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党の政策

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2004年度目黒区一般会計決算に反対の立場で討論を行う

9月13日から始まった第三回定例議会が10月7日閉会しました。日本共産党は一般会計の認定に反対しました。その理由は以下の通りです。
反対討論の全文

私は日本共産党目黒区議団を代表して、議案第83号、平成16年度目黒区一般会計決算の認定にあたり、反対の立場から討論を行います。

この年の予算は、議会での審議も始まらない段階で、区長が突然の自殺を遂げ、つづいて契約課長が収賄事件で逮捕されると言う異常な事態の中で成立しました。これをひきつぐ青木区政の初年度の区政運営に大きな注目が寄せられていました。以下問題点を指摘します。

新区長に求められていた事件の真相究明と区民に信頼される区政の実現について。

区長は選挙前のビラで「大規模開発に絡む黒いうわさ、怪文書が飛び交い、前区長の自殺の翌日には契約課長が逮捕という前代未聞の目黒区政を今、見逃すことはできない」と区民にアピールして区長に就任しました。区民が最も求めていたものは、事件の真相解明と二度とこうした事件を引き起こすことのない、清潔で公正な区政への転換でした。こうした区民の声に区長は真剣に応えてきたのでしょうか。

しかし区長は、事件の真相については「司法の場で明らかになること」と公約を放棄し、自らその問題に手をつけようとしませんでした。今年1月行なわれた全職員対象のアンケートには、事件に至る経過など、事件の真相が究明されなかったことに対する職員の不信感や怒りの声が多く寄せられました。「信頼と改革の区政」を実現するというのであれば、いまからでもアンケートで示された職員の声にしっかり耳を傾けることが必要です。

さらに、偏った人事の問題、現場の声が政策にいかされない組織の体質、コスト削減が最優先になっている「行革」への批判など、前区長時代から続く閉塞感がいまだに続いていることが明らかになりました。職場民主主義を取り戻し、職員と力を合わせ区民の信頼回復に全力をあげるとともに、住民の声が反映される真に区民が主人公の区政へ転換することをあらためて求めるものです。

第二は区民のくらしについてです

昨年度は大企業が戦後空前の利益を上げている一方で、勤労者世帯の収入は6年連続して減少するなど、勤労者も高齢者も生活は依然、厳しい状況が続いていました。それに加え、年金保険料の引き上げと給付額の引き下げ、今年1月には所得税の公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止もおこなわれ、区民の負担は耐え難いものになっています。

とりわけ、高齢者世帯への増税の影響は深刻で、税制が変わったことによって非課税世帯から課税世帯になったケースの中には、今後、国民健康保険料や介護保険料など年間30万円近い負担増になり、生活保護水準以下の生活を余儀なくされる人も少なくありません。

低所得者対策は待ったなしの課題でありながら、区長は政府の増税路線について「世代間の不公平感の是正」「持続可能な制度の維持」などと、これを容認する見解を示しました。その姿勢は、莫大な税金を使う開発計画を見直すこともせず、新たに電線類の地中化、学芸大学駅周辺整備を予算化する一方で、就学援助の削減、心身障害者福祉手当の削減、生業資金の廃止、私立幼稚園保護者負担軽減補助の削減など区民への経済支援をばっさりと切り捨て、学童保育クラブの有料化など負担を区民に強いてきたことに現れています。

また、区議会の海外視察費を温存し、議員互助会、議員待遇者会への補助の見直しさえ検討しようとしていません。住民の福祉増進に寄与するという自治体の役割を投げ捨てたものといわざるをえません。

第三は財政運営についてです。

目黒区は1997年、事実上の財政危機宣言を行いながら、5年間の薬師寺区政は、それまでの都市計画関連事業に加え、都立大跡地の大型公共施設建設、上目黒2丁目再開発、さらに、計画にもなかった庁舎移転計画を強行してきました。

その結果、基金はそこをつき、借金も900億円に及ぶなど異常な事態を招いたのです。区長が自殺間際に決定した、新実施計画は、不足する167億円の財源を確保するために、行革大綱、年次別推進プランで、これまで以上の区民施策切り捨てをすすめるというものでした。区民を犠牲にして再開発を優先させる区政のあり方を抜本的に見直すことが、「真相解明」とともに新区長に求められていたのでないでしょうか。

しかし区長は、前区長が決めた新実施計画に基づく初年度の予算については、「十分な手続きの下で決められたものであり、着実に執行することが私の責務である」と、事実上薬師寺区政の継承を明らかにしました。そして、第一次補正も第二次補正も、生まれた財源を区民のために少しでも活用すると言う姿勢を見せず、第一次補正では5億円、第二次補正では21億7千万円を基金に繰り戻すことを優先させました。区長は、「区民が主役」、「改革」を公約に掲げましたが、その中身は従来とまったく変わらないものでした。

第四は、自治体のあり方についてです。

国がすすめる地方行革は、「小さな政府」「民間にできるものは官は行わない」と言う徹底した「民間市場の活用」を打ち出し、これまで市場にはなじみにくいとされてきた医療、福祉、保育、教育、環境の分野まで市場化しようとしています。

この年、地方自治法の改正によって創設された指定管理者制度の活用に向けた準備が大きく進められました。区は対象となる94施設すべてにこれを活用する方針を決定し、福祉施設や教育施設については、経営改善を進めることを条件に社会福祉事業団や芸術文化振興財団を継続して指定するとしました。

しかし、社会福祉事業団が提出した「経営改善計画」は、利用者へのサービス向上を目的に、これまでの業務をはるかに上回るメニューを掲げてはいるものの、3つの特養ホームだけで、5億3939万円もの支出を減らすなど、経費削減を最大の目標につくられたものでした。

中でも職員体制は契約職員の活用を柱に、不安定雇用労働者を大量に採用するなど、人件費の削減が経営改善の中心となっています。福祉施設はどれだけ経験を積んだ職員を確保するかが、サービスの質を決める鍵であるのに、そこに大ナタが下ろされるということは到底受け入れがたい問題です。

区立の福祉施設は、施設のあるべき姿の見本を示すことが設立の目的に掲げられていたはずです。その目的と役割は、今日に至っても堅持することが必要ではいないでしょうか。しかも、いったんは継続して指定されたとしても、3年後の継続の保障はなく、さらに経費削減の競争にさらされることになります。直営に戻す検討を形だけに終わらせ、財界の要請にこたえて創設された指定管理者制度を安易に導入したことの是非は、今後厳しく問われることになるのではないでしょうか。

現在、区立保育園にも指定管理者制度を活用する準備が進められていますが、これに反対する関係者の声にしっかり耳を傾けるべきです。住民とともに作り上げ、全国にも誇る水準にある福祉施設を、目黒の宝として守るために民営化路線を改め、公設公営を堅持することを強く求めます。

関係者の反対を無視して今年4月から始まった図書館の業務委託についても、増え続ける作業量をいかに安い人件費でこなすかを最大の課題に強行されました。住民からレファレンス業務に問題があると指摘されても、区民から求められる仕事の質を確保することには背を向け、仕事量さえこなせればよしという姿勢に終始するなど、教育の機会を保障する図書館の公的責任が果たされない状況を生み出しました。

介護保険法の改正で、新たに設置される地域包括支援センターは、「中立・公平性」が最も求められるところです。従来の地区保健福祉サービス事務所の機能を拡大することで十分対応できるにもかかわらず、関係する職員の7〜8割が反対し、政策決定会議の中でも多くの異論が出る中、十分な論議もないまま、委託することが決定されました。今後、制度の変化が予測される中、あまりにも拙速な判断といわざるをえません。

今日、地方分権が叫ばれる一方で、国は「構造改革」の名の下に「官から民へ」の流れを自治体にも強要していますが、住民自治を基本に、住民の福祉増進を最大の仕事とする自治体のあり方を大きくゆがめるものであることは明らかです。住民参加の徹底で民主的な区政運営を確立し、憲法の五原則である地方自治を堅持する目黒区政実現に全力を挙げること強く求めます。

最後に教育の問題についてです。

2中、5中、6中の統廃合計画が強行され、実施設計が示されました。しかしその内容は、近い将来必ず実現する30人学級を施設設計に反映させていないこと。教科教室方式も教員間の十分な論議も理解もないまま強引に進められていること。さらに区民にささやかな施策まで切り捨てながら統合計画をスムースに進めようと1000万円もかけて標準服を公費負担公平にしたことなど様々な問題が指摘されています。

以上問題点を指摘してきましたが、何よりも区政史上最大の不祥事の後に誕生した新区長の一年目として、区民から大きな期待が寄せられながら、新しい改革の方向が示されなかったことはまことに残念であり、区民の期待に沿うものでなかったことを申し述べ、私の反対討論を終わります。

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