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党の政策

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2019年2月定例会で、石川恭子区議会議員が公的住宅・子育て支援・児童相談所などについて、一般質問を行いました

2019年一定・一般質問本文             

               石川恭子

私は、日本共産党区議団の一員として、区政全般について大きく5点質問します。大きな第一は、安心して暮らせる公営住宅の確保についてです。


 一点目の質問は、東京都へ都営住宅整備の働きかけをせよということです。
 区内には区営住宅591戸、都営住宅660戸ありますが、23区の中で世帯における公営住宅の比率は最低です。直近の区内の都営住宅応募には、125倍と異常な高さになった住宅もありました。住まいは人権と言われますが、住み慣れた目黒で暮らし続けたいと思っていても、民間住宅は家賃が高く、公営住宅にも入ることもできず、経済的理由によって、目黒を離れなければならない事態が生まれています。
 昨年、目黒一丁目にある都営住宅27号棟・30戸が解体され、現在更地となっています。昨年末、区民の方とともに、都市整備局の担当者と懇談を行い、この場所に27号棟の建て替えを要請しました。斜面地であるため新たな基準では30戸はできないものの整備は可能です。しかし、この場所に都営住宅を整備するかどうかは全く未定。今後都としてどのようにするか期日を定めた予定も明らかにしませんでした。都営住宅の減少は、住民福祉の後退です。都に対して、早急にこの場所に都営住宅の整備計画をつくるよう強く働きかけるべきだと思いますが伺います。


 二点目の質問は、区営住宅の空き室は、住まいを求める住民に一刻も早く効率
的に活用せよということです。
 この何年間の区営住宅の空き室募集を見ると、倍率の低いところは4倍、高いところは55倍となっており、住まいを求める切実さが伝わってきます。
区営住宅の募集は、空き室が一定数集まった時点で行われることが多く、2年あるいは2年半の間隔で行われています。現在空き室は、20戸を超している状況です。この空き室を放置することなく、住まいを求める住民に一刻も早く利用できるようにする必要があります。指定管理者との連携を強化し、空き室が出た際には早急に対応できるシステムをつくるべきだと思いますが伺います。    

 大きな第二は、子育て支援のさらなる拡充についてです。
 その一点目は、待機児解消計画について質問します。
 目黒区の待機児は年々増え続け、とりわけ2016年299人から17年には、国の待機児定義が変更されたとはいえ2倍の617人となりました。これは、23区では世田谷に次ぐ第二位の待機児数となりました。保護者の保育園増設の切実な声が広がる中で、区は17年9月「保育所の待機児解消に向けた新たな取り組み方針」を決定しました。この中で、2020年4月時点での待機児ゼロに向け取り組むとしています。こうした中、保育所の整備が進められ、19年4月には1033人を超す定員の拡大が見込まれ、19年度中の保育所整備で、さらに1000人以上の定員拡大を行うとしています。先日、今年4月の一次希望園内定が発表されました。2319人が申し込みをし、そのうち1650人が内定、660人が未定となりました。今後、調整などによって660人の人数は変化していきます。
 現時点で、20年4月に待機児をゼロとする見通しがあると考えているのか伺います。今後、経済的な理由や、女性の社会進出、さらに国の保育料の無償化などによって、保育所の入所希望者が増えることが予想されます。また、区もしばらくは就学前人口が増えると予想しています。これからの保育需要をどのように推定しているのか伺います。

 二点目は、都営住宅敷地内の保育所設置について質問します。
 日本共産党は、目黒一丁目の都営住宅敷地内の旧第二田道保育園跡地に保育所の整備ができないかと検討してきました。当初の調査では、都は保育園解体後の整備は困難であるという返答でした。
 しかし、待機児問題が大きくなる中で状況は変わりました。接道など解決しなければならない課題はあるものの、ハードルは低く、解決できる事も明らかになりました。昨年末、東京都の担当所管と懇談をしました。都は、すでに昨年4月に保育所整備に関わる資料を区に提供したが、目黒区からは返事がないと指摘されました。区は資料を受け取りそのままにしているのでしょうか。この場所に保育所の整備を行うべきだと思いますが、どのような検討が行われているのか伺います。

 三点目は、保育園整備のさいには周辺住民への説明会を義務づけよと言うことです。
 現在、公有地や公の施設を活用して保育所を整備する民間事業者には、近隣住民に対する説明会を実施させています。しかし、民間事業者が民有地を利用しての保育所整備やマンション改修による保育所整備については、近隣住民への説明会は義務付けていません。周辺住民が説明会を求めれば行うケースもありますが、周辺へのビラ配布などで済ましているケースもあります。
 近年、保育所整備に対する地域の厳しい声があり、説明会をすると整備が遅れてしまうという不安があり義務づけないのではと推測してしまいます。しかし保育所は、近隣住民に見守られ支えられながら育てられていくのです。保育所の役割を知ってもらい信頼を得るためにも、最初に丁寧に近隣住民に周知することは基本です。民有地などの保育所整備についても住民への説明会を義務づけるべきだと思いますが伺います。

 大きな第三は、児童相談所設置に向けて具体的な対応をせよということです。
 幼い子どもへの虐待が後を絶ちません。千葉県のケースでは、教育委員会や児童相談所等の対応が問題だと指摘され、子どもの命を救うチャンスがあったにもかかわらず亡くなるというという悲しい結果になりました。
 今日、生活不安や貧困が進む中で虐待相談はふえ続け、東京都では1万3千件を超しました。虐待が起こる要因は、家庭の経済力、子育て家庭の孤立、加害者の人としての育ちの問題などが指摘されています。この要因を取り除くことや、家族への包括的な支援が求められます。それとともに、虐待を受けている子どもや虐待の状況になりつつある子どもへの対応が、緊急に求められています。
 目黒区は、児童相談所の設置を明らかにしましたが、一刻も早く設置に向け具体的な取
組みを行うよう以下質問します。

 一点目は、児童相談所の場所の確保についてです。
 児童相談所の設置にあたっては様々な課題があります。設置場所については、一時保護所を含めると一定の広さの敷地が必要です。
 また、まれに親が子どもを引き取ろうと児童相談所に来るケースもあり、場所については一定の条件がつきます。まだ関東財務局には移っていませんが、中目黒の防衛省の移転した跡地なども含め検討をすべきだと思いますが、すでに見通しはたっているのでしょうか。いつまでに場所の決定をするつもりでいるのか伺います。

 二点目は、人材確保についてです。
 23区のほとんどが、児童相談所を設置する予定です。人材確保については各地区での取り合いなど困難が予想されます。2020年開設予定の世田谷区では、児童福祉司33名、児童心理司16名を始め非常勤なども含め63名、また一時保護所では43名と合わせて106名の採用を予定しています。目黒区は、世田谷区とは当然規模は異なると思います。区長は昨年、職員の人数については50名から60名と答弁していましたが、その後より具体的にどのくらい人数を想定しているのでしょうか。また、確保に向けた具体的な計画はどうなっているのでしょうか伺います。

 三点目は、子ども家庭支援センターの拡充をする事についてです。
 子ども家庭支援センターは、子どもと子育て家庭に関する総合相談や、児童相談所と連携した様々な事業や、虐待の通報があれば立ち入り権限や臨検捜索はできませんが見守りにいく重要な役割があります。現在、職員の専門性を高めるために児童相談所に派遣し育成したり、心理司等の専門職を採用しています。さらなる職員と家庭支援センターの拡充が必要だと思いますがどのように考えているか伺います。

 四点目は、住民への丁寧な説明を行うことについてです。
 港区では、児童相談所設置にあたり、周辺住民からの反対の声に苦慮しています。区は、児童相談所設置に当たり、周辺住民に丁寧な説明会を行なうと思いますが、さらに、多くの区民に虐待問題の認識を深めてもらうために、区民に向けた「今日の子どもの置かれている現状や」「社会的養護」などについての学習会など開催すべきだと思いますが伺います。

 大きな第四は、高齢者や障がい者が安心して暮らせるためについてです。
 一点目は、新たな特別養護老人ホームの整備計画をつくるようにと言うことです。
 2000年以降、特養ホームが整備されていない中で、一時待機者は1000人近くにもなりました。日本共産党区議団は、議会で何度も特養ホームの整備を提案し、住民のみなさんと共に「特養ホームの増設」署名や、介護実態調査を行ってきました。こうした奮闘の中で、3つの特養ホームの整備が決まり、この夏には旧第6中学校跡地に1つが開設します。全体で300名の定員拡大となり前進です。
 しかし待機者は、介護保険の改定によって、入所対象は要介護1から原則要介護3に縮小され、一時700人台に減ったものの、現在890人と増えています。全国では、毎年10万人の介護離職者が出ています。私たちの実態調査からも、区内にも介護離職の方がいました。皆さん、苦労し親を介護しながら、特養ホームの入所を待っています。在宅介護支援の充実とともに、新たな、特養ホームの整備計画をつくるべきだと思いますが伺います。

 二点目は、低所得者に対する経費の負担軽減をすべきだと言うことです。
 今後整備される特養ホームは、ユニット型の個室です。一人一人の生活に配慮し、人権を尊重した個室は評価できるものです。
 その一方、従来の多床室と比べユニット型個室は居住費用が高く、利用者には総額月2万8千から3万8千円前後の負担増となります。低所得者には、国の補足給付はありますが、それでも負担増です。現在でも、所得の低い人は、経済的理由から入居施設を探すのに大変苦労しています。新しくユニット型特養ホームができても、費用を負担することができないために入所の希望さえ出せない人がいるのです。低所得者に対する居住費の補足給付を、区独自に拡大すべきと思いますが伺います。

 三点目は認知症検診の導入についてです。
 高齢化が進む中で、認知症の方も増えています。高齢者のなかで、認知症の疑いを含む日常自立度1以上の人は13.8%、その中でも見守りや支援が必要な日常生活自立度2以上の人は10.2%と言われています。都の保健福祉局の推計に基づく調査から、目黒区では自立度1以上は7574人、自立度2以上は5598人です。しかし、認知症の本当の実数はわからず、あくまで推計となっています。認知症の疑いのある人は、早期の段階で受診をする必要があります。ところが、現状では、本人は診察を拒否し家族を悩ませ、その間に病状が進行するケースが出ています。
 都は、認知症の早期の対応や治療につなげられるよう認知症検診推進事業を新年度予算化しました。70歳以上を対象に冊子をくばりチェクリストを活用しその結果によって個別健診につなげていくというものです。費用は全額都の負担。この制度を活用し、気軽に受けられる認知症検診制度を取り入れてみてはと思いますが伺います。

 四点目は、介護タクシー事業の見直し検討についてです。
 2018年3月、利用者の強い反対がある中でリフト付き福祉タクシー事業が廃止されました。廃止にともない、介護タクシーの利用補助券の追加交付、福祉タクシー利用券の臨時交付、介護タクシー高額利用補助の期間限定の補助が行われています。
 先月、区と障がい者や利用者家族の懇談が行われました。その中で、ストレッチャーを利用するとストレッチャー代として1回3000円往復で6000円とられることや、新たな介助料が発生したなど、経済的負担や、新たな制度の使いづらさや、疑問がたくさん出されました。さらに、成長期の子どもを持つ保護者からは、社会参加が制限される子どもの生活の窮状を訴えていました。新たな事業の見直しを3年後に行うのではなく、利用者との懇談を行い声をきちんと聴き、早急に検討改善を行うべきだと思いますが伺います。

 大きな第五は、だれもが医療を受けられるために、資格証・短期証の発行者に対
する現状把握をすべきだと言うことです。
 国民健康保険の加入者は、高齢者が多く比較的所得が低い世帯が占めています。さらに、他の保険制度にはない人頭税のような所得割が有り、家族が一人増えるごとに5万1千円加算されるという高い保険料となっています。
 現在、年収400万円4人家族では42万円の保険料です。毎年保険料が値上げされる中で、払いたくても払えない世帯が増え、目黒区では加入世帯の四分の一、約1万2千世帯が滞納世帯になっています。保険証が取り上げられ資格証が発行されている世帯は、昨年6月271世帯、短期証は約1900世帯です。資格証を持っていても病院窓口では全額医療費を支払わなければなりません。全国では、保険証がないために医療機関にかかれず亡くなる人も出ています。目黒区では資格証の世帯が生活困窮に陥っていないか、医療が受けられるようになっているのかなど、どのような事態になっているか把握しているのかどうか伺います。また、臨戸はどのように行われ件数はどのくらいになっているのか伺います。
以上で、壇上からの質問を終わります。
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