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第6期目黒区介護保険事業計画素案についての意見書を提出しました

   第6期目黒区介護保険事業計画素案についての意見書                                                                                              
                                                                                             2015年1月13日
                                                                                             日本共産党目黒区議団

 介護保険は、度重なる改定によって、家族介護を支えるどころか老々介護は広がり特養ホームの待機者は全国で52万に増え、介護のために毎年10万人が離職する事態です。さらに昨年6月、十分な審議をすることなく「医療・介護総合法」が成立しました。自助・自立を基本とし、要支援者の通所介護などを介護給付から除外しボランティアなどによる総合事業に移し、利用料の引き上げ導入や特養ホーム利用者の対象制限など、さらなる改悪を第6期の3年間で完全実施するものです。
 自治体の役割は「住民の福祉の増進」です。改定された介護法の下でも、だれもが安心して暮らせるために介護を支える立場から以下意見を述べます。
  

1、昨年改定された介護保険の一番の問題は、要支援者の通所介護・訪問介護を介護給付から除外し、自治体の裁量による総合事業に移すというものです。要支援者の中には、認知症の初期の人が多く含まれ「早期発見・早期治療」の専門的な対応が求められます。ところが総合事業は、全国統一基準の介護事業者による支援からボランティアなどに代替えするというもので、経費削減のための何物でもありません。初期の対応がきちんと行われなければ、利用者の重度化が進みます。サービスの質や専門性の確保のために、総合事業であっても引き続き介護事業者が参入できるよう、国に対して財政的な支援を行うよう働きかけ、当面区として総合事業に一般会計から繰り入れを行うこと。

2、新年度、特養ホームなど施設の介護報酬の引き下げが明らかになりました。報酬引き下げによって施設運営の困難なところが生まれ、施設廃止にもつながりかねません。国に対して介護報酬の引き上げを働きかけるとともに、当面区として一般会計からの繰り入れを行うこと。

3、総合事業をボランティアに担わせようとしていますが、事故が起こった時には責任が取れません。総合事業にボランティアを組み入れないこと。

4、特養ホームの利用者は、改定によって要介護3から5に限定されますが、現在特養ホームに入所している人を排除しないこと。国は要介護1から2に対しての例外配慮の指針(虐待、認知症、単身で病弱など)を明らかにしています。国の指針にこだわらず、柔軟に対応すること。

5、25項目のチェックリストによる判定が行われますが、希望するすべての人に対し従来どおり介護申請(認定)を受けさせること。

6、特養ホーム2か所の開設(7期)が明らかになっていますが、さらなる整備計画をつくること。

7、夜間対応型訪問介護については、介護事業者が参入できる環境整備がされていません。計画では、現状の区内1事業者での対応となっていますが、介護する家族からは夜間のおむつ交換の希望が出ています。実態を調査し夜間事業者の拡充を行うこと。

8、通所介護でのお泊りデイが増えています。現状を解決するために、さらなる小規模多機能型居宅介護など事業者の受け入れ拡大を進めること。

9、地域包括支援センターは、地域包括ケアシステムの拠点であり重要な役割を担っています。他自治体の包括支援センターと比べ職員の増配置、さらなる職員研修などによって機能を強化するとしていますが、それだけでは高齢者をはじめ、医療・保険・福祉の全分野における対応などできるものではありません。かつて地域福祉審議会の中で支援センターの数の検討が指摘されていましたが、職員の増配置とともに、支援センターの5か所を10か所に増やしそのうちの1か所を直営にすること。

10、現状でも高い介護保険料は、払いたくても払えない人を生み出しています。保険料の改定にあたっては、準備基金3億3千万余を全額活用し、さらに一般会計を投入し現行介護保険料を引き下げること。予算原案では、国の予算措置が決まっていないからと、高い保険料を想定し、6億円の基金積み立てが盛り込まれていますが、6億円の積み立ては撤回すること。
                                                                                                               以 上


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