日本共産党目黒区議団 > 党の政策 目次 > 党の政策 詳細

党の政策

▶ 一覧に戻る

長期計画改定にあたっての意見

長期計画改定にあたっての意見
9月19日  日本共産党目黒区議団
●長期計画について
1.現行の基本計画について、わが党は、区民生活と福祉切り捨て、職員削減の「行財政改革大綱」を推進することを大前提とした計画であると、当初から批判してきた。また、基本理念に「住民自治を確立する」とうたい、住民参加のシステムをつくることを目標にしてきたが、いまだ実現せず、住民参加という課題が後景に追いやられている。
 現行基本計画の期間中には、計画になかった庁舎移転を区民に意見も聞かずに強引に進め、区財政に大きな影響を与えた。しかも、中目黒駅前、大橋地区など大型ビル建設中心の再開発を優先し、「行革プラン」を実行しながら区民サービス、福祉を切り捨ててきた。
 さらに、小泉内閣以来の構造改革=痛み押し付けの政治について、「持続可能な社会にとって避けて通れない」と肯定する態度に終始している。分権時代においては、住民の福祉を増進するという自治体本来の役割が重要になっていたにもかかわらず、国に追随する姿勢をとり続け、「分権」の流れにも逆行している。
 こうした区政運営がどうだったのか、そして基本計画に基づく施策の到達度や費用対効果、行政水準の評価など、まず、行政自身がしっかりと総括し、区民に公表すべきである。
2.区は計画改定要領について10月に決定するとしている。しかし、基本構想や現行基本計画に明記されている「住民自治」「住民参加」の観点はいまだ明確にされていない。長期計画のような重要な行政計画こそ、区民の参加が必要であるにもかかわらず、そういった姿勢が見えない。計画改定に当たって、各住区ごとに説明会を開催するとともに、区民とのワークショップをおこなうなど、十分な住民参加を保障すること。
3.計画改定に向けて、区は「区民意識調査等多彩な方法により、広範かつ丁寧に区民意見・意向の把握に努める」「現行基本計画の社会経済状況の変化に関する情報収集」を掲げている。「社会経済状況の変化」でいえば、貧困と格差の拡大が最も特徴的であり、当然、低所得者対策は避けてとおれない課題である。また、特養老人ホームなど介護施設や高齢者福祉住宅など、区民の生活を支えるための基盤整備が重要であり、新計画にしっかりと位置づけるべきである。
4.計画改定の留意点の中で、区は「区民、NPO、関係団体、事業者ほか、多様な地域主体との協働・連携・協力による施策・事業の計画化をはかる」としている。「区民団体などとの協働」自体は否定されるものではないが、本来なら福祉など行政の責任でおこなうべき仕事を「協働」の名で地域での助け合い、支えあいに転化してはならない。行政の責務についても明確にすべきである。
5.基本計画、実施計画の改定に先立ち、新行革計画および中長期の職員定数管理の考え方が示されている。長期計画改定の留意点で、区は「取り組んできた行財政改革の趣旨を踏まえ」るとし、職員削減と民営化、福祉施策を含めたサービス切り捨てを前提にした基本計画にしようとしている。「行革」を進めれば、「効率化」「経費削減」が優先され、行政サービスの後退につながることは、この間の指定管理者制度の導入からも明白である。「行革」を前提にした策定はやめるべきである。
6.区民にとって身近な福祉行政機関である地区保健福祉サービス事務所と包括支援センターの統合は、子育て世代や障害者も含めた「総合相談」といいながら、実際は高齢者相談しか対応できない点や、住民意見をまったく聞いていない点からも容認することはできない。しかも、行政が責任を持つべき福祉施策を民間委託でおこなおうとすることも重大である。よって、両施設の統合は中止すべきである。
7.区は、住区住民会議を住区におけるコミュニティ形成の推進母体として、行政の支援の下につくってきた。しかし、認知度や参加意向の低迷をはじめ、他の地域団体とも公平性の観点から見直しが行われてきた。
 その後の活動で前進した住民会議が一部あるものの、多くの住民会議は改善どころか、停滞や弊害が現われている。区は住区住民会議について、住民コミュニティーの核となるよう当初の構想どおりの姿に戻すことを考えているが、官制コミュニティーの誤りを繰り返すべきではない。
●実施計画について
 日本共産党区議団はこれまでの実施計画改定に際し、「福祉、防災、安全など、区民の基本的な生活条件に直接影響のあるものを優先」し、「都市整備事業は、いったん着手すると期間も長くかかり、財政負担も大きく、変化に対応しにくい面もあるで・・・区民にとってぜひ必要な施設でない限り、あえて計画しないという見識と勇気を持つことも必要である」という、「分権時代の行政改革」(提言)で示された優先順位の基準を持つことを求めていました。
 その立場で、南保育園など耐震工事未実施の公共施設の改修を最優先させることや老朽化が著しい小中学校の改築計画を年次計画を作り順次実施計画に盛り込むことを提案してきたところです。
しかし、こうした緊急性の高い施設の改修は後回しにされ、都立大の大規模施設に多額の税金をつぎ込むとともに、実施計画にもない庁舎移転を強行し、その財源づくりのために児童館や保育園のための区民の貴重な用地を次々に売却したことは将来の区民の施設整備に重大な影響を与えました。今日、施設の改修問題が、財政問題を含めて区政の重要課題となっていますが、大型施設建設や再開発を優先し、既存施設の対策を後回しにしてきた責任は重大であり、あらためてこれまでの実施計画を総括することを求めます。
 そのうえで、2010年度改定の実施計画においては、こんどこそ、開発や不要不急のものを抑制し、待機児や待機者の早急な解消が求められている、保育園や特養ホーム、高齢者や障害者福祉住宅の整備をはじめ防災公園など生活密着型の施設整備を優先させるべきです。また、現在ある170の区立施設の改築改修計画については、廃止や統合を前提にせず、長期的財政計画を示しながら、区民参加で検討をおこなうべきです。
  以上

このページの先頭へ ▲