」の教員表彰は止めること。

新たに導入する「スクールソーシャルワーカー」については、単なる相談窓口ではなく、保護者を最後まで支援できる制度にすべきです。そのためにも保護者との信頼関係が十分保たれることが重要である。現場の教師との連携を充分におこなうこと。

亜岾慘聾上のための放課後学習」は、教育現場の自主性を大切にして、教育委員会から押し付けないこと。

嬰廃合をすすめる「中学校の適正規模・適正配置の推進」は止めること。活力ある教育を推進できるとして2006年度に統合した目黒中央中学校では、地域の小学生の半数近くが他中学校への入学を希望するなど、保護者にも不安が広がっている。学校選択を行いながら統廃合を進行させればさらに混乱が広がる。競争教育的な適正規模や適正配置を進めるものであり削除すること。

押屮┘灰好ール」を推進する立場から、全小中学校の校庭を夏に表面温度が50度以上にもなる人工芝生にすべきではない。天然芝生など教育関係者など各学校の要望に合わせて整備すること。

浬電戚槁牽瓦痢峅板蹇γ楼莠匆颪箸力携・協力による学校運営の推進」は、新「教育基本法」第13条であらたに導入されたもので、国による、家庭・地域社会に教育基本法の理念の浸透をめざすためで、教育の統制につながる危険性をはらんでいる。表題を、改め、国などの上からの家庭・地域への介入や押し付けにせず、真に学校教育に保護者や現場の教育関係者、地域住民の声が生きる内容に変えるべきである。
「学校、家庭、地位は、教育におけるそれぞれの役割と責任を一層自覚し」とあるが、教育委員会が家庭や地域に求めるべきものではない。
特に「学校運営協議会」は止めるべきである。協議会委員は、教育委員会が直接任命するものであり、教育委員会が進める教育行政の推進役、監視役となる危険性があり、学校運営は、現場の自主性を大切にして家庭、地域との協力を進めるべきである。


以上

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