森美彦 日本共産党目黒区議会議員 葉っぱ
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森美彦のモリモリ区政報告

528号 議員定数と議会改革を考える



削減の直接請求

 7月31日まで有権者の50分の1をめざし議員定数2名削減の直接請求が行われています。
 目黒区議会の議員定数は、1994年に40名から38名に、98年に38人から現在の36人に条例改正されました。

議会の役割とは

 直接請求の要旨には、住民意思の反映と執行機関への批判監視の機能が低下する声があるが、現在3名欠員していても特段の問題は生じていないから2名削減する余地があるとしています。
 しかし、区民が求める議会の役割を本当に発揮できているのでしょうか。問題が生じていないと本当に断言できるのでしょうか。

議員の役割重大

 貧困と格差の拡大や環境悪化のもと、高齢者や障害者、低所得者など生活に困難をかかえる区民が増えている今日、36名の議員が地域で、区民のくらしを支えるために活動し、区政に区民の声を反映することがますます求められています。

議員が減れば

 議員の数が少なくなれば区民の声が区政に届きにくくなります。区政をチェックすべき議会の役割が縮小されます。議員は住民代表として行政をチェックする役割があります。住民犠牲の自治体行政のあり方を住民の利益をまもる代表としてチェックし、必要な政策提案を行うなど議員の役割は重大です。住民代表としての議員の定数をどんどん減らすことによって地方議会の機能を弱め、ますます国や都の言いなりの目黒区行財政運営にしていっていいのかどうかが問われています。

議会のあるべき姿とは

 自治体の第1の役割は住民福祉の増進です。地方自治と住民自治を担う議会の役割とは、住民の声を政策に反映させ、住民福祉を向上させていくことです。それを実現するために議会はどうあるべきか、議会の組織とはどういうものか、それらを推進するために定数はどう位置づけるのか。はじめに定数削減ありきではありません。議会の定数削減問題は、あるべき議会の姿を論じ、将来像を定めるなかで議論すべきです。

議会改革とは

 日本共産党区議団は、いままで議会改革のための提案を積極的に行い、議会の同意で一つひとつ実現してきました。議会改革のとり組みとして政務調査費の領収書添付の義務付けと全面公開、インターネットによる本会議の録画放映と議事録の全部公開、議員費用弁償の廃止、議員報酬の23区最低額への引き下げ、議員の海外視察の廃止等、休止も含め一部改善がはかられました。さらに議会の審議内容の充実や議員の政策形成能力向上に資する方策の具体化が必要です。委員会への傍聴者への資料提供など一層の情報公開、陳情者の趣旨説明の容認、多様な民意を代弁する一人会派の権利の保障など実現しなくてはならない課題です。
 いま、なすべき改革は、条例提出権の行使など議会の活力を高め、住民参加・情報公開を加速し議会への信頼向上をはかることです。定数削減すれば、議会改革されるというものではありません。定数削減と議会改革は本質的に無関係です。

議員削減は行革とは違う

 直接請求の要旨には、目黒区の財政は厳しく3年間で180億円もの歳出削減をしていることや100名を超える職員数を削減したのに、議会改革は不十分としています。しかし、議会の役割の重要性をわきまえた議論もせず、行政もリストラ(行革)しているから、議会もリストラ(定数削減)だというのは筋違いです。

区民福祉の向上こそ

 「財政難」を理由に、区民いじめの緊急財政対策を強行し、施設老朽化や震災対策に必要な技術職員不足、社教館「貸館」化、図書館開館時間縮小、学童保育の定員オーバーなどの解決より職員削減と民営化で自治体の役割を後退させている一方、基金積立てを最優先し「ためこみ金」は101億円にもなります。区財政は「赤字」どころか3年連続40億円前後の史上最高レベルの大黒字です。
 区民いじめ・区民だましの区政を議会がチェックしなければなりません。区民福祉の向上を本当に実現していく議会の役割こそ果たすべきです。



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