第二田道保育園の民営化に反対
目黒区は区立保育園の民営化を計画し、その第一弾として区立第二田道保育園を指定管理者制度を使って民営化しようとしています。
民営化の本音は経費削減
民営化の目的は経費の削減です。区が保育園を運営していくには経費がかかる、だから民間に任せてしまえということです。民間が金をかけず、安上がりに保育園を運営しようとすれば、人件費や運営にかかるコストを抑えざるを得ません。
練馬区や大田区、三鷹市では安い人件費とぎりぎりの人員配置で保育士に多大な負担がかかり、多くの職員が辞めていきました。子どもたちが精神的に不安定になりけがが続出するなど多くの問題点が浮かび上がっています。保護者からも「区の直営に戻してほしい」という声が上がっています。
第二田道保育園の保護者が不安に思わないわけはありません。この間、保護者と区との協議がすすめられ、保護者の民営化への疑問、なぜ第二田道保育園なのかの説明を区に求めてきました。しかし、区から保護者を納得させるだけの説明は何一つなく、第二田道保育園の保護者の九割が民営化に反対しています。
協議会の打ち切りは不当
ところが、区はこのほど、一方的に保護者との協議を打ち切り、民営化をなにがなんでも進めようとしています。一方的な打ち切りは保護者と区との合意事項に反し、当然、保護者も区民もたいへん怒っています。
区は指定管理者制度での民営化は「もう決まったことだ」としています。しかし、指定管理者制度を導入するには条例の改定、どの民間企業・団体を指定管理者に指定するかという議会の議決が必要です。議会が議決しないかぎり指定管理者制度での民営化は決定ではないのです。「もう決まっている」は区の勝手な口実にすぎません。
また、区は「民営化されても保育の質は保たれる」といっていますが、これも他自治体の状況を見れば強弁に過ぎません。指定管理者制度の下では指定期間が限定され、数年、あるいは五年、十年で新たな事業者が選定されることになり、保育の継続性も安定性もまったく保障されません。
もともと、指定管理者制度は公の施設を民間の営利企業に管理・運営を任せることができるようにする制度であり、この制度の保育園への導入は利潤を追求する企業から企業へと、子どもをもうけの道具のように手渡すことになり、保育自体を台無しにしかねない制度なのです。
目黒の保育守るために全力をあげます
九月二十九日に開かれた「めぐろ保育集会」では、第二田道保育園民営化協議会の打ち切りに抗議するとともに、目黒の保育を守ろうと誓い合う集会になりました。
日本共産党目黒区議団も区議会の中で、協議会の打ち切りが、どんなに区民の声を反故にするものなのか、民営化がどんなに保育の質を切り下げ、保護者や子どもたちに悪影響を与えるのかを指摘。
また、保護者の合意もないまま公立保育園の民営化を強行した横浜市に対し、横浜地裁は「児童福祉法違反だ」との判決を下していることも示し、「民営化はやめるべきだ」と区に求めてきました。
そして、区立保育園の経費を削減する一方で、区議の海外視察を続け、大型再開発や幹線道路建設に多額の税金をつぎ込む区政運営を、福祉、子育て優先の区政運営に変えていくべきだと訴えてきました。
これからも、区民のみなさん、保護者の皆さんと力を合わせ、目黒の保育を守るために全力をあげていきます。