２００８年度目黒区予算案に対する日本共産党目黒区議団の見解
２００８年度目黒区予算案に対する日本共産党の見解
２００８年２月８日
日本共産党目黒区議団
一、今目黒区民は、相次ぐ増税と後期高齢者医療制度や介護保険、障害者自立支援法など社会保障の改悪、さらに原油や小麦などの高騰による物価高によってくらしの不安が増大し、区民生活は根底から破壊されようとしている。こうした中、区民の福祉向上を最大の責務とする地方自治体の役割はますます重要になっており、来年度予算の編成に当たっては区民のくらしを守ることを最優先にすることが求められている。
一、目黒区の新年度の区税収入は、昨年度の当初予算に比べ２７億円６．８％増の４２１億円余となり、バブル期にほぼ匹敵する額となっている。さらに特別区交付金は１１億円余５．８％増の２０７億円と過去最高となっている。これらを今年度末２０億円〜３０億円に達する補正財源とともに活用すれば、増税と社会保障の負担増、原油・物価高などから区民のくらしと福祉をまもり、多くの切実な区民要求にこたえることができるはずである。ところが、青木区政が発表した新年度予算（案）は、前区長時代の上目黒１丁目再開発など大型公共事業を優先し、その財源を区民の犠牲の上に捻出するための「行革」を見直しすることもなく推し進めるとともに、保育園の民営化など、福祉施設の経費削減や低所得者への容赦ない予算切り捨てが行われている。増税によって増えた区税収入が負担増と貧困にあえぐ区民のためではなく、基金（貯金）への積立最優先に使われていることは重大な問題である。
一、削減計画では、特別養護老人ホームや障害者施設などの運営を委託している社会福祉事業団へ運営委託料の大幅な削減（人件費の削減で約１億円）、生活保護受給者への見舞金の廃止（１３００万円）、介護保険外の高齢者を対象としていた生活支援ヘルパー派遣の見直し（介護保険改定による影響で１０００万円減）、ひとり親家庭のホームヘルプサービスの見直し（２００万円）など、区民サービスの低下や低所得者の負担増につながる４億円近い削減が進められている。その一方、財政調整基金に７７００万円、施設整備基金に１３億万円が積み立てられた。目黒区の基金は０８年度末には２５９億円余となり、７年前の２．５倍なっている。区民のくらしよりも、「行革」とため込みを最優先にした予算といわざるをえない。
一、「行革」の目的で体育施設の指定管理者制度導入や学校給食調理業務の委託、学校警備の機械化、学童擁護員など常勤職員４０人（３億４０００万円）が削減された。青木区政は今後の行政改革の中心を職員削減に置き、「中長期の定数管理」と称して、今後１０年間に５００人の常勤職員の削減計画を打ち出している。この計画を推進するために、５地区の福祉サービス事務所を地域包括支援センターと統合し、全面委託することや保育園民営化の拡大などを進めようとしている。営利を目的とする企業に福祉や教育などの公的仕事を提供することは、自治体としての公的責任を放棄するものであり許されない。
一、健康福祉費がわずか１・４％の伸びに比べ、都市整備費は８２．５％６９億６４００万円の伸びを示している、東山公園分４７億円を差し引いても異常な伸び率といえる。上目黒１丁目再開発に３０億円、大橋再開発関連に４０００万円を計上。さらに、JR跡地を民間企業の利益のために提供しようとしている。
一、日本共産党目黒区議団は、新年度予算編成にあたり、切実な区民要望を実現するため、緊急要求や予算要求などを住民とともに行い、次のような成果をあげた。
�’ド愀鮃�診査の拡充 ２回から１４回の拡大
�⇒鎮娜狷�園料補助 ５万円を６万円に増額
��障害者自立支援法の基づく利用料２分の１補助の継続
�て団蠏鮨任慮〆差猝椶粒搬腓般砧漸修侶兮�
�ジ經�高齢者特定健診の無料化、葬祭費７万円
��高次脳機能障害者支援の促進
��分譲マンション実態調査の実施（建て替え、改修、耐震補強などの支援策検討資料として活用）
�┥�学校特別教室の冷房化
一、三月議会にあたっては、増税や社会保障の負担増などから区民のくらしを守る立場で、次に掲げる課題を重点に奮闘する。
�ゞ萃垢鮴萋�に低所得者支援のための対策会議をつくり、区民生活防衛のために全庁的に取り組むこと。
��原油や穀物などの高騰による物価高の影響から、区民を守る。
�２雜酳欷韻慮�直しによって切り捨てられたサービスを介護実態に合わせた区独自の支援策の実現。
�す駝鰻鮃�保険料については非課税から課税になった世帯の経過措置の終了と制度の変更による大幅な値上げを許さないとりくみ。
�ジ經�高齢者医療制度の中止を求めるとともに負担増を解消するための区独自の支援策。
��障害者自立支援法による負担増から障害者世帯や障害者施設を守ること。グループホームなど障害者施設の基盤整備の充実。
�О多瓦靴道劼匹發鮴犬澎蕕討蕕譴覺超�をつくるために。産院、小児緊急医療の充実、妊婦の医療費助成制度の実現
�┯�的機関と受託事業者との契約に、賃金・労働条件を確保する条項を定める｢公契約制度｣の確立。
��地球温暖化対策、CO2削減のための対策の提案
教育費の父母負担軽減、学力テストの廃止、少人数学級の実現
��中長期の施設改修・改築計画
��だれもが安心して住み続けられるための、住宅対策の充実
��保育園の待機児解消と障害児の一時保育の充実
��JR跡地の活用を住民本位で見直す。
以上
