党の政策
沢井正代議員、西部地域の保育園増設、住民税、国民健康保険料、介護保険料の減免制度の拡大を提案
第一回定例議会の一般質問
私は日本共産党の区議会議員として2点にわたる一般質問を行います。
第一は、西部地域における公立保育園増設についてです。
少子化が進む中で子育て支援はまったなしです。とりわけ、家賃や生活費が高い目黒区に住むためには、若い夫婦が共に働き生活を支えてゆかなければなりません。目黒区の世論調査では、夫婦が子どもを育てながら働きつづるけるために必要なことの第1位が保育園の整備となっています。
目黒区は、かつて、区民からの強い要求で西部地域の保育園の1園増設を実施計画に掲げていました。しかしその後、少子化による定員割れが一部に出ていたことや「行政改革」を理由に、計画からはずしてしまいました。
現在西部地域は公立保育園2園、私立の認可保育園2園で総定数389人の乳幼児を受け入れています。地域の人口比にすると1000人に対し、6.3人で、東部の8人、中央の8.7人、南部の12,1人、北部の16人と他地域に比べても大変少ない状況です。しかも、私立の東が丘保育園では産休明保育も延長保育もおこなわれていません。西部地域の保育園が不足しているにもかかわらず、待機者解消策として、区は、八雲保育園の改修時に産休保育園の実施など、定数を若干増やすのみにとどまり、あとは、認証保育園への補助を行ってきただけです。こうした中で認可保育園への入園を希望しても入れない状況がつづき、新年度の入所状況は、八雲保育園だけ見ると入所可能数30人に対し、第一次希望が65人と2.16倍、目黒区全体の1.6倍と比べて入所が困難な状況となっています。とりわけ、0歳は2.5倍と全区平均1.1倍を大きく上回っています。
認可保育園への入所が困難な中で、都立大学駅周辺には、認証保育園3園、定数66人、無認可保育園2園45人、その他プレスクールやベビーホテルなどがつくられ、新年度も増設が予定されています。これらの保育施設の保育料は、一か月63,000円から73,000円と収入の少ない若い世帯には重すぎる負担です。さらに施設内容も、マンションなどの一部を利用しているところが多く、保育室が狭いうえ、園庭もなく、子どもの長時間にわたる生活の場とするには不十分です。そのうえ現在では、認証保育園で5歳まで預かるところも出てきています。あまりにも不十分な施設に活発に動き回る年齢の子どもを預けざるを得ない状況を放置するわけにはいきません。
ある母親は、認可保育園に入れず、認証保育園の見学をしたところ、子どもたちが夕方みんなでテレビを見ていた。保育室の狭さも気になったといいますが、保育園とはこんな所なのかと思っていたそうです。しかしその後、区立保育園に空きができて入れることになり、広々とした保育室や園庭、かわいいトイレなど施設が充実していること。さらに、親と保育士が互いに協力して子どもの成長にかかわり、育児などの不安に対しても相談できる環境があることに強く感動した。という意見を寄せています。
認証保育園をすべて否定するものではありませんが、あくまで認可保育園に入所するまでのつなぎ的施設であり、安定的な保育要求を満たすもではありません。
西部地域の保育需要に応えるために、区立保育園の増設計画を立てるべきと考えます。区長の見解をお聞きします。
第二は住民税増税や介護保険の負担増などからくらしを守る施策についてです。
その1として、住民税、国民健康保険料の減免についてです。
政府は、高額所得者のために株式譲渡課税の減税を据え置く一方で、低所得者には、容赦のない増税をすすめています。年金課税の強化、定率減税の廃止などにより住民税が大幅に引き上げられました。住民税の増税は、国民健康保険料や介護保険料などの負担増に連動し、区民のくらしを二重三重に直撃しています。昨年目黒区では非課税から課税になった高齢者は5700人、今年1月からの定率減税廃止でこの数はさらに増えることになります。
ある高齢者の場合、年金収入が186万円で2005年までは所得税が非課税となっていましたが、18年度からは、合計所得金額125万円までの非課税措置が廃止されたため、住民税が課税となり、国民健康保険料や介護保険料、都営住宅の家賃の値上げに連動しました。激変緩和措置がなくなれば増える負担は年間32万円にも上ります。さらに今年度からは老年者控除の廃止、定率減税の廃止が強行され、負担はさらに重くなり、生活のために使えるお金は生活保護基準以下になってしまいます。
負担増を軽減するために自治体独自の対策が進められています。
川崎市では、市民税・県民税の納付が困難な方のために「少額所得者の住民税減免制度」をつくっています。たとえば、ひとりぐらしの高齢者の場合は、公的年金収入2,327,600円以下の方を市民税・県民税とも非課税にし、給与収入の場合は年齢に関係なくひとりぐらしで、1,871,999円以下の場合を非課税としています。非課税になった方は、国民健康保険料が減免されます。また、「国民健康保険料の減免制度」として、世帯所得額が生活保護基準の130%以下の場合に保険料の減免をおこなっています。このほかにも、「介護保険料の減免制度」、「要介護者の障害者認定制度」など住民の負担軽減に努めています。
わが党は、これまでにも、増税による負担軽減策を求めてきましたが、区長は、新年度になっても、区独自の抜本的対策を立てようとしていません。
06年の第二次補正予算や新年度予算案に見られる区民税増収分には新たに課税された世帯の増収分も含まれています。格差社会が拡大し、低所得者といわれる世帯への税負担が一層重くなる中、これらの増収分は低額所得者に還元すべきです。
目黒区としても先進自治体に学び、住民税非課税や国民健康保険料の減免の対象を拡大すべきと思いますが、お尋ねします。
その2として介護保険料の減額対象の拡大についてお聞きします。
目黒区の介護保険料収入は4年間で総額83億円も増え、基準額は39,564円から50,640円へと1.28倍近くに引き上げられました。わが党は低額所得者の負担軽減策を求め、区は、生活保護費の1・15倍の所得の世帯に対し、介護保険料の2分の1減額を行ってきました。しかし、この間生活保護基準が見直され、2003年17,930円あった老齢加算は毎年減らされ昨年には廃止されてしまいました。このことによって70歳以上の高齢者が減額の対象からはずされるという事態が発生しています。
ある高齢者は、年金収入が月8万円で06年までは介護保険料の減額対象となっていましたが、新年度は収入は変わらないのに、わずか400円の差で対象から外されてしました。月8万円の収入と言えば生活保護基準ぎりぎりの収入です。毎月かかる医療費約7千円を引けば生活保護基準以下の生活になります。区は、これまで敬老金6000円の廃止、敬老記念品の見直し、電話代補助1カ月2000円の廃止など、経済支援策を次々削減してきました。一つ一つは、所得の多い方にとってはわずかな金額でも、低所得者にとっては生活を補うかけがえにない支援策でした。さらに生活保護の老齢加算の廃止は、高齢者のセイフテイネットに大穴を明けたようなものです。低所得の高齢者の負担軽減のために介護保険の負担軽減の対象を生活保護の1.5倍の所得に拡大すべきと思いますがどうかお尋ねして、私の一般質問を終わります。