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党の政策

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2008年度一般会計予算に対する反対討論

 私は、日本共産党目黒区議団を代表して議案第17号平成20年度目黒区一般会計予算に反対の立場から討論を行います。
 小泉内閣いらいの構造改革路線の下で、格差と貧困がますます深刻化しています。大企業が史上最高の収益を上げている一方で、労働者の賃金は9年連続で減り、低賃金と劣悪な労働条件の派遣労働者は増え続け、年収200万円未満のワーキングプアは一千万人以上となっています。さらに庶民増税や、医療・年金改革、障害者自立支援法の導入など社会保障改悪は庶民に重い負担となっています。国保料の滞納者は480万世帯にものぼり、生活保護の打ち切りによって餓死や自殺者がでるなど、全国各地で異常な事態が起こっています。さらに物価高騰が、中小業者や年金生活者など弱者のくらしをますます脅かしています。4月からは高い保険料と差別医療を持ち込む後期高齢者医療制度がさらに追い討ちをかけようとしています。
こうした下で組まれる新年度の予算は、住民の福祉向上に努めるとされている自治体の責務に照らし、くらしを最優先で支えることが問われています。こうした視点から以下の問題点を指摘します。

 第1は、くらしの問題についてです。
 目黒区では、この間の老年者控除の廃止や公的年金制度の縮小など、税制「改正」による非課税から課税世帯は4300人にものぼり、さらに定率減税の廃止などによる増税に連動して国民健康保険料や介護保険料が引き上げられるなど雪だるま式の負担増が区民におしつけられていました。国保料を滞納している世帯は2006年度には13966世帯にもなり、国保加入者の18%を占めています。保険料が払えず短期証や資格証に切り替えられた世帯は今年度1469世帯にもなりました。中学生の就学援助受給者は15%を超えています。
昨年の暑い夏、クーラーもない部屋で熱中症で亡くなった高齢者夫婦、がんで入院していても食事代が払えないと自ら退院する高齢者、介護保険制度の下で、家事援助を受けることができず体を引きずりながら家事をする高齢者、資金繰りのためサラ金業者から借金し多重債務に陥った零細業者、原材料が上がり営業が脅かされる業者など、わが党は区民のくらしの厳しい実態を示し、人間の生きる権利と尊厳が脅かされているときだからこそ、くらしを守る緊急対策本部の設置を提案しました。しかし区長は、従来どうりの実態調査で十分だとして新たな事態での調査も緊急対策本部の設置も行わないと答弁しました。これは区民の苦しい生活の実態をまともに見ようとしないものです。こうした姿勢が、介護保険のアンケート調査に手を加え、8割を持って介護は満足していると言う答弁にも表われています。新年度、くらしを応援するまともな対策がないどころか、生活保護世帯への見舞金を廃止し、国保料の引き上げなどで苦しむ区民にさらに痛みを押し付けるものとなっています。

 第2は民営化の問題についてです。
 指定管理者制度は、構造改革路線の下、民間企業と競争させ経費を削減させるために導入されました。指定管理者制度が施行され2年が経過しましたが、その実態からも問題点が明らかになりました。社会福祉事業団は、民間企業との競争を前提に区から押し付けられた「経営改善計画」を推進するために、正規職員を減らし、手取り賃金12万円から15万円の契約職員を大幅に増やしています。しかし、生活できない契約職員は次々と辞め、過重な負担が正規職員にかかり、正規社員も含め今年度は75人も退職しています。こうした状況が質の低下を招き、事故がおきかねないところまできています。現場の職員や利用者家族からも、現状を何とかしてほしいとの声が上がっています。ところが区は、直接、職員や利用者家族の声を聞くことなく第三者評価を持ってよしとしています。特養ホームを破綻寸前まで追い込んでいる経費削減の「経営改善計画」はやめさせることです。人を相手とする福祉の分野には、市場の競争原理は相容れません。指定管理者制度の導入をやめることです。
次に保険福祉サービス事務所と包括支援センターを統合し委託することについてです。
これまでの保健福祉サービス事務所は、住民の身近な窓口として、子どもや障害者や高齢者などすべての人の総合相談に応じる最も重要な役割を担ってきました。ところが区は保健福祉サービス事務所と包括支援センターを統合しあらたな行政窓口をつくるとしていますが、高齢者の窓口に狭め、その他の障害者の相談や支援などは本庁に引きあげるとしています。福祉や医療の身近な窓口を求める区民の願いからも反するものです。さらに新しい窓口は民間に委託するとしていますが、福祉の最前線から行政が撤退することは、行政が現場の実態を把握することや施策に生かすことなど行政の責任を放棄することです。区はこの統合を単なる組織の改正で内部の問題といってきましたが、住民の地域福祉のあり方にかかわる大きな問題です。とりわけ地域福祉審議会で審議しているときに、審議の結果を待たずに区内部で方針を決めることは、委託最優先とする区の姿勢の現れです。

 第3は財政運営についてです。
 青木区長は、前薬師寺区政の財政計画を継承し、2008年の5年間に191億円が不足するとして、これを捻出するための行革を進めてきました。 ところが、区民税と特別区交付金は毎年増え続け、5年間で財政計画より409億円も増収となる見込みです。こうした増収にもかかわらず、青木区長は財政が大変といい続け、福祉や教育を中心に200億円も削減しました。区民税増収の多くが庶民増税であることを考えれば、住民の福祉やくらしの応援ための施策を充実させることは、十分可能であったはずです。しかし区長は、この4年間で141億円を新たに基金に積み立てました。その最大の理由が、施設改修のための財源にするというものですが、中長期の改修改築のための財政計画もまったくたてられていません。福祉を犠牲にした基金積み立て最優先といわざるえません。

 第4は、住民参加についてです。
 区長は就任直後には「区民が主役」を掲げていましたが、結局それは投げ捨てられました。2007年の方針であったパブリックコメントの制度や行政計画づくりへの区民参加を保障する制度の確立など、遅々として進んでいません。こうした区の姿勢が、住民の意見をばっさりと切り捨てる区政へとつながっているのです。たとえば、障害者や高齢者の福祉住宅を建設するために32億円で購入したJR跡地を、住民に何の説明もなく、定期借地権で民間企業に提供しようとしたことに現れています。初めて開かれた住民説明会で、区の進め方や、定期借地権に反対の声が多くあがったことは当然です。また保育園の民営化でも保育の質が低下すると、91%の保護者が反対し再検討を求めていたにもかかわらず「何でも聞けということではない。最終的には私が決める」といい放ち、その意見をばっさりと切り捨てて第二田道保育園の廃園を決め、民営化による新園を4月からスタートさせることを強行しました。さらに次の民営化が計画されている第二ひもんや保育園では、保護者との協議さえもとうとしません。全国の自治体の中には、住民と行政が協力しあって施策を進めようと「自治基本条例」を制定する流れが進んでいるにもかかわらず、区民の意見聴取を形式だけにし、出された意見をばっさり切り捨てる不当性は際立っています。これでは、区民の声が生かされる区政運営はできません。

 第5は教育と子育てについてです。
 国と都の学力テストに加え、区の学力テストが導入されました。導入の目的は、一人ひとりにあった学習指導をするための調査としていますが、テストの内容については現場の教師の意見を聞くこともなく民間企業に丸投げしてしまいました。教師からは自分たちが関わらないテストでは、学習指導にも生かされないと批判の声が上がっています。さらに学校選択性が導入されました。学力テストや学校選択性は、学校や生徒間の競争をあおり、保護者や教師の不安を加速させています。こうした競争をあおる学力テストや学校選択性はやめるべきです。また実施していないのは東京都だけという少人数学級に対し、区長はあくまでも40人学級が適正であると答えたことは、少人数学級を願う保護者や教育関係者に背を向けるものです。
次は子育てについてです。区長は子育てに力を入れたといっていますが、学童保育の有料化や就学援助の対象を縮小し、4月からは近隣区が値上げをしていない中で学校給食費を値上げし、さらに学童保育や児童館の民営化の検討まで打ち出しています。こうしたことを見ても子育て支援に力を入れたとはいえません。
 最後に、区長は引き続き区政を担わせてほしいと、区長選への立候補を明らかにしましたが「真相究明」問題について述べます。
 前区長の自殺、契約課長の逮捕に関わる疑惑の「真相究明」が求められていました。2004年の区長所信表明では「不祥事が起きた原因の把握に努める」といいながら、その後は「司法当局が権限を持って調査する。それ以上の調査は困難」との発言に変化し、さらに昨年には「疑惑とは何だ、具体的に言え」と疑惑そのものを否定しました。これは、「大型開発につきまとう黒い噂を私は見過ごすことはできない」と当選した区長への区民の期待を裏ぎるものです。

 今区民が求めていることは、区民のくらしを最優先することです。日本共産党区議団はそのために奮闘することを申し上げ、予算に対する反対討論を終わります。


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